雨の羽生橋 歌詞 倉橋ヨエコ ふりがな付

砕くだけた花瓶かびんは 畳たたみに水みずたまりを
涙なみだと混まざって 白熱灯はくねつとうのリングが揺ゆれる
今夜こんやも稼かせげと どこへ引ひきずられても
私わたしの帰かえる家いえなど ここしかないの

早はやく早はやく 大人おとなになりたいのさ
首くびから下さげたお財布さいふじゃ 夢ゆめは叶かなわない

恋こいの峠とうげをあなたと駆かけ落おちましょうと
指切ゆびきり桜ざくらを 散ちらすように

雨あめの羽生はにゅう橋ばし 今日きょうもあなたは来こない
この手てを掴つかんで さらってくれるのを待まってます

逆立さかだちしながら 目めを開あけたこの景色けしき
夢ゆめに違ちがいない 崩くずれ落おちた悲かなしい現実げんじつ
どんな侮辱ぶじょくでも あなた思おもえば平気へいき
街灯がいとう数かぞえ帰かえる 疲つかれた歩幅ほはばは狭せまい

早はやく早はやく 自由じゆうになりたいのさ
ねえ あなたはどこで今いま 何なにをしていますか

恋こいの特急とっきゅう列車れっしゃの切符きっぷが欲ほしい
指切ゆびきり桜ざくらは 空そらに舞まい

雨あめの羽生はにゅう橋ばし 今日きょうも一人ひとり佇たたずむ
あなたが名前なまえを 呼よんで下くださるのを待まってます

かわいいねと 誰だれが撫なでてくれても
あなた以外いがいには しっぽを私わたし振ふらないわ

恋こいの峠とうげをあなたと駆かけ落おちたくても
指切ゆびきり桜ざくらは もう散ちった

雨あめの羽生はにゅう橋ばし この切せつない恋こいなど
誰だれにも知しられる事こともなく 枯かれていくのだろう
何故なぜならあなたは 立派りっぱな人間にんげん様さま
そんな私わたしは 檻おりの中なか 遠吠とおぼえて 夏なつを知しる