盲目もうもくの詩人Lunaしじんルーナは静しずかに唇くちびるを開ひらいた…
これより歌うたうは...ある娘むすめが 大切たいせつなモノに辿たどりつく迄までの詩うた
苛酷かこくな旅たびよ 困難こんなんな途みちよ それでも娘むすめは決けっして諦あきめなかった
物語ものがたりは運命うんめいを呪のろうより 苦くるしくとも詩うたい続つづける途みちを選えらぶ
いづれ歴史れきしが全すべてを葬ほうむりさろうとも 今いまは唯ただ...瞳めを閉とじて聴きいておくれ…
愛いとしい人ひとよ アナタは何処どこに
手掛てがかりひとつなく
孤独こどくな旅たびの 道連みちづれの詩うたは
遠とおい空そらへ 霞かすんで消きえた
天堕あまおつる雨あめ 手ての平ひらに
零こぼれ落おちた雫なみだ…
幾いくつもの深ふかい森もりを抜ぬけて 険けわしい山やまを越こえ
町まちから街まちへ 知人ひとから他人ひとへと
想おもい人びとを 尋たずね歩あるいた
天翔あまかける追想ゆめ 星空ほしぞらに
誓ちかった接吻やくそくは…
虚うつろな世界せかいを 夕闇ゆうやみが包つつみ込こむ
帰かえれぬ私わたしは 独ひとり何処どこへ往ゆく
予言書よげんしょが肯定こうていする史実しじつ 争あらそいの歴史れきし
戦禍せんかという名なの爪痕つめあと 大地だいちを灼やき尽つくす焔ほのお
家族かぞく...恋人こいびと...愛あいする者ものの消息しょうそくも知しれず
多おおくの者達ものたちが為なす術すべもなく引ひき裂さかれた時代じだい
娘むすめの旅たびは 道連みちづれとなった詩うたを遡さかのぼるように
とある城しろで牢番ろうばんをしていたと言いう男おとこへ
そして...推測すいそくから確信かくしんへと辿たどりついてしまった
切せつなくも懐なつかしき調しらべ その詩うたを綴つづったのは…
挫くじけそうな私わたしをいつも支ささえてくれたのは
恋人あなたが最期さいごに遺のこしてくれた この名なも無なき詩うたよ
「運命うんめいよ...例たとえお前まえが瞳ひとみから光ひかりを奪うばい去さろうとも
この唇くちびるからは詩うたを奪うばえない…」
辿たどりつく詩うたは 夕闇ゆうやみに陽ひを灯ともし
枯かれてなお花はなは 凛りんと其処そこに咲さく
嗚呼ああ...吹ふき荒あれる悲かなしみの…
嵐あらしが訪おとずれ 全すべて薙なぎ倒たおしても
大切たいせつなモノは 絶たえず此処ここに在ある
君きみよ...大切たいせつなモノに辿たどりつく途みちを見みつけたら もう迷まようことなかれ
例たとえ茨いばらの途みちであろうとも 歌うたをくちずさめばそれもまた楽たのし
詩うたえない人生じんせいになど 意味いみはないのだから…
大切たいせつなモノへと...辿たどりつく場所ばしょへと...
白鴉はくあが目指めざす地平ちへい...あの空そらの向むこうへ…
盲目moumokuのno詩人Lunashijinrûnaはha静shizuかにkani唇kuchibiruをwo開hiraいたita…
これよりkoreyori歌utaうはuha...あるaru娘musumeがga 大切taisetsuなnaモノmonoにni辿tadoりつくritsuku迄madeのno詩uta
苛酷kakokuなna旅tabiよyo 困難konnanなna途michiよyo それでもsoredemo娘musumeはha決kextuしてshite諦akiめなかったmenakatta
物語monogatariはha運命unmeiをwo呪noroうよりuyori 苦kuruしくともshikutomo詩utaいi続tsuduけるkeru途michiをwo選eraぶbu
いづれidure歴史rekishiがga全subeてをtewo葬houmuりさろうともrisaroutomo 今imaはha唯tada...瞳meをwo閉toじてjite聴kiいておくれiteokure…
愛itoしいshii人hitoよyo アナタanataはha何処dokoにni
手掛tegaかりひとつなくkarihitotsunaku
孤独kodokuなna旅tabiのno 道連michiduれのreno詩utaはha
遠tooいi空soraへhe 霞kasuんでnde消kiえたeta
天堕amaoつるtsuru雨ame 手teのno平hiraにni
零koboれre落oちたchita雫namida…
幾ikuつものtsumono深fukaいi森moriをwo抜nuけてkete 険kewaしいshii山yamaをwo越koえe
町machiからkara街machiへhe 知人hitoからkara他人hitoへとheto
想omoいi人bitoをwo 尋tazuねne歩aruいたita
天翔amakaけるkeru追想yume 星空hoshizoraにni
誓chikaったtta接吻yakusokuはha…
虚utsuろなrona世界sekaiをwo 夕闇yuuyamiがga包tsutsuみmi込koむmu
帰kaeれぬrenu私watashiはha 独hitoりri何処dokoへhe往yuくku
予言書yogensyoがga肯定kouteiするsuru史実shijitsu 争arasoいのino歴史rekishi
戦禍senkaというtoiu名naのno爪痕tsumeato 大地daichiをwo灼yaきki尽tsuくすkusu焔honoo
家族kazoku...恋人koibito...愛aiするsuru者monoのno消息syousokuもmo知shiれずrezu
多ooくのkuno者達monotachiがga為naすsu術subeもなくmonaku引hiきki裂saかれたkareta時代jidai
娘musumeのno旅tabiはha 道連michiduれとなったretonatta詩utaをwo遡sakanoboるようにruyouni
とあるtoaru城shiroでde牢番roubanをしていたとwoshiteitato言iうu男otokoへhe
そしてsoshite...推測suisokuからkara確信kakushinへとheto辿tadoりついてしまったritsuiteshimatta
切setsuなくもnakumo懐natsuかしきkashiki調shiraべbe そのsono詩utaをwo綴tsuduったのはttanoha…
挫kujiけそうなkesouna私watashiをいつもwoitsumo支sasaえてくれたのはetekuretanoha
恋人anataがga最期saigoにni遺nokoしてくれたshitekureta このkono名naもmo無naきki詩utaよyo
「運命unmeiよyo...例tatoえおeo前maeがga瞳hitomiからkara光hikariをwo奪ubaいi去saろうともroutomo
このkono唇kuchibiruからはkaraha詩utaをwo奪ubaえないenai…」
辿tadoりつくritsuku詩utaはha 夕闇yuuyamiにni陽hiをwo灯tomoしshi
枯kaれてなおretenao花hanaはha 凛rinとto其処sokoにni咲saくku
嗚呼aa...吹fuきki荒aれるreru悲kanaしみのshimino…
嵐arashiがga訪otozuれre 全subeてte薙naぎgi倒taoしてもshitemo
大切taisetsuなnaモノmonoはha 絶taえずezu此処kokoにni在aるru
君kimiよyo...大切taisetsuなnaモノmonoにni辿tadoりつくritsuku途michiをwo見miつけたらtsuketara もうmou迷mayoうことなかれukotonakare
例tatoえe茨ibaraのno途michiであろうともdearoutomo 歌utaをくちずさめばそれもまたwokuchizusamebasoremomata楽tanoしshi
詩utaえないenai人生jinseiになどninado 意味imiはないのだからhanainodakara…
大切taisetsuなnaモノmonoへとheto...辿tadoりつくritsuku場所basyoへとheto...
白鴉hakuaがga目指mezaすsu地平chihei...あのano空soraのno向muこうへkouhe…