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POLYSICS、結成20周年記念TOUR “That's Fantastic!” ~Hello! We are New POLYSICS!!!!~ 東京LIQUIDROOM公演 オフィシャル・ライブレポート


POLYSICS 2018年3月2日(金) 東京LIQUIDROOM公演 オフィシャル・ライブレポート

年明けから始まった全22箇所の全国ツアー。ナカムラリョウ(ギター&シンセサイザー)が入った新体制お披露目ツアーであり、あとは毎回セットリストにテーマを掲げ、時にはヘンテコなキャラ設定で爆笑を生むツアーでもあったけれど、結局これは最新アルバム『That’s Fantastic!』のリリース・ツアーなのだと改めて感じるファイナルだった。テーマはWe are New POLYSICS!!!!。当然、ニューアルバム収録曲がメインである。

オープニングSE兼一曲目となる「That’s Fantastic!」では、ヤノ、フミ、ナカムラがまず演奏を始め、歌の入るタイミングでハンドマイクのハヤシが登場。音のことはメンバーに任せきり、自ら率先してフロアを煽っていく「いかもフロントマン」なスタイルが、このツアーですっかり定着している。ナカムラにも緊張の様子はなく、ヤノとフミの牽引力に自然と歩調を合わせている。もっとも「自然」というには、凄まじい音量と下腹をえぐってくる音圧がハンパないのだけど、この爆音の快感こそポリシックスだ。


 
 アルバムの曲順どおりに進む3曲目の「Cock-A-Doodle-Doo」。ニワトリの謎について歌うナンセンスな曲で、タイトルを連呼しながらクチバシの形にした両手を千手観音のごとくに動かしているハヤシに笑ってしまったが、ふと気づいたのは、この曲は速い、ということだった。

そもそもポリの曲は「性急・ハイテンション・姦しい」の条件が揃ってナンボみたいなところがあるが、新曲群はその第一条件からあっさり解放されている。もうトシだから高速ビートが無理みたいな話では全然なくて、性急であらねばならない、の思い込みから自由になっている感じだ。ゆったり踊れるファンキー&キュートな「ルンバルンバ」、音数を下げることで空間を意識させ、同時にヤノやフミの存在がより際立って聴こえる「Pretty UMA」「Shut Up Baby」なども然り。3人から4人になることで、どれだけ余裕が生まれ自由が増えるのか。そんなことを改めて感じさせる。もちろん、どの曲も「ハイテンション・姦しい・ポリらしい」という条件からはまったく外れてはいない。

 そういう新曲たちに挟まれて披露された「MEGA OVER DRIVE」には、旧体制との違いが如実に感じられた。シンセサイザーがメイン、以前はギターレスで完成していた凶暴なダンスミュージックなのだが、ここにナカムラのギターが加わることでハードコアな迫力が倍増。凄まじい破壊力に全身の血が沸騰する。当初からハードな曲ではあったけれど、ここまでブチ上がる曲だったか? と怯んでしまうほどだ。



 後半のMCで今回のツアーに触れ、たとえば仙台ではマシンのトラブルで20分くらい演奏ができなかった、その間フミがひたすらトークで繋いだ、などのエピソードを明かすハヤシ。「テクノバンドだからね」と語りつつ、「なきゃないで、何とかするけど」と笑うところにライブバンドの矜持を見る。シーケンスのピコピコ音がなければポリの魅力は半減するだろうが、それがなくても十分に観客を圧倒できるテクニックがありプライドもある。バラードはもちろん、箸休めになるような遊びの曲は皆無。とにかくハイテンションで姦しく、意味不明ながら爆笑できる面白さの詰まった曲ばかり。それを20年というのは正気の沙汰ではないが、まさに正気の本気でやり続けてきたのがハヤシヒロユキなのだ。そこにフミが、次にヤノが巻き込まれ、今ではナカムラもがっちり加わった。そういう歴史が、まったく感動とは無縁の爆音になっているのが最高だ。



 後半は鉄板ナンバーのオンパレード。モッシュピットとクラウドサーファーが勃発した「SUN ELECTRIC」や、代表曲と言いたいほどの盛り上がりを見せる「シーラカンス イズ アンドロイド」。名曲「Buggie Technica」に、4人全員が両腕をクロスするポーズから始まるラストの「URGE ON!!」など。メンバーの温度にまったくズレはない。ギターソロでガンガン前に出ていくかと思えば、シンセの前で暴れまくっているナカムラを見ながら、「今から4人になるって? マジで?」と驚いていた昨年10月が嘘みたいだなぁと考えていた。

昨年の3月4日からスタートした20周年アニバーサリー・イヤー。祝福すべき一年が終わってしまうことを惜しむ様子もなく、「3月6日の12時には21周年目になる」、そして「新体制になって、まためちゃくちゃ新しい曲が書きたくなってる」と、未来について頼もしい展望を語ったハヤシ。そうこなくっちゃ。これからも楽しませてくれよ。そんな笑顔が汗まみれのリキッドルームには溢れ返っていたのだった。



SET LIST

1. That's Fantastic!
2. Crazy My Bone
3. Cock-A-Doodle-Doo
4. ルンバルンバ
5. Sea Foo

6. Tune Up!
7. Pretty UMA
8. Beat Flash
9. MEGA OVER DRIVE
10. How are you?

11. Digital Coffee
12. Boy's Head
13. 発見動物探検隊
14. United
15. Shut Up Baby

16. You Talk Too Much
17. SUN ELECTRIC
18. MAD MAC
19. シーラカンス イズ アンドロイド
20. Shout Aloud!
21. Hot Stuff
22. Buggie Technica
23. URGE ON!!

EN1 PLUS CHICKER
EN2 Modern
EN3 カジャカジャグー

Text: 石井恵梨子
カメラマンクレジット:緒車寿一

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