ピアノ 歌詞 宮沢和史 ふりがな付

月つきも見みえない夜よるの底そこで 終おわりのない沈黙ちんもくが響ひびく
泣なき出だしてしまいたいけれど ひとりきりでは声こえも出だせない

張はりつめたまま並ならぶ弦げんで 羽はねを休やすめる鳥とりもいない
あなたを罵ののしりたいけれど あなたなしでは音おとも出だせない

ピアノ ピアノ ただのピアノ あなたの指ゆびに従したがいながら
踊おどりたくないワルツを踊おどる あなたが飽あきてしまう時ときまで

どうせいつもの場所ばしょで始はじまり どうせいつもの場所ばしょでつまずく
声こえをつぶしてしまいたいけど ひとりきりでは何なにもできない

ピアノ ピアノ ただのピアノ あなたの指ゆびを追おいかけながら
歌うたいたくないタンゴを歌うたう あなたがそっと席せきを立たつまで

歩あるいたことのない街まちの景色けしきを知しらずに奏かなでている 私わたしはピアノ

ピアノ ピアノ ただのピアノ あなたの指ゆびに触ふれていても
ふたりきりのこの部屋へやの隅すみで あなたが見みつめるのは五線紙ごせんし

あなたが見みつめるのは五線紙ごせんし