残響 歌詞 少女病 ふりがな付

「そのレギオンは、死しの残響ざんきょうでできていた。
すべては魔女まじょアイリーンの掌てのひらの上うえ。
小ちいさな暇潰ひまつぶしのための遊戯ゆうぎでしかない事象じしょう。
残響ざんきょうの余韻よいんは、たった一人ひとりの少女しょうじょだけが担になっていた。
壊こわれモノの少女しょうじょはふらつきながら塔とうの端はしに立たち、
夢見ゆめみるように空そらへと語かたりかける……。
大好だいすきな兄あにに向むけて。素敵すてきな仲間なかまとの出会であいを。
短みじかい時間じかんに深ふかめた友情ゆうじょうを。
それらが全すべて形かたちのない幻想げんそうだったことは、
受うけ入いれないままに……」

深ふかすぎるその絶望ぜつぼうを 受胎じゅたいした少女しょうじょは
吹ふき荒すさぶ緋ひの悪意あくい 全すべて飲のみ干ほした

心こころの壊こわれる音おと 一瞬いっしゅんに散ちる花はな
美うつくしく鮮烈せんれつな その最期さいごの残響ざんきょうに

詩しをのせて 魔女まじょは奏かなでる
埋葬まいそうされた虚飾きょしょくの光ひかり焦こがして

『夢ゆめのような、時ときでした』
真実しんじつの解放かいほうを 流ながれる星ほしの下したでいつか誓ちかい合あった夜よる 明日あしたを信しんじて
死しによって下くだされた 白しろい解放かいほうはその夢ゆめが
悪夢あくむの中なかにあることを告つげて――――

『――――いつか笑わらって、会あえるかな?』
不安ふあんを小ちいさな文字もじで描えがいた
健気けなげにah...兄あに想おもい
問といかけるフランチェスカに 仲間なかまは無言むごんで頷うなずき微笑ほほえんだ

『きっととても驚おどろくね?私わたしにこんな素敵すてきなお友達ともだちができたよ。
短みじかい時間じかんだけれどたくさん話はなしたよ……』

『ねぇ答こたえて?お願ねがいは最後さいごにはいつだって
聞きいてくれていたじゃない。もう我儘わがまま言いわないから』
音おと無なき言葉ことばは 虚空こくうへと消きえてゆく 見みえない何なにかに語かたるように
壊こわれきった瞳ひとみはもう幻想げんそうだけに

焦点しょうてんを合あわせて 虚構きょこうへと
嗚呼ああ戻もどれないほどに ah...深ふかく深ふかく もう沈しずみきっていた――――

「さあ、次つぎはどんな遊あそびをしましょうか」

「これは、最もっとも残虐ざんぎゃくだといわれる魔女まじょの物語ものがたり。
ふふっ……おはなしは、おしまい」