コドモドラゴン 11th Oneman Tour「Dirtful World.」、1月13日(土)にZepp Diver Cityでファイナル公演
2018年に入り、世の中を賑わせた一つのハプニング。華那の失踪により心に大きな痛手を負った4人は、Zepp Diver City Tokyoの舞台に、その足でしっかりと立っていた。シングル『DIRTYxDIRTY』を手に、昨年11月よりスタートしたコドモドラゴン11th Oneman Tour「Dirtful World.」。そのツアーファイナル公演が、1月13日(土)にZepp Diver Cityで行われた。
吹き上がる無数の火花へ導かれるように舞台へ姿を現した4人。重厚なSEへ折り重なるように、最新シングル『DIRTYxDIRTY』が飛びだした。「このまますべてを受け入れたなら」と歌うハヤト。会場を埋めつくした仲間たちへ牙を剥き出しにメンバーたちが挑めば、4人に負けじと、ファンたちも絶叫をぶつけてゆく。冒頭から、コドモドラゴンのライブはヤバい熱気と興奮を孕んでいた。
駆けだした勢いを加速するようにぶつけた『WOLFMAN』。フリーキーな『Can't stop MAD teens.』の演奏に触発され、頭振り乱し騒ぐ観客たち。序盤から、場内は早くもクライマックス状態だ。
「俺たちがコドモドラゴンだ!!」と、自信みなぎる言葉で叫ぶハヤト。「おしゃれシティ、Zepp Diver Cityで一緒に暴れ狂おうな。きっちり暴れ倒そうぜ!!」、ハヤトの煽りに続いて飛びだした『この世界は終わりだ。』。「この世界は終りだ」と歌い、この場に日常を忘れた風景を描き出せば、『自絞首』を通し、彼らは観客たちの身体を大きく折り畳んでゆく。「俺たちと一緒にお化け退治に行かないか。一番怖ぇのは、目にも見えねぇでっちあげで人をぶっ壊すことだ」、挑戦的なハヤトの言葉を音に変換するよう、攻撃的な演奏で観客たちと暴れ続けた『Sixth SenSe』。
気持ちが昂るたびに、演奏が重さと速度を上げてゆく。『救われない世界』を用い痛い感情を吐き出せば、ゆめの破壊的なギター音から始まった『ネジレ』では、嘆く心の叫びを4人は歪む重厚な演奏に投影。轟く音に触発され、弱い感情を勢い良く解き放った『君と嘘と赤い部屋』。彼らは重い演奏を通し、心の奥に抱えた痛い心模様を身体の外へと引きずり出してゆく。
「俺たちの歌が聞こえてるか!!」。フロアー中から飛び交う絶叫をガソリンに、コドモドラゴンは感情を高揚させる『アリア』を突き付けた。爆走する演奏、サビでは、胸くすぐる歌に興奮を覚えずにいれなかった。「踊ろうぜ!!」、サイコフリーキーなダンスロックナンバー『naked』の演奏へ触発され、大きく手を振り、身体を揺らす観客たち。互いに感情を剥き出しに騒ぐ様が、なんて享楽的だったことか。
「お利口さんなら頭でこいや!!」。「アイツガニクイ」と叫びながら、会場中をノイジックな黒い音で熱狂に染め上げた『修羅』。暴れ騒ぎたい観客たちの感情へ、狂喜へ導く毒々しい音を注入。フロアー中に飛び跳ね騒ぐ光景を『heroin(e)』が描きだす。つねに裸の感情を叩きつけるコドモドラゴン、だからこそ誰もが、同じく感情を裸に、4人と全力で熱い戦いを繰り広げていた。
「お前らの大きな声が加わることで、俺らの楽曲は完成していく。わかるよな!!」。『無脳bot』が飛びだすと同時に、満員の観客たちが右へ左へ激しくモッシュ。「覚悟はいいかい」の歌へ呼応するよう、会場を震撼する勢いで暴れ狂うファンたち。「やったもん勝ち」、まさに、その通りの心境だ。
腹の底から声を張り上げ、暴れ狂い、観客たちがフロアー中へカラフルな熱狂の花を咲かせた『ISOLATION』。「俺らがなんで苦しいことがあってもここに立ちたいと思うかって、伝えたい想いがあるからなんだ。何かへ向かって進むとき、意味の無いことなんて一個もあってはいけないんだよ。もしも迷ったら俺らの音楽に続いてこい、後ろに答えはねぇ、正面からぶつかってこいよ!!」、ハヤトの声に続いて流れた、ラウドでカラフルなダンスロック曲『廃SOCIETY』。楽しい衝動へ突き動かされ、誰もが極彩色な演奏に溺れ狂ってゆく。「道に迷ったときは、絶対に自分の大好きなものを疑うな」、最後は『halo.』を演奏。Zepp Diver City Tokyoを騒ぎ祭る宴の場に染め上げていった。
