夜明けのあなたへ 歌詞 十明 映画「違国日記」インスパイアソング ふりがな付

マグカップの底そこ
こびりついたような寂さびしさを
ただ見みつめていた

青あおく脆もろい空そら
映うつした心こころ湖みずうみみたいに
ぽっかり浮うかんだ

あの子この悲かなしみも知しらない
どうして
どうして

抱だきしめて
ひとつになれなくても
隣となりにいて
溶とけ合あわないとしても
教おしえてくれた
優やさしい声こえが
あなたの色いろをいきて、と

砂漠さばくの真まん中なか
置おいてかれたような寂さびしさが
まだ消きえないまま

立たち入いり禁止きんしの
誰だれかの孤独こどくに踏ふみ込こんでしまった
パスポートも持もたずに

あの子この痛いたみも知しらない
それでも
それでも

抱だきしめて
分わかり合あえなくても
隣となりにいて
マーブルみたいに
混まざりあう命いのちに
色いろづいてゆく

名前なまえのない悲かなしみや痛いたみが
形かたちのない喜よろこびや幸しあわせが
溢あふれて止とまらないんだ
足たりない言葉ことばで伝つたえたいんだ
優やさしい人ひとになりたいだけだ

抱だきしめて
ひとつになれなくても
抱だきしめるよ
あなたは夜明よあけ
新あたらしい光ひかりが
あなたの瞳ひとみが
朝あさの背せを押おしている