海面みなもを渡わたる風かぜの行方ゆくえに 遥はるかな時ときの想おもいを馳はせては
ふと瞬またたく漁火いさりびに帰きする 回顧かいこの念ねんをなぞる
廻めぐり廻めぐるは唯ただの歳月としつき 明あけぬ現うつつと千せんの夜よる数かぞえ
けぶり翳かげる不知火しらぬいは虚うつろ 当あて所どころもなく漂ただよう
手てにしたものは 酷こくな運命うんめいだけではない
深ふかく優やさしく柔やわらかな 温ぬくもりがここにあるのだから
母ははなる浦うら浪うらなみ 八重やえの満みち引ひきに 祀まつる日輪にちりんの如ごとく
嘆なげきも憂うれいも力ちからと定さだめて 浮世うきよをいざ護まもらせたもう
藍色あいいろ滲にじむ孤独こどくの花はなは 誰たが為ために咲さき 朽くちゆくのだろう
その傍かたわら寄より添そい合あいながら 芽吹めぶく新あらたな生命いのち
人ひとの縁えにしは 泡沫うたかたなれども愛いとおしや
永久とわにも勝まさる一瞬いっしゅんの 出逢であいという眩まばゆき光ひかりよ
臆おくすることなぞ何一なにひとつとない 絶望ぜつぼうごと薙なぎ払はらいて
大切たいせつな存在そんざい 笑えみを絶たやさぬよう 美うつくしい海うみを拓ひらこうぞ
もし如何いかなるような 凄絶せいぜつな戦いくさとしても
この身みが在あるがままに参まいろう 龍宮りゅうぐうの恵めぐみを賜たまわり
「火ほ遠お理りには私わたしのせいで苦労くろうばかりかけてしまっていますね…」
「儂わしはオトといる時ときが楽たのしい。それで良よいではないか」
「…ええ、私わたしもあなたといられることが幸しあわせです」
「ならばゆこうぞ。二人ふたりならば何者なにものにも負まけはせん!」
「はい!任まかせてください!」
母ははなる浦浪うらなみ 八重やえの満みち引ひきに 祀まつる日輪にちりんの如ごとく
嘆なげきも憂うれいも力ちからと定さだめて 浮世うきよをいざ護まもらせたもう
臆おくすることなぞ何一なにひとつとない 幾度いくど悪あくが蘇よみがえるとも
大切たいせつな存在そんざい 笑えみを絶たやさぬよう 美うつくしい海うみを拓ひらこうぞ
穢けがれなき尊とうとき碧あおさよ
海面minamoをwo渡wataるru風kazeのno行方yukueにni 遥haruかなkana時tokiのno想omoいをiwo馳haせてはseteha
ふとfuto瞬matataくku漁火isaribiにni帰kiするsuru 回顧kaikoのno念nenをなぞるwonazoru
廻meguりri廻meguるはruha唯tadaのno歳月toshitsuki 明aけぬkenu現utsutsuとto千senのno夜yoru数kazoえe
けぶりkeburi翳kageるru不知火shiranuiはha虚utsuろro 当aてte所dokoroもなくmonaku漂tadayoうu
手teにしたものはnishitamonoha 酷kokuなna運命unmeiだけではないdakedehanai
深fukaくku優yasaしくshiku柔yawaらかなrakana 温nukuもりがここにあるのだからmorigakokoniarunodakara
母hahaなるnaru浦ura浪uranami 八重yaeのno満miちchi引hiきにkini 祀matsuるru日輪nichirinのno如gotoくku
嘆nageきもkimo憂ureいもimo力chikaraとto定sadaめてmete 浮世ukiyoをいざwoiza護mamoらせたもうrasetamou
藍色aiiro滲nijiむmu孤独kodokuのno花hanaはha 誰taがga為tameにni咲saきki 朽kuちゆくのだろうchiyukunodarou
そのsono傍katawaらra寄yoりri添soいi合aいながらinagara 芽吹mebuくku新araたなtana生命inochi
人hitoのno縁enishiはha 泡沫utakataなれどもnaredomo愛itoおしやoshiya
永久towaにもnimo勝masaるru一瞬issyunのno 出逢deaいというitoiu眩mabayuきki光hikariよyo
臆okuすることなぞsurukotonazo何一nanihitoつとないtsutonai 絶望zetsubouごとgoto薙naぎgi払haraいてite
大切taisetsuなna存在sonzai 笑eみをmiwo絶taやさぬようyasanuyou 美utsukuしいshii海umiをwo拓hiraこうぞkouzo
もしmoshi如何ikaなるようなnaruyouna 凄絶seizetsuなna戦ikusaとしてもtoshitemo
このkono身miがga在aるがままにrugamamani参maiろうrou 龍宮ryuuguuのno恵meguみをmiwo賜tamawaりri
「火ho遠o理riにはniha私watashiのせいでnoseide苦労kurouばかりかけてしまっていますねbakarikaketeshimatteimasune…」
「儂washiはhaオトotoといるtoiru時tokiがga楽tanoしいshii。それでsorede良yoいではないかidehanaika」
「…ええee、私watashiもあなたといられることがmoanatatoirarerukotoga幸shiawaせですsedesu」
「ならばゆこうぞnarabayukouzo。二人futariならばnaraba何者nanimonoにもnimo負maけはせんkehasen!」
「はいhai!任makaせてくださいsetekudasai!」
母hahaなるnaru浦浪uranami 八重yaeのno満miちchi引hiきにkini 祀matsuるru日輪nichirinのno如gotoくku
嘆nageきもkimo憂ureいもimo力chikaraとto定sadaめてmete 浮世ukiyoをいざwoiza護mamoらせたもうrasetamou
臆okuすることなぞsurukotonazo何一nanihitoつとないtsutonai 幾度ikudo悪akuがga蘇yomigaeるともrutomo
大切taisetsuなna存在sonzai 笑eみをmiwo絶taやさぬようyasanuyou 美utsukuしいshii海umiをwo拓hiraこうぞkouzo
穢kegaれなきrenaki尊toutoきki碧aoさよsayo