不思議の国の青年アリス 歌詞 春組 ふりがな付

「遅刻ちこくだ遅刻ちこくだ。そこどいて!」
「なんだその耳みみ。大学生だいがくせいにもなってコスプレか」
「いいからどいて。遅刻ちこくしたら不味まずいんだってば」

「おい押おすな」
「いいからどいて」
「おい…!」
「遅刻ちこくするー!!」

「さあアリス君きみ、黄金おうごんの宝探たからさがしだ」

♪らんらららららん らんらんらららん
らんらららららら らららんらん
らんらららららん らんらんらららん
らんらららららら らららんらん

♪らんらららららん らんらんらららん
らんらららららら らららんらん
らんらららららん らんらんらららん
らんらららららら らららんらん

♪らんららららら らんらんらららん らんらららららら

♪そこはボクの昼寝ひるねの場所ばしょだよ、どいてくれ、どいてくれ
「なんだお前まえは。ここはどこだ?」
♪僕ぼくはチェシャ。ここは不思議ふしぎの国くにだよ
「不思議ふしぎの国くにだとくだらない。僕ぼくまでこんなコスプレを」

♪元もとの世界せかいに帰かえらなきゃ。白しろいウサミミを知しらないか
♪白しろうさぎなら王様おうさまのところだよ
♪案内あんないしろ。あいつに僕ぼくは連つれてこられた
♪人ひとにものを頼たのむ態度たいど?
「まいいや」
♪こいつと王様おうさまなら面白おもしろそうだ

「真澄ますみ君きみすごいね、初主演はつしゅえんなのに落おち着ついてる」
「お前まえは相変あいかわらず楽たのしそうだ」
「うん。それだけじゃダメなんだろうけど…やっぱり楽たのしい!」
「ついておいで」
「いい。たぶん…お前まえは、それでいい」

「裁判さいばんの結果けっか、白しろうさぎを死刑しけいとする」
「待まってください。3秒びょう遅刻ちこくしただけです!」
「白しろうさぎを時間じかん泥棒どろぼうの罪つみで死刑しけいとする。牢ろうに入いれよ!」
「待まて。そのウサギを勝手かってに殺ころすな」
「なぜ庇かばう? お前まえはこいつの友人ゆうじんか」
「違ちがう。だけどそいつは僕ぼくにとって大事だいじなんだ」
「じゃあお前まえが身代みがわりになれ」
「えっ?」
「特別とくべつにもう一度いちどクロッケーで裁判さいばんをしてやろう。裁判さいばんの準備じゅんびを!」

「待まってくれ。これはフラミンゴとハリネズミじゃないか」
「それが何なにか」
「できるわけないだろ。こんなに可愛かわいいこの子こ達たちを…!」
「じゃあ死刑しけい。牢ろうに入いれよ!」

「ちゃんと言いえてるネー。日本語にほんご上手うまくなってるヨ!」
「舞台ぶたいに立たつなら当あたり前まえ」
「王様おうさま嫌きらいだけどこの役やく好すきネ。
真澄ますみのアドバイス通どおりもっと前まえに出でていくヨ」
「それでいい。合あわせようとしないほうが俺おれたちは合あう」

「あ～もう、仕方しかたないなあ!」
「なにを?」
「おりゃあ! 行いくよ。助たすけてくれたお返かえしね。これで貸かし借かりなし!」

「何なにをしている! あの者もの達たちを捕とらえよ!」

「ふぅ、なんとか逃にげられたかな」
「地上ちじょうに戻もどる方法ほうほうを教おしえろ」
「そんなの知しらないよ」
「はあ?」
「おや、白しろうさぎには会あえたようだね」
「だが目的もくてきは果はたせなかった。僕ぼくは地上ちじょうに帰かえりたいんだ」
「じゃあ帽子屋ぼうしやに聞きいてみるといいよ」

「教授きょうじゅ!?」
「この人ひと元もとの世界せかい?に帰かえりたいんだって」
「もう一度いちどあの紅茶こうちゃを飲のめば帰かえれるはずだ」
「そんな話ばなしは聞きいたことがない。なあ、君きみたち?
この少年しょうねんどうするべきだと思おもう?
…なるほどね」
「おいさっきから誰だれに向むかって話はなしかけているんだ」
「目めに見みえるものばかりが真実しんじつではない。
世よの中なかには目めに見みえないものに大金たいきんをつぎ込こむ者ものもいる。
例たとえばゲームのアイテムなんかにね」
「頭あたまが痛いたくなる」

「変へんなアドリブ入いれるな」
「言いったろ適当てきとうにやるって。真澄ますみも楽たのしそうじゃん。監督かんとくさんのため?」
「当あたり前まえ。だけど今日きょうはそれだけじゃない。芝居しばいが…楽たのしいから」
「え? なんて?」
「うるさい」

