忘れえぬ物語 歌詞 凋叶棕 ふりがな付

あなたには聞きこえていますか。
この音おとを、覚おぼえていますか。

ふるい幻想蓄音円盤レコードの音おとの向むこう側がわから、
巡めぐるいくつもの物語ものがたりたちを。

あなたたちひとりひとりに、
秘ひめられた物語ものがたりたちは。

そのどれもがとても素晴すばらしくて、素敵すてきで
だから忘わすれてしまいはしないでしょう。

ねぇ、絶対ぜったい、あなたたちを忘わすれないから。
だから、私わたしのことも忘わすれないでいてくれませんか…

夜光やこう蝶ちょうの光ひかり
静しずかに瞬またたいて
まるで誰だれかのようにはかない夢ゆめを紡つむぐ

ぜんぶ持もっていきます。
どれ一ひとつ無下むげにせず。
私わたしがここにいた証あかしとして

忘わすれないで、
失なくさないで、
いつづけていたいから。

続つづく限かぎり
忘わすれえぬこの物語ものがたりを
読よみ続つづけましょう…

―人魚姫にんぎょひめになれたのですか。

―もう一人ひとりの貴女あなたはいましたか。

―いつか神秘しんぴの向むこう側がわを覗のぞき見みること、
こんな私わたしだけど出来できるでしょうか。

―夢ゆめを見みる遠とおく遠とおく…
夢ゆめの先さきはどこなのでしょう。

―ああ、愛いとおしきひとと、
添そい遂とげられたならば。

思おもいを馳はせる日々ひびはこんなにも。

主役しゅやくになることはできない私わたしでも。
どうか、伝つたえ続つづけていくことに意味いみをもっていたい…

月見草つきみそうの影かげに
たゆたう幻想げんそうは
いつ絶たえるとも知しれない淡あわい夢ゆめを紡つむぐ

限かぎりある時間じかんの
刹那せつな輝かがやく夢ゆめ
その何なにもかもが素晴すばらしいから

夜光やこう蝶ちょうの光ひかり
静しずかに瞬またたいて
まるで誰だれかのようにはかない夢ゆめを紡つむぐ

ぜんぶ持もっていきます。
どれ一ひとつ無下むげにせず。
私わたしがここにいた証あかしだから

忘わすれないで、
失なくさないで、
いつづけていたいから。

続つづく限かぎり
忘わすれえぬこの物語ものがたりを…

夜よるが終おわり
新あたらしい日ひがまためぐり来くるように
きっとどこかで巡めぐり合あう

新あらたな物語ものがたりを夢見ゆめみて…