蛙の歌 歌詞 倉橋ヨエコ ふりがな付

井戸いどの中なかに住すむ あなたと私わたしには
外そとの景色けしきなど 見上みあげる余裕よゆうはない

生うまれながら誰だれしも不平等ふびょうどう
比くらべたら悲かなしくて生いきてけない
今日きょうもぽろぱろの鞄かばん逆さかさにしても
あなたにあげるパンさえない

どうぞ私わたしの背中せなかを踏ふみ台だいにして
遠慮えんりょなく靴くつのままで足あしをかけてよ
ぶら下さがる幸しあわせにあなたの手てが届とどくなら
私わたし踏ふん張ばる 四よつん這ばいになって
踏ふん張ばる 泥水どろみずを飲のみ
さあ 私わたしの背中せなかを踏ふみ台だいにして

木枯こがらし吹ふいても あなたと私わたしには
紅葉こうようの赤あかさえ 知しらないまま冬ふゆへ
生うまれながら誰だれしも不平等ふびょうどう
恨うらんでる暇ひまさえございません
誰だれかが飽あきて捨すてたおもちゃの船ふねに
夢ゆめを乗のせて空そらを睨にらむ

どうぞ私わたしの背中せなかを踏ふみ台だいにして
遠慮えんりょなく助走じょそう付つけて飛とび上あがってよ
見上みあげる外そとの世界せかいあなたが楽らくになるなら
私わたし踏ふん張ばる 膝ひざが減めり込こんでも
踏ふん張ばる 月夜つきよが笑わらう
さあ 私わたしの背中せなかを踏ふみ台だいにして

好すきで井戸いどの中なかの蛙かえるでいるわけじゃないんだ
壁かべをよじ登のぼりまた落おちてよじ登のぼる毎日まいにち

どうぞ私わたしの背中せなかを踏ふみ台だいにして
遠慮えんりょなく助走じょそう付つけて飛とび上あがってよ
見上みあげる外そとの世界せかい あなたが楽らくになるなら
どうぞ私わたしの背中せなかを踏ふみ台だいにして
井いの中なかの蛙かわずなんて私わたしだけでいい
ぶら下さがる幸しあわせにあなたの手てが届とどくなら