昔々むかしむかし、枯かれ木きも咲さきかすような
美うつくしい少女しょうじょがいましたとさ
ある日ひ少女しょうじょに舞踏会ぶとうかいの報しらせが
お城しろへ
花畑はなばたけ踏ふみ荒あらし 羊ひつじを蹴けり飛とばして
お城しろに着ついた少女しょうじょ
華はなやかな王子様おうじさま 素敵すてきで眩まぶしかった
私わたしをみてイチコロよ
「どうか私わたしにキスをして」
そう言いった少女しょうじょに王子おうじは言いった
「アバズレのお前まえに渡わたすものは
何なんにもありはしない
お前まえの悪わるい噂うわさは国くにでも有名ゆうめいなことなのさ
そう 可愛かわいいだけじゃ 報むくわれない
キスなどしないよ」
私わたしはなぜ 枯かれ木きも咲さきかすような
美うつくしい少女しょうじょなのに 王子おうじは
キスをしてはくれなかったのだろう
見みた目めが全すべてなのに 何故なぜ?
お城しろへと向むかう 終おわりかけの舞踏会ぶとうかい
王子おうじを見みつけ言いった
「王子様おうじさまは何故なぜ美うつくしいものを拒こばむの?
見みた目めが全すべてなのに」
「幸しあわせと美貌びぼうに関係かんけいなど何なんにもありはしない
生うまれたままで愛あいされるのは赤子あかごだけさ
恥はじを知しれ
可愛かわいいだけじゃ報むくわれない キスなどしない
お前まえがいつか心こころ入いれ替かえたら
わかる時ときが来くる
女おんなの幸しあわせは美貌びぼうなどとは古ふるい考かんがえだとさ
さあ今いますぐに家いえへ帰かえれ ほら」
昔々mukashimukashi、枯kaれre木kiもmo咲sakiかすようなkasuyouna
美utsukuしいshii少女syoujoがいましたとさgaimashitatosa
あるaru日hi少女syoujoにni舞踏会butoukaiのno報shiraせがsega
おo城shiroへhe
花畑hanabatake踏fuみmi荒aらしrashi 羊hitsujiをwo蹴keりri飛toばしてbashite
おo城shiroにni着tsuいたita少女syoujo
華hanaやかなyakana王子様oujisama 素敵sutekiでde眩mabuしかったshikatta
私watashiをみてwomiteイチコロichikoroよyo
「どうかdouka私watashiにniキスkisuをしてwoshite」
そうsou言iったtta少女syoujoにni王子oujiはha言iったtta
「アバズレabazureのおnoo前maeにni渡wataすものはsumonoha
何nanにもありはしないnimoarihashinai
おo前maeのno悪waruいi噂uwasaはha国kuniでもdemo有名yuumeiなことなのさnakotonanosa
そうsou 可愛kawaiいだけじゃidakeja 報mukuわれないwarenai
キスkisuなどしないよnadoshinaiyo」
私watashiはなぜhanaze 枯kaれre木kiもmo咲sakiかすようなkasuyouna
美utsukuしいshii少女syoujoなのにnanoni 王子oujiはha
キスkisuをしてはくれなかったのだろうwoshitehakurenakattanodarou
見miたta目meがga全subeてなのにtenanoni 何故naze?
おo城shiroへとheto向muかうkau 終oわりかけのwarikakeno舞踏会butoukai
王子oujiをwo見miつけtsuke言iったtta
「王子様oujisamaはha何故naze美utsukuしいものをshiimonowo拒kobaむのmuno?
見miたta目meがga全subeてなのにtenanoni」
「幸shiawaせとseto美貌bibouにni関係kankeiなどnado何nanにもありはしないnimoarihashinai
生uまれたままでmaretamamade愛aiされるのはsarerunoha赤子akagoだけさdakesa
恥hajiをwo知shiれre
可愛kawaiいだけじゃidakeja報mukuわれないwarenai キスkisuなどしないnadoshinai
おo前maeがいつかgaitsuka心kokoro入iれre替kaえたらetara
わかるwakaru時tokiがga来kuるru
女onnaのno幸shiawaせはseha美貌bibouなどとはnadotoha古furuいi考kangaえだとさedatosa
さあsaa今imaすぐにsuguni家ieへhe帰kaeれre ほらhora」