「空蝉うつせみのあはれ写うつせし水桶みずおけは
揺ゆるる恋唄こいうたとほく響ひびきて」
山やまの辺べの道みち 空そら青あおく
緑みどりの苔こけむす 秋篠寺あきしのでら
あなた忘わすれの 旅たびなのに
ついてくるのね 想おもい出でが
故郷ふるさとじゃないのに 大和路やまとじは
哀かなしい時ときに 来きたくなる
さえずる鳥とりも 野のの花はなも
茶店ちゃみせののれんも 暖あたたかい
揺ゆれる川面かわもに 浮うかぶ顔かお
そっと消けします 手てを入いれて
故郷ふるさとじゃないのに 大和路やまとじは
瀬音せおとが母ははの 声こえになる
飛鳥あすかの里さとの 碑いしぶみに
刻きざんだ恋歌こいうた 身みに沁しみる
花はなの淋さびしさ はかなさが
わかる女おんなに なりました
故郷ふるさとじゃないのに 大和路やまとじは
涙なみだを捨すてに 来きたくなる
「空蝉utsusemiのあはれnoahare写utsuせしseshi水桶mizuokeはha
揺yuるるruru恋唄koiutaとほくtohoku響hibiきてkite」
山yamaのno辺beのno道michi 空sora青aoくku
緑midoriのno苔kokeむすmusu 秋篠寺akishinodera
あなたanata忘wasuれのreno 旅tabiなのにnanoni
ついてくるのねtsuitekurunone 想omoいi出deがga
故郷furusatoじゃないのにjanainoni 大和路yamatojiはha
哀kanaしいshii時tokiにni 来kiたくなるtakunaru
さえずるsaezuru鳥toriもmo 野noのno花hanaもmo
茶店chamiseののれんもnonorenmo 暖atataかいkai
揺yuれるreru川面kawamoにni 浮uかぶkabu顔kao
そっとsotto消keしますshimasu 手teをwo入iれてrete
故郷furusatoじゃないのにjanainoni 大和路yamatojiはha
瀬音seotoがga母hahaのno 声koeになるninaru
飛鳥asukaのno里satoのno 碑ishibumiにni
刻kizaんだnda恋歌koiuta 身miにni沁shiみるmiru
花hanaのno淋sabiしさshisa はかなさがhakanasaga
わかるwakaru女onnaにni なりましたnarimashita
故郷furusatoじゃないのにjanainoni 大和路yamatojiはha
涙namidaをwo捨suてにteni 来kiたくなるtakunaru