よみ:まりすのばんさん
マリスの晩餐 歌詞
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DarkestoRy
- 2020.12.2 リリース
- 作詞
- 奏音69
- 作曲
- 奏音69
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森もりの奥おくには、夜よるの悪魔あくまが住すむんだ。
奴やつらに【言葉ことば】などは通つうじない。
太陽ひが沈しずむ前まえには、帰かえっておいで。
少女ミラは途方とほうに暮くれた。
帰かえり道みちを見失みうしなってしまったのだ。
「早はやく帰かえらなきゃ……」
ミラは森もりの奥おくへと歩あるきだした――。
夜よるの悪魔あくまなんて、いるはずないわ。
誰だれしも【言葉ことば】で理解りかい[わか]りあえるもの。
やがて木きの陰かげで、ミラは見みつけた。
古ふるびた洋館やかたに、蠢うごめく何なにかを。
此処ここには、ねぇ、誰だれかがいるの?
蝋燭ろうそくの燈ひが、不気味ぶきみに照てらした。
「……貴方あなたはだあれ?」
悍おぞましい紅あかい眼め。血ちに飢うえた皓しろい牙きば。
あぁ、残酷ざんこくで数奇すうきなこの出で遇あい。
救たすけてと嘆悔なげいて、お願ねがいと喚鳴わめいても、
そうか……悪魔あくまには【言葉ことば】は通つうじない。
その悪魔あくま、マリスは何なにかに気付きづいて立たち止どまった。
ミラは逃にげることなく、彼かれに優やさしく話はなしかけた。
罪つみは犯おかした人ひとだけのもの。
血統けっとう[うまれ]は関係かんけいないわ。
あなたは、あなた。
それから、ふたりは探さがし始はじめた。
悪魔あくまと少女しょうじょが、理解わかりあう道みちを。
ある夜よる、ふと、誰だれかの靴音くつおと[あしおと]。
招まねかれざる殺意さついを握にぎって。
「……彼女かのじょを還かえせ!」
怯おびえた黒くろい耳みみ。震ふるえる手てからは凶弾きょうだん。
あぁ、姿形すがたならミラと似にているのに……。
対話はなしをと説といた。聞きいてくれと叫さけんだ。
なぜ……お前まえには【言葉ことば】が通つうじない?
「悪魔あくまを殺ころせ!」
姿形すがたの違ちがう者ものたちが、理解りかい[わか]りあうのは難むずかしい。
もはや彼かれらに【言葉ことば】は通つうじない。
一体いったいどちらが、本物ほんものの悪魔あくまなのだろう。
朝焼あさやけに傷いたむ身体からだを押おして、マリスは村むらの方角ほうがくへ走はしった。
この姿形すがたかたち[すがた]を見みられたら、きっと殺ころされるだろう。
それでもマリスは、この少女しょうじょを――
【言葉ことば】を、信しんじてみたかった。
悪魔おれが恐こわいだろう。信しんじてはくれないだろう。
ただ、ひとつでいい。願ねがいを聞きいてくれないか!
虚うつろな紅あかい眼め。灰はいと化かす皓しろい[しろ]い牙きば。
あぁ、夜よるが明あける。
笑顔えがおはもう、見みれないな……。
侵略おかした歴史れきしは、決けっして戻もどらない。
でもミラ、言いうとおりだ。
姿形すがたは違ちがえど、悪魔あくまの子こだとしても、
【言葉ことば】で理解りかい[わか]りあった。
ミラは正ただしかったんだ。
マリスは満足みたされたように笑わらって、
静しずかに……朝焼あさやけに散ちった。
奴やつらに【言葉ことば】などは通つうじない。
太陽ひが沈しずむ前まえには、帰かえっておいで。
少女ミラは途方とほうに暮くれた。
帰かえり道みちを見失みうしなってしまったのだ。
「早はやく帰かえらなきゃ……」
ミラは森もりの奥おくへと歩あるきだした――。
夜よるの悪魔あくまなんて、いるはずないわ。
誰だれしも【言葉ことば】で理解りかい[わか]りあえるもの。
やがて木きの陰かげで、ミラは見みつけた。
古ふるびた洋館やかたに、蠢うごめく何なにかを。
此処ここには、ねぇ、誰だれかがいるの?
蝋燭ろうそくの燈ひが、不気味ぶきみに照てらした。
「……貴方あなたはだあれ?」
悍おぞましい紅あかい眼め。血ちに飢うえた皓しろい牙きば。
あぁ、残酷ざんこくで数奇すうきなこの出で遇あい。
救たすけてと嘆悔なげいて、お願ねがいと喚鳴わめいても、
そうか……悪魔あくまには【言葉ことば】は通つうじない。
その悪魔あくま、マリスは何なにかに気付きづいて立たち止どまった。
ミラは逃にげることなく、彼かれに優やさしく話はなしかけた。
罪つみは犯おかした人ひとだけのもの。
血統けっとう[うまれ]は関係かんけいないわ。
あなたは、あなた。
それから、ふたりは探さがし始はじめた。
悪魔あくまと少女しょうじょが、理解わかりあう道みちを。
ある夜よる、ふと、誰だれかの靴音くつおと[あしおと]。
招まねかれざる殺意さついを握にぎって。
「……彼女かのじょを還かえせ!」
怯おびえた黒くろい耳みみ。震ふるえる手てからは凶弾きょうだん。
あぁ、姿形すがたならミラと似にているのに……。
対話はなしをと説といた。聞きいてくれと叫さけんだ。
なぜ……お前まえには【言葉ことば】が通つうじない?
「悪魔あくまを殺ころせ!」
姿形すがたの違ちがう者ものたちが、理解りかい[わか]りあうのは難むずかしい。
もはや彼かれらに【言葉ことば】は通つうじない。
一体いったいどちらが、本物ほんものの悪魔あくまなのだろう。
朝焼あさやけに傷いたむ身体からだを押おして、マリスは村むらの方角ほうがくへ走はしった。
この姿形すがたかたち[すがた]を見みられたら、きっと殺ころされるだろう。
それでもマリスは、この少女しょうじょを――
【言葉ことば】を、信しんじてみたかった。
悪魔おれが恐こわいだろう。信しんじてはくれないだろう。
ただ、ひとつでいい。願ねがいを聞きいてくれないか!
虚うつろな紅あかい眼め。灰はいと化かす皓しろい[しろ]い牙きば。
あぁ、夜よるが明あける。
笑顔えがおはもう、見みれないな……。
侵略おかした歴史れきしは、決けっして戻もどらない。
でもミラ、言いうとおりだ。
姿形すがたは違ちがえど、悪魔あくまの子こだとしても、
【言葉ことば】で理解りかい[わか]りあった。
ミラは正ただしかったんだ。
マリスは満足みたされたように笑わらって、
静しずかに……朝焼あさやけに散ちった。