美食家 歌詞 かしこ。 feat. 初音ミク ふりがな付

温ぬるくなった 甘あまいスープを 口くちにつけて苦笑わらう
最初さいしょと同おなじ味あじなのに 別物べつもののワンスプーン
今日きょうの事ことを 羅列られつしあう 会話かいわにならない対話たいわ
それは何処どこにも向むかわないし 何なにも示しめさない

綻ほころびから綻ほころび 転ころび 穴あなになるほどに
すぐに直なおさなくちゃって試こころみ 指ゆびに刺ささる針はり
僕ぼくらは辛かろうじて 同おなじテーブルの上うえ
微かすかに残のこる ランプの灯ひを 見みつめている

イツモドオリと名付なづけられた 最高級さいこうきゅうの皿さらはもう
メニュー表ひょうの隅すみっこから 消きえてなくなってしまった
イツモドオリを ありのままに 目めいっぱいに頬張ほおばって
美味おいしいねって 笑わらいあえるだけで
幸しあわせな食卓しょくたくだった

目めに見みえて 花はなは萎しおれ 黒くろ混まざる cafe au lait
「楽たのしいね」は 抑揚よくようなくし 平坦へいたんに響ひびいた
何なにが余あまって 足たりてないのって 迷まよい込こんだ闇路やみじ
今いまを見みようとして 今いまに目隠めかくしをされて

心こころは危あぶなっかしい 天秤てんびんを抱かかえている
sugar & spice 微量びりょうの匙加減さじかげんで 変かわる味あじ

イツモドオリと名付なづけられた 最高級さいこうきゅうの皿さらの上うえ
紛まぎれ込こんだ苦にがい味あじを 僕ぼくは前まえから知しっていた
終末おわりの味覚テイストに 触ふれてもされど そばにいるのは
この苦味あじの向むこう側がわを 知しりたいと願ねがうから
美味おいしいねって笑わらう 声こえが聞ききたいから

僕ぼくらは辛かろうじて 同おんなじ文脈ぶんみゃくの中なか
sugar & spice 微妙びみょうな匙加減さじかげんで 味あじは変かわるから

イツモドオリと名付なづけられた 最高級さいこうきゅうの皿さらはもう
メニュー表ひょうの隅すみっこから 消きえてなくなってしまった
くだんないこと くだんないことを 目めいっぱいに頬張ほおばって
美味おいしいねって 笑わらいあえるだけで 幸しあわせだった

イツモドオリは 気きづけばもう 幻まぼろしの美味あじになっていた
それでも 今日きょうも明日あしたも あの味あじを探さがすのだろう
美味おいしいねって笑わらう 君きみがまた見みたいから
僕ぼくは 今日きょうも あの味あじを探さがしている 美食家グルメ