マドンナ (Cut ver.) 歌詞 城戸胎生 ふりがな付

今日きょうも音楽おんがく番組ばんぐみは宣のたまっているんだ
「我われらは知性ちせいを持もたぬ流行歌りゅうこうかの奴隷どれいだ」ってさ
今日きょうもコンビニ有線ゆうせんは遠吠とうぼえてるんだ
「我われらは思想しそうを持もたぬ商業しょうぎょう音楽おんがくの犬いぬだ」ってさ

今日きょうもタイムラインは嘯うそぶいているんだ
「我われらは陳腐ちんぷな旋律せんりつに魅みせられた愚民ぐみんだ」ってさ
今日きょうもカラオケボックスは喚わめいてるんだ
「我われらは孤独こどくを埋うめるための無価値むかちな精せいだ」ってさ

あたしの心こころ 埋うめてくれるものは一体いったい何なにだ?
この街まちはどこにいたって「誰だれか」の話はなしをしたがっているんだ
ねえ そんなどうでもいい話はなしはやめないか
もう成功せいこう譚たんはうんざりだ 死しんでくれよどうか

「化粧けしょうはきちんとするのに靴くつは汚きたないまんまで
髪かみは真まっ白しろなのにあそこは真まっ黒くろいまんま」って
偽物にせものの芸術げいじゅつはまるでアイコラみたいだ
でもオカズにして貰もらえるだけまだマシなんだってさ

どうせサビしか聴きかないなら
この先さきだけ聴きいていれば?

音楽おんがくなんてやんなきゃ良よかった
理想りそうを知しることもなかっただろうに
マドンナは夢ゆめを見みてしまった
まあ、どんな未来みらいが待まっていようが
もう どうでもいいし

歌うた上手うまいだけじゃ金かねは貰もらえないし
頑張がんばっただけじゃ誰だれも褒ほめてくれない世界せかいで
音楽おんがくの価値かちを決きめるのはいつだって
当事者とうじしゃになりたくはないだせえやつらばっかで

機械的きかいてきな評価ひょうかはスラングでしか話はなせない中身なかみない意味いみのないリプライみたいだ
「愛あいゆえに」と枕詞まくらことば ファンのフリするアンチも
言葉ことば届とどかないならイヤホンに意味いみは無ないんだよ

新進しんしん気鋭きえいの若手わかての天才てんさいだって
10年ねん経たてば老おいぼれと何なんら変かわりないさ
しょうもない くだらない 価値かちのない 歳としの差さは
爆音ばくおんで掻かき消けすし何なに言いおうが聞きこえねえ

欲ほしいのは液晶えきしょう越ごしの愛あいなんかじゃなく
鼓膜こまくはち切きれるくらいの歓声かんせいと拍手はくしゅ
あたしの言葉ことばのすべてがこの世よの価値かちになればきっとこの体からだを汚よごす毒どくも…

「5年ねん後ごには芽めが出でるよ」って5年ねん目めの春はるに言いわれた
地獄じごくをまた繰くり返かえすとかふざけんな冗談じょうだんじゃねえよって
新品しんぴんの弦つるは首吊くびつり縄なわみたいだ
でも死しぬ勇気ゆうきが持もてないだけまだマシなんだってさ

どうせ飽あきて飛とばされるし
ギターソロもいらないか

ああ この世界せかいの誰だれもがあたしの音楽おんがくにひれ伏ふせたなら
体からだ蝕むしばむ猛毒もうどくは無なくなるんだろうか
残念ざんねんだけれどきっとそれはその通とおりなんだろうな
だからあたしは一生いっしょうをかけた解毒げどくをここから始はじめるのさ

音楽おんがくなんてやんなきゃ良よかった

なんて言いわなきゃ良よかった
あなたに出会であえてなかっただろうから
マドンナは夢ゆめを見み続つづけるんだ
まあ、どんな未来みらいが待まってようが
もう…

白しろのインクは買かってきてくれた?
ああ、そこに置おいといていたのね
じゃあ取とりに行いってくるから

これで