暮くれる都みやこ 手鞠遊てまりあそび 懐なつかし
今亡いまなき祖母そぼの顔かお
思おもい出だせるだろうか
五月ごがつ 哀かなしきかな
鯉幟こいのぼりをやいやいと
燃もやした竹藪たけやぶは
確たしか此処ここだった
子守唄こもりうた 響ひびくは藪知やぶしらず
『よい子こはねんねしな おやすみ』
午前零時ごぜんれいじの鐘かねが鳴なる
其その時ときに 蠢うごめくは 朧月おぼろつき
徒然つれづれに身みを重かさねましょう
疑心暗鬼ぎしんあんきの華はなが咲さく 高たからかに
渡わたる世よは 鬼おにばかり
浮舟うきふねに身みを任まかせる
黄金色こがねいろした蜘蛛くも
他人行儀たにんぎょうぎさ らいらいと
飴玉一あめだまひとつだけ おくれ おくれや
三日みっかもすりゃ 猫ねこなど恩知おんしらず
今宵こよい 獄ごくの晩ばん さよなら
光ひかる少女しょうじょは籠かごの中なか 踊おどりゃんせ
浮世道うきよみち 通つうりゃんせ
人生じんせいは 嗚呼ああ、波瀾万丈はらんばんじょう
知しらん面つらした あの人ひとが 来きやしゃんせ
品定しなさだめ 見みやしゃんせ
奪うばわれし儚はかなき春はる 遠とおき春はる 還かえれぬ春はる
『前略ぜんりゃく、父ちちと母はは…』筆ふでを走はしらせても
溢あふれるのは五月雨さみだれ 涙なみだ ただそれだけ
午前零時ごぜんれいじの鐘かねが鳴なる 其その時ときに 蠢うごめくは 朧月おぼろつき
徒然つれづれに身みを重かさねましょう
疑心暗鬼ぎしんあんきの華はなが咲さく 高たからかに 渡わたる世よは 鬼おにばかり
浮舟うきふねに身みを任まかせる 凛りんと泣なく小春日和こはるびより
暮kuれるreru都miyako 手鞠遊temariasoびbi 懐natsuかしkashi
今亡imanaきki祖母soboのno顔kao
思omoいi出daせるだろうかserudarouka
五月gogatsu 哀kanaしきかなshikikana
鯉幟koinoboriをやいやいとwoyaiyaito
燃moやしたyashita竹藪takeyabuはha
確tashiかka此処kokoだったdatta
子守唄komoriuta 響hibiくはkuha藪知yabushiらずrazu
『よいyoi子koはねんねしなhanenneshina おやすみoyasumi』
午前零時gozenreijiのno鐘kaneがga鳴naるru
其soのno時tokiにni 蠢ugomeくはkuha 朧月oborotsuki
徒然tsuredureにni身miをwo重kasaねましょうnemasyou
疑心暗鬼gishinankiのno華hanaがga咲saくku 高takaらかにrakani
渡wataるru世yoはha 鬼oniばかりbakari
浮舟ukifuneにni身miをwo任makaせるseru
黄金色koganeiroしたshita蜘蛛kumo
他人行儀taningyougiさsa らいらいとrairaito
飴玉一amedamahitoつだけtsudake おくれokure おくれやokureya
三日mikkaもすりゃmosurya 猫nekoなどnado恩知onshiらずrazu
今宵koyoi 獄gokuのno晩ban さよならsayonara
光hikaるru少女syoujoはha籠kagoのno中naka 踊odoりゃんせryanse
浮世道ukiyomichi 通tsuuりゃんせryanse
人生jinseiはha 嗚呼aa、波瀾万丈haranbanjou
知shiらんran面tsuraしたshita あのano人hitoがga 来kiやしゃんせyasyanse
品定shinasadaめme 見miやしゃんせyasyanse
奪ubaわれしwareshi儚hakanaきki春haru 遠tooきki春haru 還kaeれぬrenu春haru
『前略zenryaku、父chichiとto母haha…』筆fudeをwo走hashiらせてもrasetemo
溢afuれるのはrerunoha五月雨samidare 涙namida ただそれだけtadasoredake
午前零時gozenreijiのno鐘kaneがga鳴naるru 其soのno時tokiにni 蠢ugomeくはkuha 朧月oborotsuki
徒然tsuredureにni身miをwo重kasaねましょうnemasyou
疑心暗鬼gishinankiのno華hanaがga咲saくku 高takaらかにrakani 渡wataるru世yoはha 鬼oniばかりbakari
浮舟ukifuneにni身miをwo任makaせるseru 凛rinとto泣naくku小春日和koharubiyori