この日、最新シングル『春時雨』の発売と単独巡業を発表。千秋楽公演は、ふたたび中野サンプラザの地へ…。
2017年12月27日-28日、Zepp Tokyoを舞台に二日間に渡り行った己龍単独巡業「陰陽朧華」の千秋楽公演。初日を「〜千秋楽〜"朧月夜"」、二日目を「千秋楽〜"情ノ華"」と題し、最新シングル『情ノ華/朧月夜』に描いた世界観を二つの面から表現。「朧月夜」公演では、『愛怨忌焔』『朱花艶閃』『十三夜』『鬼祭』『鎮具破具』『心中歌』『朧月夜』など己龍が持つ「陰=激しく暗鬱」な表情を持った楽曲を中心に。「情ノ華」公演では, 『月下美人』『彩』『花魁譚』『天照』『情ノ華』など「陽=明るく開放的な歌物」曲たちを軸に構成。衣装も含め、あえて己龍の持つ音楽性を両極へ際立たせる形で提示した。
初日の「朧月夜」公演では、暴れるに相応しい激しい表情を立て続けに演奏。終始、場内に騒ぎ祭る光景を描き出していた。二日目の「情ノ華」公演では、華やか/艶やかな楽曲を軸に据えながらも、そこには己龍らしい気持ちを激しく揺さぶる楽曲も多く織りまぜ、初日と同じよう熱狂に酔う内容を作りあげていった。己龍にとっての「陰と陽」二つの表情は、あくまでも表層的な違いを示す手段でしかない。何故なら、彼らはつねに同じ想いを曲調や言葉の表現を変えて示しているのだから。
二日目のアンコールで己龍は、『空蝉』『暁歌水月』『アナザーサイド』『叫声』を立て続けに演奏。この4曲に共通しているのは、「自分がここにいるべき意味」。つねに己龍は、触れた人たちに「生きる意味」を問いかけてゆく。いや、彼らはこのひと言を伝えたくて活動を続けている。それが「生きろ」ということ。
己龍は10年間伝え続けてきた「生きろ」という想いを、10周年を締め括る最期の公演となった二日間を通し、二つの視点に分けながら改めて伝えてきた。激しく騒ぎ狂うのも、歌に心を踊らせるのも、己龍のライブに足を運び火照った笑顔で岐路に着くのも、すべては明日(未来)へ繋がるため。心に悩みを抱え、音楽にすがる人たちのために、何時だって己龍は「生きてれば、また一緒にこの楽しいひとときを味わえるんだから」と誘いをかけてくる。そんなファンたちとの強い絆を、改めて感じさせられた二日間だった。
この日の公演で、己龍は新しい報告を二つ届けてくれた。一つが、3月7日(水)に18枚目となるシングル『春時雨』を4-TYPEリリースすること。あえて「陰陽」で語るなら、今回は「陽」な面を強く押し出している。とはいえ、タイトルから想像するに、どこか切なさを抱いた歌になりそうな予感もしている。そこは、完成を待つとしよう。
二つ目が、己龍単独巡業「磑風舂雨」(がいふうしょうう)公演の開催。3月にイベントツアー「均整を乱す抗うは四拍子」へ参加することから単独公演の本数は抑え目になっているが、イベントツアーから単独巡業へと繋がってゆく流れの中、どんな風に新曲たちが成長していくのかへ視線を注いでいただきたい。
今回の単独巡業の千秋楽公演を、4月28日(土)に中野サンプラザで行うことも発表。昨年夏の日本武道館以来のホールライブとなるように、どんな演出を持って内容が形作られてゆくかも楽しみだ。
他にも、己龍単独巡業「磑風舂雨」公演の中、4月08日(日)に名古屋DIAMOND HALLで行われるライブは、己龍にとって通算500回目の単独公演となる。スペシャルな夜に、どんな演目で届けてくれるのかも期待したい。
これからも己龍は、自分たちの命続く限り止まることなく活動を続けてゆく。だからこそ君たちも、己龍と一緒にこれからも「生きて」くれ。