よみ:にんきょうでん・ながれものぎんに
任侠伝・流れ者銀二 歌詞 舞台「MANKAI STAGE『A3!』~AUTUMN 2020~」挿入歌
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「お控ひかえなすって。手前てまえ、姓せいは風間かざま、名なは銀ぎん二じ。
各々おのおの方かた、よろしくお頼たのみ申もうします」
戦後せんごの傷跡きずあと色濃いろこく残のこり 裏切うらぎり渦巻うずまく裏うら社会しゃかい
仁義じんぎの二に文字もじ背中せなかに背負せおい 命タマ張はり生いきる流ながれ者もの
「で、何なにがあったんで?」
「親父おやじが…どこぞの鉄砲てっぽう玉たまに殺ころられた」
「親父おやじさんが!?」
「なぁ風間かざま。俺おれはどうすればいい…。このままじゃ龍田たつた組ぐみは…」
「しっかりしなせぇ。親分おやぶんさんがいなくなった今いま、龍田たつた組ぐみを背負せおって
いけるのは若頭わかがしらのあんたしかいねえ」
「いまだに坊ぼっちゃん扱あつかいされる若頭わかがしらに、そんな器うつわがあるのかね」
「坊ぼう、器うつわがあるかないかじゃねえ。やるかやらないかよ」
「すげえな…一気いっきに客きゃくを引ひきつけちまった」
「左京さきょうにぃ、気合きあい入はいりまくりッス!」
「感心かんしんしてんじゃねえ。集中しゅうちゅうしろ!」
「上等じょうとう、ぶちかましてやるよ!」
「流ながれ者ものなんぞを信用しんようしちゃあいけやせん」
「茂木もてぎィ、客人きゃくじんに失礼しつれいだろ」
「テメエ兄貴あにきを侮辱ぶじょくしてんじゃねえぞ」
「三下さんしたは黙だまってろや! 坊ぼう、組くみのことはこの茂木もぎにお任まかせください」
「茂木もぎさんよ。親分おやぶんさんには世話せわんなった。事ことを荒あらだてたくはねえ。
が、人ひとの舎弟しゃてい足蹴あしげにしておいて黙だまってすますつもりですかい?」
「よそ者ものに下さげてやるほど、俺おれの頭あたまは安やすくねえんだよ」
「親父おやじをやった鉄砲てっぽう玉たまさえ見みつかれば、どこの仕業しわざかわかるんだがな」
「ネズミは意外いがいと近ちかくに潜ひそんでるかもしれやせんぜ」
銀ぎん二じの兄貴あにきとイチの舎弟しゃてい児島こじま様さまに
ケンカ売うるたぁ、命知いのちしらずだな!
「児島こじま、坊ぼうを連つれて逃にげろ」
「けど!」
「こいつらの狙ねらいは坊ぼうだ。
俺おれを誰だれだと思おもってる。行いけ」
あっしらぁ所詮しょせん無頼ぶらいの輩やから だが仁義じんぎに背そむいちゃおしめえよ
命タマまでは取とらねえが ちいと痛いてえ目め見みてもらうぜ?
「てめえらの出自しゅつじは見当けんとうついてる。けしかけたのは…茂木もぎだな?」
「興誠こうせい会かいに吸収きゅうしゅう? 話はなしが違ちげぇぞ!
謙けん坊ぼうを差さし出だせば俺おれを龍田たつた組ぐみの頭かしらにするっつったろ!」
「ああ、あれな。思おもったよりも龍田たつた組ぐみには肉にくが残のこってねえって
わかったからよ。ウチで吸収きゅうしゅうしてやろうと思おもってな。
感謝かんしゃしろよ。骨ほねなんかしゃぶって喜よろこぶのはてめえみたいな野犬やけんくらいな
もんだろ」
「んだとオラァ!」
「横田よこた…裏切うらぎりやがったな」
「裏切うらぎり者ものはお前まえだろ? 龍田たつた組ぐみはお前まえのおかげで終おわりだ」
「悪役あくやくはまりすぎだろ。そっちが地じなんじゃねえの?」
「左京さきょうさんの主演しゅえん舞台ぶたいにケチつけるわけにはいかないからな」
「んじゃ俺おれはあのおっさんが霞かすむくらい暴あばれさせてもらうわ」
「ああ! そうしろ!」
「くそがあああ!」
面子めんつの為ためなら息いき吐はく如ごとく 騙だまし裏切うらぎり悪党あくとうども
恩おんより己おのれの為ために動うごくなら 仁義じんぎに悖もとるはぐれ者もの
「茂木もぎが裏切うらぎってやがったとはな…」
