よみ:ぱんどらのろうごく
パンドラの牢獄 歌詞
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DarkestoRy
- 2020.12.2 リリース
- 作詞
- 奏音69
- 作曲
- 奏音69
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歴史れきしを変かえるのはいつも、誰だれかが言いったひとつの【言葉ことば】。
世界せかいが夜よるになるはじまりは、この最悪さいあくの物語ダーケストーリー。
少年サウロは途方とほうに暮くれた。
今日きょうもあいつらに虐いじめられてしまったのだ。
「早はやく帰かえりたい……」
サウロは泣なきながら、誰だれもいない牢獄ろうごくを磨みがき続つづけた――。
華麗かれいなこの街まち[ダルカ]に、僕ぼくの居場所いばしょはどこにもない。
【言葉ことば】を交かわす友達ともだちもいない。
ひとり逃にげ出だそうにも、僕ぼくにはそんな勇気ゆうきもない。
お願ねがい、誰だれか僕ぼくを見みつけてくれよ。
見知みしらぬ地下牢ちかろう……呼よび声ごえがこだまする。
「そこにいるの……?」
誰だれなのか知しりたい。その姿すがたを見みたい。
魅みせられたサウロは、もう引ひき返かえせない。
麗うるわしく澄すんだ青あおい眼め。穢けがれを知しらぬ黎くろい髪かみ。
天使てんしが僕ぼくに微笑ほほえみかける。
「私わたしが、願ねがいを叶かなえてあげる」
彼かれには初はじめてのこと。誰だれかと【言葉ことば】を交かわすのは。
世界せかいを塗ぬり潰つぶすはじまりは、小ちいさな恋こいでした。
その天使てんし、イリスはひとりぼっちだった。
なぜこんな地下牢ちかろうにいるのか、それはどうだっていい。
孤独こどくなサウロにとって、イリスは唯一ゆいいつの理解者りかいしゃなのだ。
そして彼かれは、夜よごとその牢獄ろうごくを訪おとずれる。
僕ぼくのどんな願ねがいも、不思議ふしぎと叶かなえてくれる。
彼女かのじょは、きっと本当ほんとうに天使てんしなんだろう
なのに、あいつら。
僕ぼくに悪魔あくまが憑ついてると蹴けりつけた。
「違ちがう……!」
僕ぼくにとってむしろ【言葉ことば】を聞ききもせず、
嘲笑あざわらうお前まえらが悪魔あくまに見みえる……!
傷きずだらけのその心こころ。涙なみだに濡ぬれるその両手りょうてが、
禁きんじられた牢獄ろうごくを開あけてしまう。
「ここから、ふたりで逃にげ出だそうよ」
彼かれには初はじめてのこと。愛あいで何なにも見みえなくなるのは。
世界せかいは僕ぼくにとっての牢獄ろうごくだ。壊こわれてしまえばいい。
姿形すがたの違ちがう者ものたちが、恋愛あいし合あうのは難むずかしい。
午前ごぜん0時じ。約束やくそくの時間じかんに、イリスは現あらわれなかった。
異変いへんに気付きづいたのは、その時とき。
街ダルカから惨憺さんたんたる声こえが聞きこえてくるのだ。
暗闇くらやみに震ふるえる心こころを押おして、サウロは街まちの方角ほうがくへ走はしった。
本当ほんとうは分わかっている。自分じぶんが一体いったい何なにを解とき放はなってしまったのか。
それでもサウロは、あの天使てんしを――
【言葉ことば】を、信しんじていたかった。
やっと会あえた。ねぇ顔かおを見みせて。天使てんしのように微笑ほほえんで。
「……イリス?」
いや……その姿すがた、もう彼女かのじょではない。
あぁまさか。月つきが照てらす、天使てんしの素顔すがお。
君きみは――
「夜よるの悪魔あくま[ヴァンヒール]……!」
それは、悍おぞましい紅あかい眼め。あぁ、血ちに飢うえた皓しろい牙きば。
悪魔あくまが僕ぼくに微笑ほほえみかける。
君きみだけを愛あいしてたのに、イリス……!
