雲くもの出いずる国くにの眠ねむりについた場所ばしょ
ここは村むらの隅すみ 人ひとは寄よらず密ひそかに
宿やどりの木きの下したにはほら
小ちいさくいたいけな有象うぞうが
そっぽ向むいてる
あちらこちらばらばらと
なんだか可笑おかしいね
だぁれ
いつから此処ここでまた繰くり返かえしたさえずりが
ぐるぐるとろけて泡あわになっていくのだ
明あけても仄暗ほのぐらい水底みなぞこ夢ゆめうつつ
しがない衒てらいも熟こなれ謂いわれのないこと
顰ひそみに倣ならうべくはもう
一度いちどきりじゃ飽あき足たらずね
再再さいさい惚ぼけて
大概たいがいくだらぬこと
罷まかるのも悪わるくないと
葬そうして蓋ふたをした
晴はれた夜よるも
藹々あいあいと汚よごれてくの
爆はぜてゆくのだ
だんだん忘わすれて空からになっていくのだ
言いうなれば猫ねこも杓子しゃくしも知しらぬ間まに
朝靄あさもやのかかるうだつ無象むぞう
誰だれも彼かれも
癖くせになるシャーデンフロイデに
はるかかなた
いたいけな世よも気きにならぬ程ほどに
えらくなっていたので
雲kumoのno出iずるzuru国kuniのno眠nemuりについたrinitsuita場所basyo
ここはkokoha村muraのno隅sumi 人hitoはha寄yoらずrazu密hisoかにkani
宿yadoりのrino木kiのno下shitaにはほらnihahora
小chiiさくいたいけなsakuitaikena有象uzouがga
そっぽsoppo向muいてるiteru
あちらこちらばらばらとachirakochirabarabarato
なんだかnandaka可笑okaしいねshiine
だぁれdaare
いつからitsukara此処kokoでまたdemata繰kuりri返kaeしたさえずりがshitasaezuriga
ぐるぐるとろけてgurugurutorokete泡awaになっていくのだninatteikunoda
明aけてもketemo仄暗honoguraいi水底minazoko夢yumeうつつutsutsu
しがないshiganai衒teraいもimo熟konaれre謂iwaれのないことrenonaikoto
顰hisomiにni倣naraうべくはもうubekuhamou
一度ichidoきりじゃkirija飽aきki足taらずねrazune
再再saisai惚boけてkete
大概taigaiくだらぬことkudaranukoto
罷makaるのもrunomo悪waruくないとkunaito
葬souしてshite蓋futaをしたwoshita
晴haれたreta夜yoruもmo
藹々aiaiとto汚yogoれてくのretekuno
爆haぜてゆくのだzeteyukunoda
だんだんdandan忘wasuれてrete空karaになっていくのだninatteikunoda
言iうなればunareba猫nekoもmo杓子syakushiもmo知shiらぬranu間maにni
朝靄asamoyaのかかるうだつnokakaruudatsu無象muzou
誰dareもmo彼kareもmo
癖kuseになるninaruシャsyaーデンフロイデdenfuroideにni
はるかかなたharukakanata
いたいけなitaikena世yoもmo気kiにならぬninaranu程hodoにni
えらくなっていたのでerakunatteitanode