FICTION (AL Version) 歌詞 珀 ふりがな付

この計画けいかくの主軸しゅじく 即すなわち君きみの形質けいしつと遺伝子いでんし
全すべてを継承けいしょうした個体こたい それが僕ぼくらだ
無作為むさくいに並ならべられた この水槽すいそうの隅すみで
人知ひとしれず誰だれもが庶幾こいねがう 紺碧こんぺきの海うみを…

姿すがた 記憶きおく 存在そんざい意義いぎも
複製ふくせいされた僕ぼくらの前まえに
そのガラクタは突如とつじょ現あらわれた
錆さびた胴どうを軋きしませ手て招まねく“　それ”　は
この虚構きょこう世界せかいの終おわり
僕ぼくにそっと仄ほのめかしていた

痛いたいほどに熱ねつを帯おびた
この心臓しんぞうも偽物にせものなの?
嘘うそじゃないと 誰だれかいっそ
欺あざむいてみせてよ
何度なんどだって殺ころした感情かんじょう
それでも信しんじずにはいられないの
所詮しょせん何者なにものにもなれやしないこと
判わかっていながら

付番ふばんされた順じゅん 延々えんえん強しいられる実験じっけんやら改造かいぞう
生いき長ながらえた今日きょうに安堵あんどする日々ひびにはうんざりだ
「こんなとこで終おわるくらいなら
例たとえ不確ふたしかな兆きざしであれ行いこう」
手てを引ひかれるまま 踏ふみ入いる 陰謀いんぼうの海うみへ

「意味いみも価値かちも生うみ出だすものさ」
どこか遠とおく 指差ゆびさししたまま
そのガラクタは突如とつじょ停止ていしした
かつて僕ぼくに未来みらいをくれた“　それ“　が
もう二に度どと動うごかないこと
気きづいてしまった

理想郷りそうきょうなんて誰だれが嘯うそぶいたのかな
最後さいごの希望きぼうも潰ついえた今いまの僕ぼくに何なにが残のこる?

この存在そんざいを否定ひていしないで
嘘うそじゃないと誰だれか答こたえて
知しりたくないよ見みせないでよ
閉とざしてしまえ 閉とざしてしまえ
目めを伏ふせたその瞬間しゅんかんに不意ふいに浮うかんだ
そのよく知しる声こえに幾度いくど引ひき上あげられたことか

はじめからどうせ欠陥けっかん品ひんだ
やがて訪おとずれる終焉しゅうえんまで
しがみついてみるよ
それまでさよならヒーロー
少すこしの別わかれだ

所詮しょせん何者なにものにもなれやしないこと
所詮しょせん何処どこへも辿たどり着つけやしないこと
所詮しょせん何事なにごとも変かえれやしないこと
所詮しょせん何一なにひとつ守まもれやしないこと
判わかっていながら