「問題もんだいは茂木もぎがどこの組くみと繋つながってたか。
やつらもそれは口くちを割わらなかった」
「兄貴あにき! 大変たいへんです! 茂木もぎが…!」
「おい! 茂木もぎ? 誰だれにやられた!?」
「…罰ばつがあたっちまった」
「組くみのモン呼よべ。茂木もぎの手当てあてをしてやってくれ!」
「ヘイ」
「坊ぼう…俺おれを助たすけようってのか?」
「当あたりめえだろ! てめえはウチの組員くみいんだろうが!」
「アンタ、やっぱあの人ひとの息子むすこだな…」
「もういい、黙だまってろ」
「親分おやぶんをやったのは興誠こうせい会かいの横田よこただ」
「横田よこた?」
「なんでテメエは坊ぼうに手てを出だした?」
「龍田たつた謙けんを差さし出だせば組くみの名前なまえは残のこしてやるってあいつの口車くちぐるまに
乗のせられて…。坊ぼうをやってでも、この組くみを守まもりたかった」
「茂木もぎ、茂木もぎ!」
「興誠こうせい会かいの横田よこた。人ひとの心こころを利用りようするたあ粋いきじゃねえな」
「風間かざま、もういい。もう終おわりにしよう」
「坊ぼう、何なに言いってんだ!」
「親父おやじがやられて茂木もぎも…。やっぱり俺おれは組長くみちょうの器うつわじゃねえ。
俺おれが横田よこたに下くだりゃ組員くみいん達たちだけでも面倒めんどうみてもらえんじゃねえのか」
「横田よこたは親分おやぶんさんをやった野郎やろうだぞ?」
「情なさけねえって笑わらってくれ。なあ、風間かざま」
「仁義じんぎを欠かいちゃ人ひとの世よは渡わたっていけねえ。…拾ひろってもらったこの命いのち、
仇あだにくれてやるくらいなら」
「ダメだ風間かざま!」
「派手はでに散ちってみせやしょう」
「風間かざま!」
「今日きょうは手加減てかげんできねえ。命タマが惜おしくねえ奴やつだけかかってきなせえ」
「そこまでだ。風間かざま銀二ぎんじ」
「児島こじま…!」
「健気けなげだなあ。てめえの応援おうえんに来きたらしいぞ。クソ弱よええ癖くせになあ」
「兄貴あにき…兄貴あにき、すいやせん…!」
「弟分おとうとぶんを殺ころされたくなかったら武器ぶきを捨すてろ」
「外道げどうが…任侠道にんきょうどうにいながら、サシで戦たたかう気概きがいもねえのかい」
「頭ここで戦たたかうのが、これからのヤクザよ」
「うらああああ!!」
「児島こじま!」
「これで人質ひとじちの価値かちはなくなったなあ」
「てめえ」
「俺おれが兄貴あにきの一いち番ばんの舎弟しゃてい、児島こじま恭太きょうただ。なめんなよ…!」
「ふざけやがって。野郎やろうども、こいつを殺ころせ…!」
「あっしの龍りゅうが毎晩まいばん鳴なくんですよ。
てめえみてぇな外道げどうを見みると、食くい殺ころしてやりてえってな!」
「雄三ゆうぞうさん…あんたにこんな風ふうに、殺陣たてを教おそわるなんてな。
ここがあの時とき眩まぶしくて目めをそらした舞台ぶたいの真まん中なかだ!
幸夫さちおさん…この恩おんは一生いっしょうかかっても返かえします。
あんたがくれたこの仲間なかま達たちと、舞台ぶたいの上うえで!」
「ようやく力尽ちからつきやがったか、風間かざま銀二ぎんじ。やれ!」
「風間かざま!」
「坊ぼう…」
「俺おれも貫つらぬきてえ。あんたに教おそわった…仁義じんぎってやつを」
「どいつもこいつも、なめやがってえ!!」
「横田よこたのダンナ…。仁義じんぎ、通とおさせていただきやした」
「てめえはなんで生いきてんだよ裏切うらぎり野郎やろう」
「オメーに言いわれたくねえよ切腹せっぷく野郎やろう」
「茂木もぎ、その人ひとはウチの組くみの恩人おんじんだ。舐なめた口くち聞きくんじゃねえ」
「へい」
「謙けんさん、兄貴あにきは!?」
「もう行いっちまったよ」
「マジかよ! 追おいかけねえと!」
「風間かざまさんの行いき先さき、わかんのかよ」
「知しらねえ! けど俺おれは決きめてんだ。地獄じごくの果はてまでついてくってな!
