バテンレースの日傘ひがさから
夏なつの影絵かげえが 回まわり 落おち
白しろい首くびと 萌黄もえぎの帯おびに留とまる
そっと振ふり返かえった母ははの
いつも泣ないてるような目めは
僕ぼくを抜ぬけて
知しらない誰だれかを遠とおく
見みつめていた
傾かたむく 陽炎かげろう
眩暈めまいに歪ゆがむ 蝉時雨せみしぐれ坂ざか
手てを引ひかれて のぼってゆく
追おわれるように
逃にげだすように
汗あせばむ掌てのひらが痛いたかった
離はなれないで
本当ほんとうに愛あいしてるのは僕ぼく
母ははと 同おなじことを言いうんだね
白しろい首くびの後おくれ毛げ
掻かき上あげながら微笑ほほえむ女ひと
零こぼれる 追憶ついおく
明あかり灯ともらぬ 黄昏たそがれの部屋へや
僕ぼくはあの日ひを思おもい出だす
少年しょうねんとなり
腕うでを伸のばした
捉つかまえたいものは もう疾とうに
失なくしたのに
眩暈めまいに続つづく 蝉時雨せみしぐれ坂ざか
僕ぼくはひとり のぼってゆく
追おいつくように
逃にげないように
背せを向むけた貴女あなたは
誰だれだろう
こっち 向むいて
届とどくよ あと少すこし
バテンレbatenreースsuのno日傘higasaからkara
夏natsuのno影絵kageeがga 回mawaりri 落oちchi
白shiroいi首kubiとto 萌黄moegiのno帯obiにni留toまるmaru
そっとsotto振fuりri返kaeったtta母hahaのno
いつもitsumo泣naいてるようなiteruyouna目meはha
僕bokuをwo抜nuけてkete
知shiらないranai誰dareかをkawo遠tooくku
見miつめていたtsumeteita
傾katamuくku 陽炎kagerou
眩暈memaiにni歪yugaむmu 蝉時雨semishigure坂zaka
手teをwo引hiかれてkarete のぼってゆくnobotteyuku
追oわれるようにwareruyouni
逃niげだすようにgedasuyouni
汗aseばむbamu掌tenohiraがga痛itaかったkatta
離hanaれないでrenaide
本当hontouにni愛aiしてるのはshiterunoha僕boku
母hahaとto 同onaじことをjikotowo言iうんだねundane
白shiroいi首kubiのno後okuれre毛ge
掻kaきki上aげながらgenagara微笑hohoeむmu女hito
零koboれるreru 追憶tsuioku
明aかりkari灯tomoらぬranu 黄昏tasogareのno部屋heya
僕bokuはあのhaano日hiをwo思omoいi出daすsu
少年syounenとなりtonari
腕udeをwo伸noばしたbashita
捉tsukaまえたいものはmaetaimonoha もうmou疾toうにuni
失naくしたのにkushitanoni
眩暈memaiにni続tsuduくku 蝉時雨semishigure坂zaka
僕bokuはひとりhahitori のぼってゆくnobotteyuku
追oいつくようにitsukuyouni
逃niげないようにgenaiyouni
背seをwo向muけたketa貴女anataはha
誰dareだろうdarou
こっちkotchi 向muいてite
届todoくよkuyo あとato少sukoしshi