炎 歌詞 宮下遊 ふりがな付

焼やけ跡あとの写真しゃしんを
集あつめてはしまい込こんで
いつか遠とおくに見みた火ひは
そこにあった

焦こげ付つくいびつな指先ゆびさき
溶とける硝子がらすのきらめき

想おもいはどれほど形かたちを残のこせるだろう

あなたは炎ほのおの中なかをまだ生いきている
悲かなしささえ忘わすれたように
不思議ふしぎそうな顔かおをして目めを細ほそめている


踏ふみしめる灰はいの
もろい柔やわらかさが
その胸むねを綻ほころばせる
ほろほろと崩くずれて

焦こげ付つく髪かみの香かおりが
私わたしを裏付うらづけたように
あなたもその身みを強つよく焼やいているのか

あなたは炎ほのおの中なかをまだ生いきている
差さし出だされる手てを熱ねつに溶とかし
分わからない言葉ことばに燻いぶされて立たち尽つくしている

痛いたみの無ない熱あつさまで
青あおくなれそして真まっ白しろになれ

あなたは炎ほのおの中なかをまだ生いきている
悲かなしささえ忘わすれたように
不思議ふしぎそうな顔かおをして笑わらった

あなたは炎ほのおの中なかをまだ生いきている
追おい風かぜはすべてを焼やき尽つくしていくだけ

あなたは
燃もえている
それでも生いきている