メンバーコメント
「今回のツアーは、すごくいい状態で廻れました。ファイナルもみんなが笑顔で、僕らもすごく楽しいです。僕らが出来ることを全力で返しながら、一つずつ、少しずつ歩みながら進んでいくので、これからもよろしくお願いします」(チャム)「あっと言う間のツアーでした。今回は最初から一体感がすごくて、とても力を増してきたツアーだったなと思います。今日も最初からみんなの声がすごくて、不安も吹き飛んで楽しいライブになっています。今をちゃんと大事に生きてください。残りも全力で、思い残すことなくイケますか?イケイケイケイケイケますかー!!」(meN-meN)
「ツアーが始まった頃から1日1日を全力で過ごしていたら年が明けて、ファイナルを迎えてたという気持ちなんですけど。4人変わらず、気合いを入れて突き進んでいきます。1日1日、目の前に向かって全力で進んでいくし、全力を出していくので、みなさんも楽しんでもらえたらと思います」(ゆめ)
「人数が多いと、それだけで熱くなれるな。仲間がいることのありがたさを痛感するツアーでございます。自分たちが用意した武器になる楽曲が、ライブでどういった姿になっていくのか気になってたけど、お前らの協調性といったら最高だよな。これから先も自分たちの音楽を大切にしていきたいし、また、今日を越えるために俺らは全力で突き進んでいきます。これからも一緒に俺らの求めるものを求めていこうじゃないか」(ハヤト)
「俺たちとこの一個一個の出会いを大切にしていこうな、残された時間一緒に大暴れしていこうなー!!」。ハヤトの煽りを体現するように観客たちが頭を振り出した。『戯楼コンチネンタルジャパニーズファッカー』から始まったアンコールのステージ。「すべての煩悩を振り払え」、フリーキーで破壊的な演奏に熱狂をぶつけた『水槽』。「音楽は誰も傷つけたりなんかしねぇよ、音楽は人の心を救ってゆく。世の中の知らない奴らが何を言っても関係ねぇ。俺は大切な仲間が笑ってくれてたらそれでいい。そういうことに命を賭けて俺らはぶつかってきたんだよ。お前の拳を全部受け止めてやる、すべての感情をよこせ!!」。最後は、いろんな局面でコドモドラゴンの運命を未来へ導いてきた『RIGHT EVIL』だ。メンバーも観客たちも、気持ちを一つに拳を振り上げ、歌声を、叫ぶ声を張り上げていた。
そして、新しい未来を提示。
この日のライブを通し、コドモドラゴンは新しい二つのニュースを提示した。一つ目が、3月14日(水)に通算13枚目となるシングル『脳壊ス。』の発売。どんな楽曲になるのか、内容がとても気になるところだ。二つ目が、『脳壊ス。』を手にした通算12回目となる全国ツアー『コドモドラゴン 12th Oneman Tour「脳壊スツアー。」』の発表だ。今回は全15公演と短いとはいえ、日程をギュッと凝縮。きっと、,破壊力満載なライブを今回も突きつけてゆくだろう。今回のツアーファイナル公演の地は、5月3日(木・祝)Zepp DiverCity。前回のFINALよりもさらに熱狂的なLIVEを彼らなら見せつけてくれるに違いない。
今のコドモドラゴンの魅力に少しでも興味を持ったのなら、まずは彼らに触れて欲しい。そのうえで、あなたなりの答えを導き出せばいい。あなたの脳が、どんな風に壊れるのか…楽しみだ。
今は信じて待ってみようと思ってる。
最後に、彼らは「俺らはまだ華那のことを待ってるんだよ。まだ連絡も取れてないし、居場所すらわからない。大切な仲間だと俺らは思ってる。だからこそ今は信じて待ってみようと思ってる。何時まで待ってるなんて無責任な綺麗事は言えないけど、今は、まだ俺たちは待ちたいと思ってる。まだ、華那のことを待たせてください」と語っていた。彼らがコドモドラゴンという場所を大切な仲間たちと一緒に守り続けたいと願っている以上、僕らも、その言葉を今は共に信じていこうじゃないか。TEXT:長澤智典