指を入れないで 歌詞 あべりょう ふりがな付

出産しゅっさんの瞬間しゅんかんに立会たちあったら 赤あかちゃんの頭あたまが
ピッコロ大魔王だいまおうみたいに伸のびてて ビビった
触さわるとブニブニで 怖こわくなって 押おし込こもうとしたら
「指ゆびを入いれないで!」と 看護婦かんごふに怒おこられた

赤あかちゃんの脳天のうてんは 骨ほねがなくペコペコで 指ゆびが入はいりそう
産道さんどう通どおり 脳のうの拡大かくだいのため 20に頭蓋骨ずがいこつ分わけ

300の骨ほね、膜まく、軟骨なんこつが くっつき 200の骨ほねになり
大腿骨だいたいこつ 指ゆびの長ながさ 人間にんげん特有とくゆうの S字じ状じょうの脊椎せきつい
直立ちょくりつ歩行ほこうし 脳のうを支ささえ 細こまかい手作業てさぎょうのため
クソ真面目まじめに育そだつ骨格こっかくに 指ゆびを入いれないで

お腹なかの胎児たいじの顔かおは 左右さゆうから伸のびる突起とっきが 癒合ゆごうし
頭蓋ずがい骨ほねになるが たまに 唇くちびる縦たてに割われた 口唇裂こうしんれつ
思春期ししゅんきに 背せが1年ねんで10cm伸のびるのは 骨ほねの成長せいちょうと
その端はしの 軟骨なんこつ細胞さいぼうが分裂ぶんれつ 硬かたい骨ほねになろうと 軋きしむ
だから 軟骨なんこつに指ゆびを入いれたり 引ひっ張ぱって脱臼だっきゅうさせては ダメ
産後さんごに豹変ひょうへんする ママのイライラも 見守みまもって

骨ほねの水分すいぶんは20%パーで 軟骨なんこつは70%パー
柔軟じゅうなんに骨ほね繋つなぎ クッションする軟骨なんこつ
肺はいを拡張かくちょう、収縮しゅうしゅくし 呼吸こきゅうさせる肋軟骨ろくなんこつも
耳みみ 鼻はな 喉のどで発声はっせいできるのも 軟骨なんこつ

四十肩しじゅうかた 膝ひざ 腰こしの 痛いたみで知しる 軟骨なんこつのありがたみ
産うまれる前まえから キミを支ささえ 動うごく自由じゆうも与あたえた
軟骨なんこつがその機能きのう失うしなうとき 人ひとは激はげしく老おいを感かんじる

手足てあしを持もたない脊椎せきつい動物どうぶつ それこそが魚類ぎょるい
サメみたいな 全身ぜんしんが軟骨なんこつでできた祖先そせん
軟骨なんこつにカルシウム貯ため 硬骨こうこつ化かした奴やつが上陸じょうりくし
重力じゅうりょくから臓器ぞうき守まもり 鰭ひれは手足てあしに

5億おく年ねん前まえ カンブリア大爆発だいばくはつ 酸素さんそを歯車はぐるまにして駆動くどうし
軟骨なんこつが支ささえ 動うごく自由じゆう与あたえ 生物せいぶつは進化しんか
軟骨なんこつのその機能きのう 失うしなう種たねは 環境かんきょうに淘汰とうたされ 消きえた