青 feat.Ruo 歌詞 LITZER ふりがな付

一面いちめんの果樹かじゅ園えんに 一際ひときわ青あおい実みが成なっている
早はやく熟うれたいと望のぞむ一方いっぽう 留とどまることに安堵あんどする
芯しんが細ほそく 風かぜが吹ふけば
すぐに萎しおれてしまうような実みだ

才能さいのうも無なくことばも持もたないことを盾たてにして
狭せまい箱はこの中なか 僅わずかな優やさしさ前まえに
ひとり種たねを弾はじくだけ
未いまだその心こころの内うちを明あかさぬよう
今日きょうもまたひとり画面がめんに向むかう

青あおい実みは青あおいまま 東京とうきょう行いきの列車れっしゃに揺ゆられた
そこに向むかえば旬しゅんとやらが来くるのだろうと信しんじて
待まち遠どおしくて 心こころはバウンドした
何なにも芽生めばえぬことを知しらずに

その街まちはすべてが閃光せんこうのように散ちっていく
人ひとも 季節きせつも 通とおり過すぎゆくだけで
現実げんじつを嗤わらわれる
路上ろじょう生活せいかつの空耳そらみみに心こころを侵おかされては
今日きょうもまたひとり小ちいさく歌うたう

満みたされない 哀あわれな時代じだいを生いきながらえている
暗くらい箱はこの中なか 名なも知しらぬ他人たにんの手てに
潰つぶされては腐くさってく
そんな世界せかいに微かすかな望のぞみを抱いだきながら
今日きょうもまたひとり空そらを見上みあげた