Mirror Image 歌詞 少女病 ふりがな付

金糸雀かなりあという鳥とりは
人ひとの為ために 自みずからその翼捧つばさささげたなら
二度にどと羽はばたくこともなく

美うつくしい鳥とりだという
その響ひびきに この心こころに冠かんし生いきるのには
相応ふさわしくない名なだと思おもう

結むすばれていたはずの
二人ふたりを引ひき裂さいたものに
向むけたその殺意おもい()はけして否定ひていしようもなく

『消けしてしまえば』
『あいつさえいなければ』
その思おもいの果はてに起おこした凶行きょうこうは
元もとを正ただせば
貴女あなたのせいよと
指さし示しめす魔女まじょの手先てさきは ただ薄うすく笑わらっているばかり


「何なにがおかしいの？笑わらってないでなんとか言いってみたら！？」

「貴女あなたは何なにも分わかっていない。
損そこなわれるべきでなかった色いろ。救すくわれた色いろ。貴女あなたの魂たましいの本当ほんとうの色いろというものを。
……なら、御覧ごらんなさい。見みせてあげる。あなたの、もう一ひとつの可能性かのうせい。」


あの幸しあわせそうな影かげ
私達わたしたちは 並ならんで手てを取とり合あい戦たたかっていた
かつてあった姿すがたがそこに

そうしてたどり着ついた運命うんめいの交錯こうさくする街まち【crossline】
可憐かれんで淑しとやかな「ミリリ」と
貴方あなたは惹ひかれ合あっていく

呟つぶやく
私わたしじゃない それは 私わたしだけど そうじゃない
顔かおを覆おおって ああ どうして 私わたしは どうして ah...

止とめられはしない 二人恋ふたりこいに落おちて
いつしか戦たたかうことさえ忘わすれていく
私かなりあといえばただ独ひとりぼっちに
自暴自棄じぼうじきにもなりきれず己おのれを殺ころし戦たたかい続つづける―――？

『……シグが幸しあわせなのならそれでいいから』と。
搾しぼり出だした言葉ことばとは裏腹うらはらに
昏くらい内うちなる聲こえの曰いわく
『誰だれかに取とられる位いなら、いっそ、貴方あなたごと……』


「そう、聞きこえるでしょう？
あなたの内うちに潜ひそむもの。
己おのれの求もとめるものに純粋じゅんすいに従したがうその聲こえが。
美うつくしいカナリア。けして己おのれを犠牲ぎせいになどしなくていいの。
さあ、その思おもいを認みとめなさい。それこそがあなたを最もっとも美うつくしくするのだから。」


『ただ傍そばにいたい それさえ叶かなわないなら
貴方あなたをあのときのまま“永遠えいえん”に……』
鎌首かまくびを擡もたげた本当ほんとうの私わたしが
私わたしに向むかって囁ささやく それは歪いびつな鏡像きょうぞう


「カナリアの心こころを持もつミリリは言葉ことばを詰つまらせる。
己おのれの内うちなる欲望よくぼうの聲こえ。それこそが真実しんじつの姿すがただという。」

「―――否定ひていしたい。
―――けれど。
―――出来できない。
―――現げんに、自分じぶんはあの女おんなを殺ころしたのだから」

「そんな、だって、私わたしは……」

「……沈黙ちんもく。それはきっと、何なによりも雄弁ゆうべんな回答かいとう。」