赤あかき帽子日ぼうしひの出でに見みまほしく
玉たまとなって砕くだけど砕くだけど世相万端せそうばんたんは
死活問題しかつもんだいなど恬淡てんたんにして
而しこうして謀はかって毀こぼてよ 東京府とうきょうふ、壱拾壱年じゅういちねん
妖雲よううんの砌みぎりには半鐘はんしょう騒々そうぞうしく
暴動ぼうどうの音繁おとしげく賊ぞくの声こえよ
辿たどるべき道みちは此処ここに無ないと覚さとれども
非常号砲ひじょうごうほうが鳴なり答こたえも出でない侭まま
アア帝都ていとに響ひびく さあ 合図あいずを出だしてよ
絆忽略きずなこつりゃくされて然しかるべき
瓦かわらとなって全まったからぬ折おりの世相万端せそうばんたんは
何なんの科とがなきにあらず
然しかるに御斟酌ごしんしゃく馳はせ申もうす 東京府とうきょうふ、壱拾壱年じゅういちねん
塗炭とたんの苦くるしみへ 杳ようたる御様子ごようすにて
感情かんじょうを投なげ捨すてて 口惜くちおしいか
深ふかき情じょうに触ふれて 清きよき忠ちゅうを貫つらぬいた
世情せじょうが変かわり 尽つくすべきものも無ない
アア帝都ていとに響ひびく さあ 合図あいずを聞きいたら
辿たどるべき道みちは僕ぼくも君きみも望のぞむ道みち
鏖戦おうせんの背後はいご 唾つばを滴したたらせた
アア此この侭ままじゃ僕ぼくらは
赤akaきki帽子日boushihiのno出deにni見miまほしくmahoshiku
玉tamaとなってtonatte砕kudaけどkedo砕kudaけどkedo世相万端sesoubantanはha
死活問題shikatsumondaiなどnado恬淡tentanにしてnishite
而shikouしてshite謀hakaってtte毀koboてよteyo 東京府toukyoufu、壱拾壱年juuichinen
妖雲youunのno砌migiriにはniha半鐘hansyou騒々souzouしくshiku
暴動boudouのno音繁otoshigeくku賊zokuのno声koeよyo
辿tadoるべきrubeki道michiはha此処kokoにni無naいとito覚satoれどもredomo
非常号砲hijougouhouがga鳴naりri答kotaえもemo出deないnai侭mama
アアaa帝都teitoにni響hibiくku さあsaa 合図aizuをwo出daしてよshiteyo
絆忽略kizunakotsuryakuされてsarete然shikaるべきrubeki
瓦kawaraとなってtonatte全mattaからぬkaranu折oriのno世相万端sesoubantanはha
何nanのno科togaなきにあらずnakiniarazu
然shikaるにruni御斟酌goshinsyaku馳haせse申mouすsu 東京府toukyoufu、壱拾壱年juuichinen
塗炭totanのno苦kuruしみへshimihe 杳youたるtaru御様子goyousuにてnite
感情kanjouをwo投naげge捨suててtete 口惜kuchioしいかshiika
深fukaきki情jouにni触fuれてrete 清kiyoきki忠chuuをwo貫tsuranuいたita
世情sejouがga変kaわりwari 尽tsuくすべきものもkusubekimonomo無naいi
アアaa帝都teitoにni響hibiくku さあsaa 合図aizuをwo聞kiいたらitara
辿tadoるべきrubeki道michiはha僕bokuもmo君kimiもmo望nozoむmu道michi
鏖戦ousenのno背後haigo 唾tsubaをwo滴shitataらせたraseta
アアaa此koのno侭mamaじゃja僕bokuらはraha