赤いポストのように 歌詞 小松政夫 ふりがな付

丘おかの上うえ 遠とおく眺ながめる
私わたしが生うまれた街まち
そっと伸のばす 指ゆびの先さきには
海うみから吹ふく 風かぜが舞まう
坂道さかみちの入いり口ぐちにある
真まっ赤かなポストの前まえ
年老としおいた人ひとが
お辞儀じぎをしてから手紙てがみ入いれた
そこに秘ひめられた 嬉うれしさや
切せつなさや 悲かなしみや 希望きぼうを
ただ穏おだやかに 受うけ止とめている
そんな人ひとに なりたくて

夕暮ゆうぐれに 染そまる頃ころには
南みなみの潮風しおかぜが吹ふく
家路いえじ急いそぐ 人ひとの背中せなかを
おかえりと 優やさしく抱いだく
その路地ろじで じっと立たってる
のっぽの街灯がいとうの下した
遊あそんできた 子供こどもがみんな
さよならして 走はしってく
照てらされる顔かおは 泥どろんこで
けれども明日あすへと 輝かがやいて
誰だれもに光ひかり 投なげかけてる
そんな人ひとに なりたくて
優やさしく包つつんだ 母親ははおやよ
不器用ぶきように愛あいした 父親ちちおやよ
叱しかってくれた 兄あによ姉あねよ
そんな人ひとに
なりたくて