雪原せつげんの上空じょうくうに生おい茂しげる 結晶けっしょうの花はなに瞳ひとみを
音おとを包つつみ静しずかに少すこしずつ寝相ねぞうを変かえ
標高ひょうこう八千はっせん米メートルの槍先やりさき 四季しきの浅あさい未踏みとうの森もり
絵えに起おこすには適かなわないと 手てに触ふれる 眼めを伏ふせる
舌したを撫なでた空気くうきはやがて喉のどを潜もぐり体からだを冷ひやし 朝あさを告つげ
肩かたを竦すくめ身みを寄よせ合あう番つがいの雪豹ゆきひょうと月明つきあかりは解とけてゆく
夥おびただしい白しろに声こえを失うしない 吸すい込こまれて消きえる
幽玄ゆうげんな境界線きょうかいせん 土つちの褥しとねに張はり付つく影かげなき日向ひなたに腰こしを下おろしてみると
空想くうそうの点てんと線せん 変哲へんてつのない借家しゃっかの生活せいかつに膜まくを張はり何者なにものにもなれずにいる
少すこしずつはだけていく冬ふゆ 着飾きかざるもの全すべてを憂うれい 眼めを背そむけ
葉はの腹はらの雫しずくは零こぼれ ここで息いきを閉とじていいかと思おもう
夥おびただしい白しろに耳みみを傾かたむけ 組くみ込こまれて消きえる
夥おびただしい白しろに声こえを失うしない 吸すい込こまれて消きえる
雪原setsugenのno上空joukuuにni生oいi茂shigeるru 結晶kessyouのno花hanaにni瞳hitomiをwo
音otoをwo包tsutsuみmi静shizuかにkani少sukoしずつshizutsu寝相nezouをwo変kaえe
標高hyoukou八千hassen米mêtoruのno槍先yarisaki 四季shikiのno浅asaいi未踏mitouのno森mori
絵eにni起oこすにはkosuniha適kanaわないとwanaito 手teにni触fuれるreru 眼meをwo伏fuせるseru
舌shitaをwo撫naでたdeta空気kuukiはやがてhayagate喉nodoをwo潜moguりri体karadaをwo冷hiやしyashi 朝asaをwo告tsuげge
肩kataをwo竦sukuめme身miをwo寄yoせse合aうu番tsugaiのno雪豹yukihyouとto月明tsukiaかりはkariha解toけてゆくketeyuku
夥obitadaしいshii白shiroにni声koeをwo失ushinaいi 吸suいi込koまれてmarete消kiえるeru
幽玄yuugenなna境界線kyoukaisen 土tsuchiのno褥shitoneにni張haりri付tsuくku影kageなきnaki日向hinataにni腰koshiをwo下oろしてみるとroshitemiruto
空想kuusouのno点tenとto線sen 変哲hentetsuのないnonai借家syakkaのno生活seikatsuにni膜makuをwo張haりri何者nanimonoにもなれずにいるnimonarezuniiru
少sukoしずつはだけていくshizutsuhadaketeiku冬fuyu 着飾kikazaるものrumono全subeてをtewo憂ureいi 眼meをwo背somuけke
葉haのno腹haraのno雫shizukuはha零koboれre ここでkokode息ikiをwo閉toじていいかとjiteiikato思omoうu
夥obitadaしいshii白shiroにni耳mimiをwo傾katamuけke 組kuみmi込koまれてmarete消kiえるeru
夥obitadaしいshii白shiroにni声koeをwo失ushinaいi 吸suいi込koまれてmarete消kiえるeru