さア、斯この渺びょうたる妾めかけの終生しゅうせいを御覧ごらんあれ‥
水面すいめんを揺ゆらす夜光やこう蝶ちょう
燦あきらに身体からだを裂さいて
流ながれる血液けつえきを拭しきつて
不確ふたしかな暮くらしを貪むさぼりつた
右みぎ掌てのひらに髪飾かみかざり 洒落しゃらくな街まちに出でよう
我儘わがままも望蜀ぼうしょくも月花げっか 陶酔とうすい/\して
ひとりぢや満みたせ無ない
覺さとるさめて渇かわいてゐる心中しんじゅう触ふれて頂戴ちょうだいれ
さア、手てを取とり何なに處ところかへと
貴方あなたが為ために間違まちがいふ
秘匿ひとくした素性すじょうは明あかせないでゐる
水銀すいぎん燈とうが揺ゆれてゐる路地裏ろじうらを抜ぬけたら
奔はしる感傷かんしょうも散ちらさじ乙女おとめ哉かな
死体したいに群むらがる通俗つうぞく人にん等ら
逃にげ場ばを亡な一味いちみ
「些末さまつない噺はなしをするな」
其それから世間せけんは醒さめない破は朽くたみへと
幸福こうふくな騙だまし絵えに皆みなが執心しゅうしん/\で
何時なんじでも口任くちまかせ
嘘うそに遑いとまあらず、御覧ごらん入いれませう
さア‥
さア、手てを替かえ、品しなを替かえ
假かり初はつの嘘うそを吐はく
仕合しあいはせも不幸ふこうも何なにもかも頂戴ちょうだいれ
世界せかい中じゅうの誰だれ人ひとをも殺ころしたい妾めかけも
貴方あなたを救すくいひたい妾めかけも、妾めかけなの
さsaアa、斯koのno渺byouたるtaru妾mekakeのno終生syuuseiをwo御覧goranあれare‥
水面suimenをwo揺yuらすrasu夜光yakou蝶chou
燦akiraにni身体karadaをwo裂saいてite
流nagaれるreru血液ketsuekiをwo拭shikiつてtsute
不確futashiかなkana暮kuらしをrashiwo貪musaboriつたtsuta
右migi掌tenohiraにni髪飾kamikazari 洒落syarakuなna街machiにni出deようyou
我儘wagamamaもmo望蜀bousyokuもmo月花gekka 陶酔tousui/\してshite
ひとりぢやhitorijiya満miたせtase無naいi
覺satoruさめてsamete渇kawaいてゐるitewyiru心中shinjuu触fuれてrete頂戴choudaiれre
さsaアa、手teをwo取toりri何nani處tokoroかへとkaheto
貴方anataがga為tameにni間違machigaiふfu
秘匿hitokuしたshita素性sujouはha明aかせないでゐるkasenaidewyiru
水銀suigin燈touがga揺yuれてゐるretewyiru路地裏rojiuraをwo抜nuけたらketara
奔hashiるru感傷kansyouもmo散chiらさじrasaji乙女otome哉kana
死体shitaiにni群muraがるgaru通俗tsuuzoku人nin等ra
逃niげge場baをwo亡na一味ichimi
「些末samatsuないnai噺hanashiをするなwosuruna」
其soreからkara世間sekenはha醒saめないmenai破ha朽kutamiへとheto
幸福koufukuなna騙damaしshi絵eにni皆minaがga執心syuushin/\でde
何時nanjiでもdemo口任kuchimakaせse
嘘usoにni遑itomaあらずarazu、御覧goran入iれませうremaseu
さsaアa‥
さsaアa、手teをwo替kaえe、品shinaをwo替kaえe
假kari初hatsuのno嘘usoをwo吐haくku
仕合shiaiはせもhasemo不幸fukouもmo何naniもかもmokamo頂戴choudaiれre
世界sekai中juuのno誰dare人hitoをもwomo殺koroしたいshitai妾mekakeもmo
貴方anataをwo救sukuiひたいhitai妾mekakeもmo、妾mekakeなのnano