西にしの空そらから何なにか飛とんでくる
羽虫はむしか、鳥とりか、飛行機ひこうきか、いや、熊くまだ
小ちいさい子熊こぐまだよ
「子熊こぐまが飛とんでる」
さあ、地図ちずを広ひろげろ
彼かれの足跡そくせきを追おってみよう
その航路こうろは私わたしたちに
いったい何なにを示しめすのか
今いまを遡さかのぼること30000年ねん
西にしの森もりからやってきた
ゆっくりと、だが着実ちゃくじつに
偉大いだいなるユーラシアを横断おうだんす
大陸たいりくの端はしの、極東きょくとうの島しま
肌はだを隠かくすことも知しらない人々ひとびと
見上みあげた空そら、熊くまが行いく
茶色ちゃいろくて丸まるい熊くまが行いく
大おおきな空そらを飛とんでる、小ちいさな熊くまが
西にしの空そらから、東ひがしの島しまへと行いく
彼かれは語かたり継つがれるフォークロア
まるで混まじり気けのないユートピア
誰だれのためでもなく、金かねのためでもなく
彼かれは語かたりかける、語かたりかける
脳のうに直接ちょくせつ響ひびくメッセージ
まるで聞きいたことのないパッセージ
脳のうに直接ちょくせつ響ひびくメッセージ
今いま生うまれ出でづるニューエイジ
さらに10000年ねんが経過けいか
人々ひとびとの暮くらしは変かわった
人々ひとびとは彼かれのことを忘わすれた
さあ、次つぎに目指めざすのはベーリング
海うみを越こえると大陸たいりくが見みえる
見知みしらぬ国くに、聞きき慣なれぬ言語げんご
街まちを抜ぬけると山やまが見みえる
大おおきな流ながれはアムール前後ぜんご
彼かれを追おいかける人々ひとびと
虐しいたげられ、街まちを追おわれ
大おおきな象ぞうを追おっていたわけではない
偶像ぐうぞうを作つくろうとしてたわけでもない
ただここではないどこかへ
平穏へいおんな場所ばしょを探さがしていただけ
彼かれのメッセージを覚おぼえていた
子熊こぐまの影かげを追おいかけていた
大おおきな空そらを飛とんでる、小ちいさな熊くまが
北きたの空そらへと、海うみを越こえて行いこうと
大地だいちは凍こおり、空そらは低ひくく垂たれこめ、空気くうきは肌はだを刺さす
足あしは力ちからを失うしない、彼かれの影かげを見失みうしない、途方とほうに暮くれる人々ひとびと
意識いしきは薄うすれ、意志いしは崩くずれ、消きえかけた心こころに
届とどく微かすかな光ひかり、あのメッセージ
誰だれのためでもなく、何なんのためでもなく
彼かれは語かたりかける、語かたりかける
脳のうに直接ちょくせつ響ひびくメッセージ
いつか聞きいたことのあるパッセージ
脳のうに直接ちょくせつ響ひびくメッセージ
今いま生いきていけるニューデイズ
新あたらしい大陸たいりくが現あらわれた
辿たどり着ついた、ここが約束やくそくの地ちなのか
水みずは澄すみ、山やまは青あおく、空そらは高たかく、天てんは輝かがやく
土地とちを耕たがやし種たねを蒔まき、収穫しゅうかくの時ときは彼かれに捧ささげた
子こを産うんで村むらを作つくり、語かたり継つがれるフォークロア
大おおきな空そらを飛とんでる、小ちいさな熊くまが
北きたの土地とちから、南みなみの森もりへと行いく
さらに月日つきひが過すぎた、彼かれは巡礼じゅんれいを続つづけた
南みなみの熱ねつ林りんから、大おおきな海うみを越こえる
砂すなの大地だいちを飛とび、湖みずうみの鳥とりと遊あそぶ
人々ひとびとの営いとなみの美うつくしさ、人々ひとびとの行おこないの愚おろかさ
彼かれを妬ねたむ人々ひとびともいた。彼かれを蔑さげすむ人々ひとびともいた
彼かれを攻撃こうげきすることを厭いとわぬ者ものが
天てんに向むけて矢やを放はなつ者ものが
彼かれは静しずかに帰かえっていった
彼かれの森もりへと帰かえっていった
彼かれはとうとう小ちいさいままだった
熊くまは空そらを飛とぶことをやめてしまった
さあ、地図ちずを広ひろげろ
彼かれの足跡そくせきを追おってみよう
その航路こうろは私わたしたちに
いったい何なにを示しめすのか
西nishiのno空soraからkara何naniかka飛toんでくるndekuru
羽虫hamushiかka、鳥toriかka、飛行機hikoukiかka、いやiya、熊kumaだda
小chiiさいsai子熊kogumaだよdayo
「子熊kogumaがga飛toんでるnderu」
さあsaa、地図chizuをwo広hiroげろgero
彼kareのno足跡sokusekiをwo追oってみようttemiyou
そのsono航路kouroはha私watashiたちにtachini
いったいittai何naniをwo示shimeすのかsunoka
今imaをwo遡sakanoboることrukoto30000年nen
西nishiのno森moriからやってきたkarayattekita
ゆっくりとyukkurito、だがdaga着実chakujitsuにni
偉大idaiなるnaruユyuーラシアrashiaをwo横断oudanすsu
大陸tairikuのno端hashiのno、極東kyokutouのno島shima
肌hadaをwo隠kakuすこともsukotomo知shiらないranai人々hitobito
見上miaげたgeta空sora、熊kumaがga行iくku
茶色chairoくてkute丸maruいi熊kumaがga行iくku
大ooきなkina空soraをwo飛toんでるnderu、小chiiさなsana熊kumaがga
西nishiのno空soraからkara、東higashiのno島shimaへとheto行iくku
彼kareはha語kataりri継tsuがれるgareruフォfoークロアkuroa
まるでmarude混maじりjiri気keのないnonaiユyuートピアtopia
誰dareのためでもなくnotamedemonaku、金kaneのためでもなくnotamedemonaku
彼kareはha語kataりかけるrikakeru、語kataりかけるrikakeru
