よみ:むかしがたり
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鬼おにさんこちら 手ての鳴なるほうへ 彼岸ひがんの華はなが咲さく頃ころに
夕焼ゆうやけ小焼こやけ 茜あかねに染そまる 赤あかとんぼと秘密ひみつの場所ばしょ
たったひとつ 秘ひめ事隠ごとかくし 鬼子おにこは恋こいに落おちたのです
田圃道たんぼみち、背比せいくらべ 追おいついた日ひのことも
夕暮ゆうぐれの指切ゆびきりも 覚おぼえているのでしょう
「もういいかい」「まあだだよ」
ふたり、鬼おにごっこ 逃にげるのはいつも君きみで
「もう一回いっかい、もう一回いっかい」
我儘言わがままいうの 日ひが暮くれる刻ときまで
三度目さんどめの秋あき、鬼子おにこは気付きづく 醜みにくくなる胸むねの内うちと
物ものノ怪けだと知しりつつも尚なお、知しらぬふりしていた彼かれに
忍しのぶれど忍しのぶれど 色いろに出いず鬼おにの性さが
逃のがれ得えぬ運命さだめから 守まもろうとしたのでしょう
「もういいかい」「まあだだよ」
目隠めかくしをした 額ひたいに花はなの冠かんむり
「もういいかい」「もういいよ」
鬼子おにこの目めにも あふるる涙なみだの粒つぶ
五度目ごどめの秋あき―――
彼かれは村人達むらひとたちから鬼子おにこの正体しょうたいを隠かくしていたことを咎とがめられました。
鬼子おにこを仕留しとめるまで村むらを追おい出だされてしまったのです。
彼かれは村むらを捨すて、二人ふたりで暮くらそうと鬼子おにこを迎むかえに行いきました。
しかし齢としを取とるごとに身みも心こころも鬼おにに近ちかづいた鬼子おにこはこう思おもうのです。
「ああ、銃じゅうの火薬かやくの匂においがする
私わたしを殺ころしに来きたんだわ」
指切拳万ゆびせつげんまん 針はり 千せん 本ぼんじゃ済すまないわ
恋こい 焦こがれるほどお腹なかが空すくの
「もういいかい」「もういいかい」
震ふるえる肩かたを 捕つかまえて問とい掛かけるの
「もう言いいたい事ことはないかい?」
こくりと頷うなずく 美味おいしそうな 横顔よこがお
もう一回いっかい、口吻くちづけして お別わかれしましょう
赫あかい笑顔焼えがおやき付つけて
「もういいかい」「もういいよ」
いつか交かわした声こえが響ひびいていた
食たべても食たべても彼女かのじょの空腹くうふくが満みたされることはありません。
遺のこった彼かれの手てを握にぎり、彼女かのじょは思おもうのです。
「彼かれが鬼おにの子こに生うまれ変かわりますように」
身みも心こころも鬼おにになった彼女かのじょは村むらへ歩あるいて行いきました。
鬼おにさんこちら 手ての鳴なるほうへ 彼岸ひがんの華はなが散ちる頃ころに
夕焼ゆうやけ小焼こやけ 茜あかねに染そまる 赤あかとんぼと秘密ひみつの場所ばしょ
たったひとつ 秘ひめ事隠ごとかくし 鬼子おにこは恋こいに落おちたのです
田圃道たんぼみち、背比せいくらべ 追おいついた日ひのことも
夕暮ゆうぐれの指切ゆびきりも 覚おぼえているのでしょう
「もういいかい」「まあだだよ」
ふたり、鬼おにごっこ 逃にげるのはいつも君きみで
「もう一回いっかい、もう一回いっかい」
我儘言わがままいうの 日ひが暮くれる刻ときまで
三度目さんどめの秋あき、鬼子おにこは気付きづく 醜みにくくなる胸むねの内うちと
物ものノ怪けだと知しりつつも尚なお、知しらぬふりしていた彼かれに
忍しのぶれど忍しのぶれど 色いろに出いず鬼おにの性さが
逃のがれ得えぬ運命さだめから 守まもろうとしたのでしょう
「もういいかい」「まあだだよ」
目隠めかくしをした 額ひたいに花はなの冠かんむり
「もういいかい」「もういいよ」
鬼子おにこの目めにも あふるる涙なみだの粒つぶ
五度目ごどめの秋あき―――
彼かれは村人達むらひとたちから鬼子おにこの正体しょうたいを隠かくしていたことを咎とがめられました。
鬼子おにこを仕留しとめるまで村むらを追おい出だされてしまったのです。
彼かれは村むらを捨すて、二人ふたりで暮くらそうと鬼子おにこを迎むかえに行いきました。
しかし齢としを取とるごとに身みも心こころも鬼おにに近ちかづいた鬼子おにこはこう思おもうのです。
「ああ、銃じゅうの火薬かやくの匂においがする
私わたしを殺ころしに来きたんだわ」
指切拳万ゆびせつげんまん 針はり 千せん 本ぼんじゃ済すまないわ
恋こい 焦こがれるほどお腹なかが空すくの
「もういいかい」「もういいかい」
震ふるえる肩かたを 捕つかまえて問とい掛かけるの
「もう言いいたい事ことはないかい?」
こくりと頷うなずく 美味おいしそうな 横顔よこがお
もう一回いっかい、口吻くちづけして お別わかれしましょう
赫あかい笑顔焼えがおやき付つけて
「もういいかい」「もういいよ」
いつか交かわした声こえが響ひびいていた
食たべても食たべても彼女かのじょの空腹くうふくが満みたされることはありません。
遺のこった彼かれの手てを握にぎり、彼女かのじょは思おもうのです。
「彼かれが鬼おにの子こに生うまれ変かわりますように」
身みも心こころも鬼おにになった彼女かのじょは村むらへ歩あるいて行いきました。
鬼おにさんこちら 手ての鳴なるほうへ 彼岸ひがんの華はなが散ちる頃ころに