♪では教おしえてあげよう
「世界せかいとは常つねに今こん君きみがいる世界せかいが世界せかいだよ」
「はい?」
♪君きみは僕ぼくだ。ついでに彼かれは君きみで、僕ぼくは彼かれ
「禅問答ぜんもんどうは沢山たくさんだ。いいから元もとの世界せかいに戻もどせ」
♪僕ぼくに言いえることは一ひとつ、君きみを救すくえるのは
「君きみだけだ」

「見みつけたぞ。」
「なんでここに」
「なんでって、そこは王様おうさまの席せきだ」
「牢ろうに入いれよ!」
「待まて! 僕ぼくはこんなところで死しにたくない」
「ではお友達ともだちに頼たのむといい。白しろうさぎが代かわるならアリスは助たすけよう」
「もう貸かし借かりは無なしだ。そもそも僕ぼくらは友達ともだちじゃない」

「お前まえは?」
「ご冗談じょうだん。私わたしに友達ともだちは不要ふようです」
「お前まえは?」
「友達ともだちって生産性せいさんせいなくない?」

「ハハッ、気きが合あうな。僕ぼくもそう思おもうよ」

「気きが合あう? 君きみは僕ぼく、彼かれは君きみ、僕ぼくは彼かれ…
もしかして、この世界せかいは、僕ぼくの深層しんそう心理しんりだとでも? 馬鹿馬鹿ばかばかしい」

「友達ともだちがいない罪つみでお前まえは死刑しけいだ」
「そうやって攻撃的こうげきてきになるのは、友達ともだちが欲ほしいからだろ」
「貴様きさま、誰だれに向むかって口くちをきいている」
「あんたは寂さびしいんだ。だから他人たにんを攻撃こうげきして自分じぶんを守まもってる」

「なぜお前まえにそんなことがわかる」
「僕ぼくが、そうだから」
「…何なに?」
「だから…僕ぼくでよければ友達ともだちになって欲ほしい」
「私わたしと、友達ともだちに?」

「僕ぼくは友達ともだちというものがわからない。だから怖こわかった。誰だれかと関かかわるのが。
アンタもだろ。でもお互たがい初はじめての友達ともだちなら、
不器用ぶきよう同士どうしでも許ゆるし合あえるんじゃないのか」

「綴つづり、これは脚本きゃくほんで俺おれの言葉ことばじゃないから」
「でも、俺おれがして欲ほしかった以上いじょうの演技えんぎだよ」
「当あたり前まえ。監督かんとくの為ためと…役者やくしゃだから」
「思おもってないと言いえないセリフだと俺おれは思おもうんだよ、真澄ますみ」

「友達ともだちに、友達ともだちに…なる!」
「動物どうぶつ達たちにひどいことをするのもやめて欲ほしい」
「やめる。お触ふれを出だせ! 動物どうぶつは全すべて解放かいほう、牢屋ろうやの者もの達たちも全すべて解放かいほう。
国民こくみん全員ぜんいん10連休れんきゅう!」
「夢ゆめの大型おおがた連休れんきゅう!」
「喜よろこびすぎ…」
「さあ皆みんな、国くにをあげてのパーティーだ。我わが友ともアリスに乾杯かんぱいだ!」
「オー!」

♪らんらららららん らんらんらららん
らんらららららら らららんらん
らんらららららん らんらんらららん
らんらららららら らららんらん

「アリスを胴上どうあげだ!」
「オー! せーの!」

「おはよう。気分きぶんはどうだい?」
「最悪さいあくです。時間じかんをだいぶ無駄むだにしてしまった」
「そう、それこそがさっきの答こたえだ。
君きみだけに見みえていなかったのは黄金おうごんの余暇よかだよ」

「少すこしはわかった? 大人おとなってのがなんなのか?」
「あんたは失敗例しっぱいれいとして参考さんこうになった」

「嫌いやな夢ゆめだったかな?」
「いや、そこまで嫌いやではなかった…です」
「おや、ずいぶんと素直すなおだね」
「もう紅茶こうちゃはごめんですから」

「俺おれはあんたみたいにはならない」
「ま、悩なやんだらいつでも相談そうだんのるよ」
「断ことわる。もうゲーセンはごめんだ」
「さあ、ラストシーンだ」
「アンタが仕切しきるな。行いくぞ」

♪僕ぼくらは一人ひとりだけど
♪僕ぼくらは一人ひとりじゃない
♪目めを閉とじれば 心こころの中なかで
♪いつもみんなが笑わらっている
♪不思議ふしぎな
♪国くにの中なかで
(♪国くにの中なかで)
♪見みつけた
♪大切たいせつな鍵かぎ
♪さぁ開あけ! 夢ゆめと心こころを
It's a Fantasy