兄貴あにき!」
「風間かざまさん、次つぎはどこ行いくんすかね」
「さあな。あいつは流ながれ者もの…一ひとつ所じょにはいられねえ性分しょうぶんなのさ…」
「お控ひかえなすって。手前てまえ、姓せいは風間かざま、名なは銀ぎん二じ。
ご当家とうけ、三さん尺しゃく三さん寸すん借かり受うけまして、稼業かぎょう、仁義じんぎを発はっします!」
各々おのおの方かた、よろしくお頼たのみ申もうします」
戦後せんごの傷跡きずあと色濃いろこく残のこり 裏切うらぎり渦巻うずまく裏うら社会しゃかい
仁義じんぎの二に文字もじ背中せなかに背負せおい 命タマ張はり生いきる流ながれ者もの
「で、何なにがあったんで?」
「親父おやじが…どこぞの鉄砲てっぽう玉たまに殺ころられた」
「親父おやじさんが!?」
「なぁ風間かざま。俺おれはどうすればいい…。このままじゃ龍田たつた組ぐみは…」
「しっかりしなせぇ。親分おやぶんさんがいなくなった今いま、龍田たつた組ぐみを背負せおって
いけるのは若頭わかがしらのあんたしかいねえ」
「いまだに坊ぼっちゃん扱あつかいされる若頭わかがしらに、そんな器うつわがあるのかね」
「坊ぼう、器うつわがあるかないかじゃねえ。やるかやらないかよ」
「すげえな…一気いっきに客きゃくを引ひきつけちまった」
「左京さきょうにぃ、気合きあい入はいりまくりッス!」
「感心かんしんしてんじゃねえ。集中しゅうちゅうしろ!」
「上等じょうとう、ぶちかましてやるよ!」
「流ながれ者ものなんぞを信用しんようしちゃあいけやせん」
「茂木もてぎィ、客人きゃくじんに失礼しつれいだろ」
「テメエ兄貴あにきを侮辱ぶじょくしてんじゃねえぞ」
「三下さんしたは黙だまってろや! 坊ぼう、組くみのことはこの茂木もぎにお任まかせください」
「茂木もぎさんよ。親分おやぶんさんには世話せわんなった。事ことを荒あらだてたくはねえ。
が、人ひとの舎弟しゃてい足蹴あしげにしておいて黙だまってすますつもりですかい?」
「よそ者ものに下さげてやるほど、俺おれの頭あたまは安やすくねえんだよ」
「親父おやじをやった鉄砲てっぽう玉たまさえ見みつかれば、どこの仕業しわざかわかるんだがな」
「ネズミは意外いがいと近ちかくに潜ひそんでるかもしれやせんぜ」
銀ぎん二じの兄貴あにきとイチの舎弟しゃてい児島こじま様さまに
ケンカ売うるたぁ、命知いのちしらずだな!
「児島こじま、坊ぼうを連つれて逃にげろ」
「けど!」
「こいつらの狙ねらいは坊ぼうだ。
俺おれを誰だれだと思おもってる。行いけ」
あっしらぁ所詮しょせん無頼ぶらいの輩やから だが仁義じんぎに背そむいちゃおしめえよ
命タマまでは取とらねえが ちいと痛いてえ目め見みてもらうぜ?
「てめえらの出自しゅつじは見当けんとうついてる。けしかけたのは…茂木もぎだな?」
「興誠こうせい会かいに吸収きゅうしゅう? 話はなしが違ちげぇぞ!
謙けん坊ぼうを差さし出だせば俺おれを龍田たつた組ぐみの頭かしらにするっつったろ!」
「ああ、あれな。思おもったよりも龍田たつた組ぐみには肉にくが残のこってねえって
わかったからよ。ウチで吸収きゅうしゅうしてやろうと思おもってな。
感謝かんしゃしろよ。骨ほねなんかしゃぶって喜よろこぶのはてめえみたいな野犬やけんくらいな
もんだろ」
「んだとオラァ!」
「横田よこた…裏切うらぎりやがったな」
「裏切うらぎり者ものはお前まえだろ? 龍田たつた組ぐみはお前まえのおかげで終おわりだ」
「悪役あくやくはまりすぎだろ。そっちが地じなんじゃねえの?」
「左京さきょうさんの主演しゅえん舞台ぶたいにケチつけるわけにはいかないからな」
「んじゃ俺おれはあのおっさんが霞かすむくらい暴あばれさせてもらうわ」
「ああ! そうしろ!」
「くそがあああ!」
面子めんつの為ためなら息いき吐はく如ごとく 騙だまし裏切うらぎり悪党あくとうども
恩おんより己おのれの為ために動うごくなら 仁義じんぎに悖もとるはぐれ者もの
「茂木もぎが裏切うらぎってやがったとはな…」
「問題もんだいは茂木もぎがどこの組くみと繋つながってたか。
やつらもそれは口くちを割わらなかった」
「兄貴あにき! 大変たいへんです! 茂木もぎが…!」
