吾輩わがはいは猫ねこである 名前なまえはまだ無ない
何故なぜなら捨すて猫ねこであるからして
記憶きおくもすべて飛とんだ始末しまつで
カラスの群むれにも溶とけ込こめず
不吉ふきつだとかで庇護ひごも貰もらえず
もう一度いちど言いおう吾輩わがはいは黒猫くろねこである。
四六時中しろくじちゅう不満ふまんが募つのって
幸不幸こうふこうはどうでもよくて
枯かれた花はなにも名前なまえがあるのに
外はずれた道みちでは他愛たわいもなくて
揺ゆれる心こころは止とめてしまった
暮くれる夕日ゆうひに染そめてしまった
怒いかり悲かなしみが混まざり合あって
どんどん躰からだが黒くろに染そまった
夢ゆめも見みない真夜中まよなかに
少すこしだけ見みえるのは
ビルの隙間すきまから見みえる
楽たのしそうな兎うさぎ
吾輩わがはいは猫ねこである お金かねも何なにもない
はなから食くう寝ねるを繰くり返かえして
怠惰たいだを謳歌おうかしていく使命しめいで
一度いちども餌えさにはありつけず
雨あめしのぐ傘かさすらも持もてずに
濡ぬれて冷ひえて飢うえて倒たおれて
目めの前まえが掠かすれていった
覚さめない朝あさに僕ぼくはいる
冷さめない夜よるに僕ぼくはいる
さあ、はじめよう。
覚さめない朝あさに僕ぼくはいる
冷さめない夜よるに僕ぼくはいる
さあ、はじめよう。
吾輩wagahaiはha猫nekoであるdearu 名前namaeはまだhamada無naいi
何故nazeならnara捨suてte猫nekoであるからしてdearukarashite
記憶kiokuもすべてmosubete飛toんだnda始末shimatsuでde
カラスkarasuのno群muれにもrenimo溶toけke込koめずmezu
不吉fukitsuだとかでdatokade庇護higoもmo貰moraえずezu
もうmou一度ichido言iおうou吾輩wagahaiはha黒猫kuronekoであるdearu。
四六時中shirokujichuu不満fumanがga募tsunoってtte
幸不幸koufukouはどうでもよくてhadoudemoyokute
枯kaれたreta花hanaにもnimo名前namaeがあるのにgaarunoni
外hazuれたreta道michiではdeha他愛tawaiもなくてmonakute
揺yuれるreru心kokoroはha止toめてしまったmeteshimatta
暮kuれるreru夕日yuuhiにni染soめてしまったmeteshimatta
怒ikaりri悲kanaしみがshimiga混maざりzari合aってtte
どんどんdondon躰karadaがga黒kuroにni染soまったmatta
夢yumeもmo見miないnai真夜中mayonakaにni
少sukoしだけshidake見miえるのはerunoha
ビルbiruのno隙間sukimaからkara見miえるeru
楽tanoしそうなshisouna兎usagi
吾輩wagahaiはha猫nekoであるdearu おo金kaneもmo何naniもないmonai
はなからhanakara食kuうu寝neるをruwo繰kuりri返kaeしてshite
怠惰taidaをwo謳歌oukaしていくshiteiku使命shimeiでde
一度ichidoもmo餌esaにはありつけずnihaaritsukezu
雨ameしのぐshinogu傘kasaすらもsuramo持moてずにtezuni
濡nuれてrete冷hiえてete飢uえてete倒taoれてrete
目meのno前maeがga掠kasuれていったreteitta
覚saめないmenai朝asaにni僕bokuはいるhairu
冷saめないmenai夜yoruにni僕bokuはいるhairu
さあsaa、はじめようhajimeyou。
覚saめないmenai朝asaにni僕bokuはいるhairu
冷saめないmenai夜yoruにni僕bokuはいるhairu
さあsaa、はじめようhajimeyou。