……本当ほんとうに愛あいしているわ、サウロ。だから世界せかいを壊こわしてあげるわ。
ただ、あなたには私わたしの愛あいの手段かたちが、"悪意あくい"に映みるだけ。
悪魔あくまの女おんなが愛あいを交配かわす手段しゅだんは、ただひとつ。
心こころから愛あいした男おとこを、喰くい殺ころす事ことである。
牢獄ろうごくを開あけて放はなたれたのは、まさしく"悪意あい"でした。
一夜いちやにして、首都しゅとダルカは堕おちた。
たったひとりの悪魔あくまの【言葉ことば】によって。
かの王国おうこくミンストラは、これから50年ねん余あまり続つづく悪魔あくまの支配しはい――
"黒くろい時代じだい"を迎むかえるのである。
やがてイリスは、ひとりの男おとこの子こを産うむ。
愛あいする我わが子こに"悪意あくい"という皮肉ひにくを込こめて、
"マリス[Malice]"と名付なづけた。
世界せかいが夜よるになるはじまりは、この最悪さいあくの物語ダーケストーリー。
少年サウロは途方とほうに暮くれた。
今日きょうもあいつらに虐いじめられてしまったのだ。
「早はやく帰かえりたい……」
サウロは泣なきながら、誰だれもいない牢獄ろうごくを磨みがき続つづけた――。
華麗かれいなこの街まち[ダルカ]に、僕ぼくの居場所いばしょはどこにもない。
【言葉ことば】を交かわす友達ともだちもいない。
ひとり逃にげ出だそうにも、僕ぼくにはそんな勇気ゆうきもない。
お願ねがい、誰だれか僕ぼくを見みつけてくれよ。
見知みしらぬ地下牢ちかろう……呼よび声ごえがこだまする。
「そこにいるの……?」
誰だれなのか知しりたい。その姿すがたを見みたい。
魅みせられたサウロは、もう引ひき返かえせない。
麗うるわしく澄すんだ青あおい眼め。穢けがれを知しらぬ黎くろい髪かみ。
天使てんしが僕ぼくに微笑ほほえみかける。
「私わたしが、願ねがいを叶かなえてあげる」
彼かれには初はじめてのこと。誰だれかと【言葉ことば】を交かわすのは。
世界せかいを塗ぬり潰つぶすはじまりは、小ちいさな恋こいでした。
その天使てんし、イリスはひとりぼっちだった。
なぜこんな地下牢ちかろうにいるのか、それはどうだっていい。
孤独こどくなサウロにとって、イリスは唯一ゆいいつの理解者りかいしゃなのだ。
そして彼かれは、夜よごとその牢獄ろうごくを訪おとずれる。
僕ぼくのどんな願ねがいも、不思議ふしぎと叶かなえてくれる。
彼女かのじょは、きっと本当ほんとうに天使てんしなんだろう
なのに、あいつら。
僕ぼくに悪魔あくまが憑ついてると蹴けりつけた。
「違ちがう……!」
僕ぼくにとってむしろ【言葉ことば】を聞ききもせず、
嘲笑あざわらうお前まえらが悪魔あくまに見みえる……!
傷きずだらけのその心こころ。涙なみだに濡ぬれるその両手りょうてが、
禁きんじられた牢獄ろうごくを開あけてしまう。
「ここから、ふたりで逃にげ出だそうよ」
彼かれには初はじめてのこと。愛あいで何なにも見みえなくなるのは。
世界せかいは僕ぼくにとっての牢獄ろうごくだ。壊こわれてしまえばいい。
姿形すがたの違ちがう者ものたちが、恋愛あいし合あうのは難むずかしい。
午前ごぜん0時じ。約束やくそくの時間じかんに、イリスは現あらわれなかった。
異変いへんに気付きづいたのは、その時とき。
街ダルカから惨憺さんたんたる声こえが聞きこえてくるのだ。
暗闇くらやみに震ふるえる心こころを押おして、サウロは街まちの方角ほうがくへ走はしった。
本当ほんとうは分わかっている。自分じぶんが一体いったい何なにを解とき放はなってしまったのか。
それでもサウロは、あの天使てんしを――
【言葉ことば】を、信しんじていたかった。
やっと会あえた。ねぇ顔かおを見みせて。天使てんしのように微笑ほほえんで。
「……イリス?」
いや……その姿すがた、もう彼女かのじょではない。
あぁまさか。月つきが照てらす、天使てんしの素顔すがお。
君きみは――
「夜よるの悪魔あくま[ヴァンヒール]……!」
それは、悍おぞましい紅あかい眼め。あぁ、血ちに飢うえた皓しろい牙きば。
悪魔あくまが僕ぼくに微笑ほほえみかける。
君きみだけを愛あいしてたのに、イリス……!
……本当ほんとうに愛あいしているわ、サウロ。だから世界せかいを壊こわしてあげるわ。
ただ、あなたには私わたしの愛あいの手段かたちが、"悪意あくい"に映みるだけ。
悪魔あくまの女おんなが愛あいを交配かわす手段しゅだんは、ただひとつ。
心こころから愛あいした男おとこを、喰くい殺ころす事ことである。
牢獄ろうごくを開あけて放はなたれたのは、まさしく"悪意あい"でした。
一夜いちやにして、首都しゅとダルカは堕おちた。
たったひとりの悪魔あくまの【言葉ことば】によって。
かの王国おうこくミンストラは、これから50年ねん余あまり続つづく悪魔あくまの支配しはい――
"黒くろい時代じだい"を迎むかえるのである。
やがてイリスは、ひとりの男おとこの子こを産うむ。
愛あいする我わが子こに"悪意あくい"という皮肉ひにくを込こめて、
"マリス[Malice]"と名付なづけた。