地底のうた 歌詞 荒木栄 ふりがな付

有明ありあけの海うみの底深そこふかく 地底じぞこにいどむ男おとこたち
働はたらく者ものの火ひをかかげ 豊ゆたかな明日あすと平和へいわのために
たたかい続つづける 革命かくめいの前衛ぜんえい 炭鉱たんこう労働者ろうどうしゃ

眠ねむった坊ぼうやのふくらんだ 頬ほほをつついて表おもてに出でれば
夜よるの空気くうきの冷ひえ冷びえと 朝あさの近ちかさを告つげている

「ご安全あんぜんに」と妻つまの声こえ 渡わたす弁当べんとうのぬくもりには
つらい差別さべつに負まけるなと 心こころをこめた同志愛どうしあい

夜よるは暗くらく 壁かべは厚あつい
だけれど俺おれたちゃ負まけないぞ
職制しょくせいのおどかし恐おそれんぞ あのデッカイたたかいで
会社かいしゃや、ポリ公こうや、裁判所さいばんしょや、暴力ぼうりょく団だんと・・・
男おとこも女おんなも、子供こどもも 年寄としよりも
「ガンバロウ!」の歌うたを武器ぶきに
スクラムを武器ぶきに 闘たたかい続つづけたことを忘わすれんぞ

夜よるの社宅しゃたくの眠ねむりの中なかから
あっちこっちからやってくる仲間なかま
悲かなしみも喜よろこびも分わけ合あう仲間なかま
闇やみの中なかでも心こころは通かよう 地底じぞこに続つづくたたかいめざし
今日きょうも切羽きりはへ 一いち番ばん方かた出勤しゅっきん

崩くずれる炭壁たんぺき ほこりは舞まい 汗あせはあふれ
担かつぐ坑木こうぼく 肩かたは破やぶれ 血ちは滴したたる
ドリルはうなり 流ながれるコンベア 柱はしらはきしむ………
独占資本どくせんしほんの合理化ごうりかと
命いのちをかけた闘たたかいが夜よるも昼ひるも

暗くらい坑道こうどう 地熱じねつに焼やけ ただようガス
岩いわの間あいだから 滴したたる水みず 頬ほほをぬらし
カッターはわめき 飛とび去さる炭車たんしゃ 岩盤がんばんきしむ
「落盤らくばんだァー」 「埋うまったぞー」
米べい日にち反動はんどうの搾取さくしゅと
命いのちをかけた闘たたかいが 夜よるも昼ひるも続つづく………

落盤らくばんで殺ころされた 友ともの変かわり果はてた姿すがた
狂くるおしく取とりすがる 奥おくさんの悲かなしみ
幼児おさなごは 何なんにも知しらず 背中せなかで眠ねむる
胸突むねつき上あげるこの怒いかり この怒いかり
ピケでは刺さし殺ころされ 落盤らくばんでは押おし潰つぶされ
炭車たんしゃのレールを血ちで染そめた仲間なかま
労働ろうどう強化きょうかと保安ほあんのサボで 次々つぎつぎに仲間なかまの命いのちが奪うばわれてゆく
奪うばったやつは誰だれだ! 「三井みつい独占どくせん!」
殺ころしたやつは誰だれだ! 「アメリカ帝国ていこく主義しゅぎ!」
奪うばったやつを 殺ころしたやつを
許ゆるさないぞ 断だんじて許ゆるさないぞ

おれたちは栄はえある 三池みいけ炭鉱たんこう労働者ろうどうしゃ
団結だんけつの絆きずな さらに強つよく
真実しんじつの敵打てきうち砕くだく 力ちからに満みちた闘たたかいを
足取あしどり高たかく すすめよう
おれたちは栄はえある 三池みいけ炭鉱たんこう労働者ろうどうしゃ
スクラムを捨すてた 仲間なかま憎にくまず
真実しんじつの敵打てきうち砕くだく 自信じしんに満みちた闘たたかいの
手てを差さしのべよう 呼よびかけよう
おれたちは栄はえある 三池みいけ炭鉱たんこう労働者ろうどうしゃ
弾圧だんあつを恐おそれぬ 不敵ふてきの心こころ
真実しんじつの敵打てきうち砕くだく 勇気ゆうきに満みちた闘たたかいで
平和へいわの砦とりで かためよう
かためよう