ウンディーネ 歌詞 957 ふりがな付

この世界せかいの片隅かたすみで
枝分えだわかれした
最後さいごみたいな恋こいに
僕ぼくらは確たしかに触ふれている

花はなは必かならず散ちること
全すべては終おわること
一ひとつとして例外れいがいは無ないこと
足跡あしあとも付つかない場所ばしょで
君きみは泡あわになってゆく

僕ぼくは世界せかいから零こぼれ落おちる君きみを
掬すくってただ抱だきしめていたいの
夏なつが過すぎ去さってしまっても
ずっと、ぎゅっと
ねえ泡あわの様ように消きえゆくこの恋こいは
僕ぼくらを包つつんで弾はじけてしまって
このまま居いなくなって仕舞しまうのかな

「私わたしの短みじかい夏なつは終おわりを告つげた。
貴方あなたと出逢であった高台たかだいから眺ながめる海うみは、
どこまでも青あおく、深ふかく、澄すんでいて綺麗きれいだった。
貴方あなたの動うごかす筆ふでは、いつまでも私わたしを描えがいている。
絵えの中なかの私わたしを見みつめ、止とめどなく溢あふれる大粒おおつぶの涙なみだをパレットに溜ためてゆく。

もう一度いちど同おなじ世界せかいで生いきる事ことが出来できたのなら、
言いえる事ことは言いっておこう。
もう少すこしだけ自分勝手じぶんかってに生いきてみよう。
壊こわれそうな夜よるはそっと側そばに居いて、
抱かかえきれない時ときは手てを繋つなごう。
もしもまだ間まに合あうのなら、
君きみの耳みみに届とどくのなら、
「私わたしは貴方あなたのことが」」

会あいたい愛あいが痛いたいアイロニー
逢むかえない結ゆわえないの最期さいごに
海底かいてい行いきの船ふねに乗のって君きみは沈しずんでく
滲にじむ心こころで忘わすれない様ように
僕ぼくは君きみを描えがいている

僕ぼくは
世界せかいから零こぼれ落おちる君きみを
掬すくってただ抱だきしめてたいの
影かげが消きえ去さってしまっても
ずっと、ぎゅっと
ねえ
泡あわの様ように消きえゆくこの恋こいは
僕ぼくらを包つつんで弾はじけてしまって
このまま居いなくなって仕舞しまうのかな

もう声こえは届とどかない
足音あしおとは鳴ならない
夏なつが過すぎてゆく
全すべては仕方しかたない
もう花はなは咲さかない