ヸシュヌ 歌詞 wotaku feat. 初音ミク ふりがな付

【序じょ】

球体きゅうたいの、或あるいは格子こうし状じょうの
透明とうめいの、或あるいは極黒ごくこくの
輪郭りんかくは無なく(ただし、在あるのだが)
全貌ぜんぼうを視界しかいに収おさめることすら出来できぬほど大おおきく
(ただし、視認しにんすることすら出来できぬほど小ちいさく)
愚おろかで憎にくむべき、親愛しんあいなる木漏こもれ日びの光ひかりよ。
呵責かしゃくと謂いう太陽たいようを廻まわり続つづける(便宜上べんぎじょう)鬼おに達たちよ。

先さきに結論けつろんを記しるすならば、
「逃にげられる」などとは思おもわないことだ。
救すくいは無ない。
親おやも友人ゆうじんも恋人こいびとも
仲間なかまも国くにも
死しも
お前まえを助たすけてはくれない。

これから記しるすいくつかの事例じれいを用もちいて
動物どうぶつも 星ほしも それ以外いがいのものも
全すべてが拙つたなく在あり
絶望的ぜつぼうてきだと知しることになる。
(いや、もう既すでに知しっているのかも知しれないが)

そして考かんがえを改あらためろ、
などと云いってもそれこそが意味いみの無ない事ことなのだった。
それは私わたしも同おなじだからだ。

【下界げかいにて】

掲かかげた暴徒ぼうとの剣けんと
目めに余あまる蛮行ばんこう
奪うばって喰くらって感覚かんかく断線だんせん
抱いだく信条しんじょうも尊厳そんげんも願ねがいも
捨すて去さってしまったアスラ
元老げんろうの平穏へいおんに火ひを撃うて

明滅めいめつ 略奪りゃくだつ 凌辱りょうじょく 暴行ぼうこう
四肢ししを剥はぐ音おと
極刑きょっけい 滑稽こっけい 黙契もっけい 混迷こんめい
鳥葬ちょうそう 号哭ごうこくと絶叫ぜっきょう

(ここで、絢爛けんらんなる衣装いしょうの嘸さぞかし偉えらいであろう人々ひとびとの参列さんれつ)

警鐘けいしょうの中なか 参まいられた尊とうとき説法せっぽうよ
祀まつれ

(誇ほこらしげな人々ひとびと)

法律ほうりつ 道徳どうとく 教鞭きょうべんを打うつ
神かみの言葉ことばと
煌々こうこう 欲ほっする 名誉めいよと対価たいかを

正義せいぎと刑罰けいばつの名なを持もつ
動物的どうぶつてき本能ほんのう解放かいほう
美うつくしい自由じゆうの姿すがたがこれだ

【宇宙うちゅうと時間じかんを内包ないほうする者ものより】

忌いむ現世げんせの再さい構成こうせいを
天庭てんていの来光らいこう炎上えんじょう
狂くるい出だしたのは何なんだった
吐はく汚濁おだく猛毒もうどくの腐海ふかい
昇天しょうてんをして ガルダと成なる

(飛翔ひしょうし、銀河ぎんがを裂さき、時間じかんを整形せいけいし消きゆ)

繰くり返かえす輪廻りんねと開闢かいびゃく濫觴らんしょう
星せい系けいの座標ざひょうと番ばん号ごう
この歌うたに意味いみなんて無ないよ
いつか終おわるのならばどうして

どうして

どうして

【「戯言ざれごと外伝がいでん」より引用いんよう】】

(第だい13章しょう「なかよしこよし」より)
謂いわれのない不条理ふじょうりと藻掻もがいて
弱よわいからと不平等ふびょうどう唱となえて
頭あたまが悪わるいのでごめんなさい
可哀かわいそうでしょ ほら

優やさしくしたんだからお代だいをくれ
褒ほめてくれないなら友達ともだちじゃない
言いわなくても分わかってるはずでしょう

【禁書きんしょ「アウトライン」より引用いんよう】
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(前略ぜんりゃく)
其それすらも総すべて
時ときの中なか 揺蕩たゆたう
数列すうれつも外側そとがわも
愛あいも希望きぼうの歌うたも
欲よくも自尊じそんも

※(エラー)不正ふせいなアクセスを確認かくにんしました。全すべての■　■　■　■　に報告ほうこくされます。
※貴方あなたは■　■　■　■　■　保護法ほごほう第だい59条じょうに基もとづき■　■　指名手配しめいてはい128番ばんに登録とうろくされました。
※速すみやかに近ちかくの■　■　■　に出頭しゅっとうしてください。

【----】

遺伝子いでんしという聖書せいしょ
仕組しくまれた戦争せんそう
金銭きんせんと情念じょうねんで血ちを拭ふけ
(※かなり脚色きゃくしょくしているが、概おおむねこんな感かんじである。)

【悲劇ひげき「ウーアイ」より引用いんよう】

(第だい4幕まく「実行じっこう」より)
誰だれでもいいから憂うさを晴はらしたい
無敵むてきの人ひとだ
老人ろうじん 小人しょうじん 狂人きょうじん 病気びょうき
そんなのもう関係無かんけいないぜ
畜生ちくしょうと紛まがう其それを生うんだお前まえも悪わるいって

(第だい9幕まく「死し」より)
だがそれも冷つめたくなっていたが
満みたされることもなく
だが辺へん獄ごくで許ゆるされる筈はずもない

【下界げかいにて】

ねえ なんで救済きゅうさいは来こないの
なんで安寧あんねいは来こないの
こんなに堕おちた世界せかいも
まだ平常へいじょう運転うんてんの仕様しようだと言いうの
神様かみさま

繰くり返かえす憎悪ぞうおと虐殺ぎゃくさつ犯行はんこう
思想しそうと繁殖はんしょく行動こうどう
この空そらに意味いみなんて無ないよ
狂くるい 苦くるしむだけが僕ぼくらだ

(嗚呼ああ、なんと思おもい上あがりも甚はなはだしい連中れんちゅうだ)

海底かいていの反響はんきょうを聞きいてしまった
そして生命せいめいの限界げんかいに気きづいてしまった
くだらない そう口くちでは言いえるが
今いまもまだ心臓しんぞうの音おとがあること
今いまこの瞳ひとみで見みてるもの
それら全すべてが呪のろいだ
逃にげられると思おもうな

逃にげられると思おもうな

【跋ばつ】

何なにも変かえられない。
変かわって欲ほしいと願ねがい、其それが届とどかないというのは摂理せつりだ。
この歌うたも届とどかない。
意味いみの無ない歌うただ。

(追伸ついしん)
偶然ぐうぜんだとするならば其処そこはよく出来できていると思おもう。
綺麗きれいに壊こわれていると思おもう。