K² 歌詞 全てあなたの所為です。 ふりがな付

硝子がらすの向むこうで、羽はばたいていた。
目癈めしいの虫むしが火ひの中なかに、
自みずから飛とび込こむのを見みた。

快楽かいらくの前まえに、跪ひざまずくなら。
罪悪感ざいあくかんと嫌悪けんおが、踊おどるでしょう。
照てらされて、燃もえてゆく、
金色きんいろの翅はねの、
バケモノが、飛とんでいった。
バケモノは、泣ないていた。

形かたちなど無ないはずの、
憾うらみがどろりと。
こちらを向むき、見みつめていた。
幽かそけき声こえの詩うたが、幾重いくえにも重かさなり。
一ひとつの意味いみになるのでしょう。

徒花あだばなの声こえに、耳みみを貸かす度たび。
己おのれの無知むちや愚おろかさは、
自みずから滑すべり堕おちて行いく。
暗澹あんたんの果はてに、辿たどり着つく頃ごろ。
憎悪ぞうおも安堵あんども無邪気むじゃきに、
笑わらうでしょう。

手ても足あしも、目めも口くちも、
無ないままゆらゆらと。
影かげだけが、浮ういていた。
影かげだけが、揺ゆれていた。

行方ゆくえ知しらずは嫌やだ、
手てを伸のばしたよ。
指先ゆびさきを掴つかんでくれた。
泡沫うたかたの声こえがした、
たとえ聴きこえなくとも。
偽物にせものの美うつくしささえも、愛いとおしくて。
嗚呼ああ、破綻はたんしてしまったようです。
安心あんしんをしてください、
居いなくならないでしょう。
白鳥はくちょうは未まだ歌うたわず。

形かたちなど無ないはずの、
憾うらみがどろりと。
こちらを向むき、見みつめていた。
幽かそけき声こえの詩うたが、幾重いくえにも重かさなり。
一ひとつの意味いみになるのでしょう。

形かたちなど無ないはずの、
憾うらみや妬ねたみさえ。
名前なまえがついてしまうのでしょう。
幽かそけき翅はねが空そらに、ばらばらと解ほどけた。
バケモノは、溶とけていった。
影かげだけが、揺ゆれていた。