脳nouにni直接chokusetsu響hibiくkuメッセmesseージji
まるでmarude聞kiいたことのないitakotononaiパッセpasseージji
脳nouにni直接chokusetsu響hibiくkuメッセmesseージji
今ima生uまれmare出deづるduruニュnyuーエイジeiji
さらにsarani10000年nenがga経過keika
人々hitobitoのno暮kuらしはrashiha変kaわったwatta
人々hitobitoはha彼kareのことをnokotowo忘wasuれたreta
さあsaa、次tsugiにni目指mezaすのはsunohaベbeーリングringu
海umiをwo越koえるとeruto大陸tairikuがga見miえるeru
見知mishiらぬranu国kuni、聞kiきki慣naれぬrenu言語gengo
街machiをwo抜nuけるとkeruto山yamaがga見miえるeru
大ooきなkina流nagaれはrehaアムamuールru前後zengo
彼kareをwo追oいかけるikakeru人々hitobito
虐shiitaげられgerare、街machiをwo追oわれware
大ooきなkina象zouをwo追oっていたわけではないtteitawakedehanai
偶像guuzouをwo作tsukuろうとしてたわけでもないroutoshitetawakedemonai
ただここではないどこかへtadakokodehanaidokokahe
平穏heionなna場所basyoをwo探sagaしていただけshiteitadake
彼kareのnoメッセmesseージjiをwo覚oboえていたeteita
子熊kogumaのno影kageをwo追oいかけていたikaketeita
大ooきなkina空soraをwo飛toんでるnderu、小chiiさなsana熊kumaがga
北kitaのno空soraへとheto、海umiをwo越koえてete行iこうとkouto
大地daichiはha凍kooりri、空soraはha低hikuくku垂taれこめrekome、空気kuukiはha肌hadaをwo刺saすsu
足ashiはha力chikaraをwo失ushinaいi、彼kareのno影kageをwo見失miushinaいi、途方tohouにni暮kuれるreru人々hitobito
意識ishikiはha薄usuれre、意志ishiはha崩kuzuれre、消kiえかけたekaketa心kokoroにni
届todoくku微kasuかなkana光hikari、あのanoメッセmesseージji
誰dareのためでもなくnotamedemonaku、何nanのためでもなくnotamedemonaku
彼kareはha語kataりかけるrikakeru、語kataりかけるrikakeru
脳nouにni直接chokusetsu響hibiくkuメッセmesseージji
いつかitsuka聞kiいたことのあるitakotonoaruパッセpasseージji
脳nouにni直接chokusetsu響hibiくkuメッセmesseージji
今ima生iきていけるkiteikeruニュnyuーデイズdeizu
新ataraしいshii大陸tairikuがga現arawaれたreta
辿tadoりri着tsuいたita、ここがkokoga約束yakusokuのno地chiなのかnanoka
水mizuはha澄suみmi、山yamaはha青aoくku、空soraはha高takaくku、天tenはha輝kagayaくku
土地tochiをwo耕tagayaしshi種taneをwo蒔maきki、収穫syuukakuのno時tokiはha彼kareにni捧sasaげたgeta
子koをwo産uんでnde村muraをwo作tsukuりri、語kataりri継tsuがれるgareruフォfoークロアkuroa
大ooきなkina空soraをwo飛toんでるnderu、小chiiさなsana熊kumaがga
北kitaのno土地tochiからkara、南minamiのno森moriへとheto行iくku
さらにsarani月日tsukihiがga過suぎたgita、彼kareはha巡礼junreiをwo続tsuduけたketa
南minamiのno熱netsu林rinからkara、大ooきなkina海umiをwo越koえるeru
砂sunaのno大地daichiをwo飛toびbi、湖mizuumiのno鳥toriとto遊asoぶbu
人々hitobitoのno営itonaみのmino美utsukuしさshisa、人々hitobitoのno行okonaいのino愚oroかさkasa
彼kareをwo妬netaむmu人々hitobitoもいたmoita。彼kareをwo蔑sagesuむmu人々hitobitoもいたmoita
彼kareをwo攻撃kougekiすることをsurukotowo厭itoわぬwanu者monoがga
天tenにni向muけてkete矢yaをwo放hanaつtsu者monoがga
彼kareはha静shizuかにkani帰kaeっていったtteitta
彼kareのno森moriへとheto帰kaeっていったtteitta
彼kareはとうとうhatoutou小chiiさいままだったsaimamadatta
熊kumaはha空soraをwo飛toぶことをやめてしまったbukotowoyameteshimatta
さあsaa、地図chizuをwo広hiroげろgero
彼kareのno足跡sokusekiをwo追oってみようttemiyou
そのsono航路kouroはha私watashiたちにtachini
いったいittai何naniをwo示shimeすのかsunoka