燕 歌詞 ルイ ふりがな付

ねぇ、教おしえて
どこに向むかうための命いのちなのか
もう定さだめたい
ここだって居場所いばしょに着つくのはいつなのか
ずっと分わからないけど
全すべてのものに相応ふさわしい居場所いばしょがある
雲くもは空そら 波なみは海うみ 月つきにも夜空よぞらが迎むかえに来くるように

ねぇ、じゃあこの命いのちが留とどまるべき場所ばしょはどこですか?
知しりたいことは他ほかにない
ひとりきりで今いますぐ向むかいます
窓まどから覗のぞいた電線でんせんに燕つばめが二羽にわ
下見したみをするかのように留とまった
散ちらかっている心こころまで覗のぞかれた気きがして
カーテンを下おろした

もう時ときは経たち
ひとりにも慣なれたというのに
春はるは新あたらしい生活せいかつに恋こいを絡からめ押おし付つけて来きます
「ずっとお買かい得どくですよ。」と
勧すすめたその薬指くすりゆびは光ひかっている
「ひとりなんです。どうせ食たべ切きれず、残のこして腐くさってしまうのです。」

はぁ
ねぇ、この命いのちが輝かがやくために必要ひつようだった君きみの笑顔えがおは
今頃いまごろ新あたらしい人ひとを照てらしてるのね
二人ふたりで暮くらしてたアパートの階段かいだんに巣すを作つくった燕つばめ達たちが
二人ふたりには出来できやしなかった愛あいの形かたちを作つくっているよ

ねぇ、この命いのちが留とどまるべき場所ばしょはどこですか?
残のこされたままの愛あいの巣すを眺ながめながら思おもっているの
知しらぬ間まに飛とび立たっていた燕つばめは今いま
孤独こどくから最もっとも真逆まぎゃくの群むれを成なしているよ
二人ふたりがかつては目指めざしていたこと

“番つがいになること”を夢見ゆめみてた
僕ぼくに「さようなら。」 を告つげても
戻もどってくる欲望よくぼうはまるで帰巣きそう本能ほんのうを持もつ燕つばめのよう

知しらぬ間まに根ねを張はっていた
孤独こどくが住すみ着ついた心こころを飛とび立たちたいよ
窓まどを開あけて次つぎへ向むかいましょう
当あてがなくとも