悲しみは記念になる 歌詞 中村千尋 ふりがな付

そっか 君きみはもういないんだね
がらんと声こえのしなくなった この部屋へや
ひとり分ぶんのパスタ茹ゆで上あがりました

やっぱ そうだよね わかってたけど
あたし 写真しゃしんを撮とらなくなった
ファインダー覗のぞいてもね 君きみがもう映うつらないから

Nikonのデジタル一眼いちがんレフカメラ
撮とって 瞬間しゅんかんを 切きり取とって 空間くうかんを
撮とって においまで撮とって ブルーを集あつめたら

あたしわかった 悲かなしみは記念きねんになる
名前なまえのない一日いちにちが 写真しゃしんを撮とるたび ぜんぶ特別とくべつになった
君きみと覗のぞいた フレームの中なか
空そら飛とぶ魚さかな 路地裏ろじうらのひかり レンズの向むこうで みんな輝かがやいてた

ピクチャー 撮とりためたハードディスク
繋つながずに 積つみ上あげてある
「撮とった瞬間しゅんかんに過去かこになる」って
君きみが言いってたっけなぁ

シオンの花言葉はなことば「君きみを忘わすれない」
きれい 消きえそうで きれい 散ちりそうで
きれい 透明とうめいできれい 君きみがいなくても

あたしわかった 悲かなしみは記念きねんになる
土砂降どしゃぶりの街まち 交差点こうさてんの虹にじ
濡ぬれたまま 交かわしたキスで 時間じかんが止とまった
あれから 魔法まほうが解とけてしまった世界せかい
メモリーの中なかに JPEGの中なかに
閉とじ込こめた時とき あたしやっと泣なけたの

君きみでよかった あの涙なみだは記念きねんになる
名前なまえのない毎日まいにちが このまま流ながれて いつか
思おもい出でになって 街まちの景色けしきは変かわっていくけど
空そら飛とぶ魚さかな 路地裏ろじうらのひかり 君きみが忘わすれてもあたし覚おぼえてるから