「おい! 茂木もぎ? 誰だれにやられた!?」
「…罰ばつがあたっちまった」
「組くみのモン呼よべ。茂木もぎの手当てあてをしてやってくれ!」
「ヘイ」
「坊ぼう…俺おれを助たすけようってのか?」
「当あたりめえだろ! てめえはウチの組員くみいんだろうが!」
「アンタ、やっぱあの人ひとの息子むすこだな…」
「もういい、黙だまってろ」
「親分おやぶんをやったのは興誠こうせい会かいの横田よこただ」
「横田よこた?」
「なんでテメエは坊ぼうに手てを出だした?」
「龍田たつた謙けんを差さし出だせば組くみの名前なまえは残のこしてやるってあいつの口車くちぐるまに
乗のせられて…。坊ぼうをやってでも、この組くみを守まもりたかった」
「茂木もぎ、茂木もぎ!」
「興誠こうせい会かいの横田よこた。人ひとの心こころを利用りようするたあ粋いきじゃねえな」
「風間かざま、もういい。もう終おわりにしよう」
「坊ぼう、何なに言いってんだ!」
「親父おやじがやられて茂木もぎも…。やっぱり俺おれは組長くみちょうの器うつわじゃねえ。
俺おれが横田よこたに下くだりゃ組員くみいん達たちだけでも面倒めんどうみてもらえんじゃねえのか」
「横田よこたは親分おやぶんさんをやった野郎やろうだぞ?」
「情なさけねえって笑わらってくれ。なあ、風間かざま」
「仁義じんぎを欠かいちゃ人ひとの世よは渡わたっていけねえ。…拾ひろってもらったこの命いのち、
仇あだにくれてやるくらいなら」
「ダメだ風間かざま!」
「派手はでに散ちってみせやしょう」
「風間かざま!」
「今日きょうは手加減てかげんできねえ。命タマが惜おしくねえ奴やつだけかかってきなせえ」
「そこまでだ。風間かざま銀二ぎんじ」
「児島こじま…!」
「健気けなげだなあ。てめえの応援おうえんに来きたらしいぞ。クソ弱よええ癖くせになあ」
「兄貴あにき…兄貴あにき、すいやせん…!」
「弟分おとうとぶんを殺ころされたくなかったら武器ぶきを捨すてろ」
「外道げどうが…任侠道にんきょうどうにいながら、サシで戦たたかう気概きがいもねえのかい」
「頭ここで戦たたかうのが、これからのヤクザよ」
「うらああああ!!」
「児島こじま!」
「これで人質ひとじちの価値かちはなくなったなあ」
「てめえ」
「俺おれが兄貴あにきの一いち番ばんの舎弟しゃてい、児島こじま恭太きょうただ。なめんなよ…!」
「ふざけやがって。野郎やろうども、こいつを殺ころせ…!」
「あっしの龍りゅうが毎晩まいばん鳴なくんですよ。
てめえみてぇな外道げどうを見みると、食くい殺ころしてやりてえってな!」
「雄三ゆうぞうさん…あんたにこんな風ふうに、殺陣たてを教おそわるなんてな。
ここがあの時とき眩まぶしくて目めをそらした舞台ぶたいの真まん中なかだ!
幸夫さちおさん…この恩おんは一生いっしょうかかっても返かえします。
あんたがくれたこの仲間なかま達たちと、舞台ぶたいの上うえで!」
「ようやく力尽ちからつきやがったか、風間かざま銀二ぎんじ。やれ!」
「風間かざま!」
「坊ぼう…」
「俺おれも貫つらぬきてえ。あんたに教おそわった…仁義じんぎってやつを」
「どいつもこいつも、なめやがってえ!!」
「横田よこたのダンナ…。仁義じんぎ、通とおさせていただきやした」
「てめえはなんで生いきてんだよ裏切うらぎり野郎やろう」
「オメーに言いわれたくねえよ切腹せっぷく野郎やろう」
「茂木もぎ、その人ひとはウチの組くみの恩人おんじんだ。舐なめた口くち聞きくんじゃねえ」
「へい」
「謙けんさん、兄貴あにきは!?」
「もう行いっちまったよ」
「マジかよ! 追おいかけねえと!」
「風間かざまさんの行いき先さき、わかんのかよ」
「知しらねえ! けど俺おれは決きめてんだ。地獄じごくの果はてまでついてくってな!
兄貴あにき!」
「風間かざまさん、次つぎはどこ行いくんすかね」
「さあな。あいつは流ながれ者もの…一ひとつ所じょにはいられねえ性分しょうぶんなのさ…」
「お控ひかえなすって。手前てまえ、姓せいは風間かざま、名なは銀ぎん二じ。
ご当家とうけ、三さん尺しゃく三さん寸すん借かり受うけまして、稼業かぎょう、仁義じんぎを発はっします!」