WEAVER 河邉徹さん作家デビュー作『夢工場ラムレス』それぞれの物語が独創的なタッチで描き出される
さまざまなドラマ、アニメ、映画で主題歌を担当し、CMへの楽曲提供もこなすなど、多方面で大活躍中の3ピースピアノバンド、WEAVER。同バンドのドラマーであり、作詞も担当している河邉徹さんが、自身にとって初となる長編小説を執筆。その出版記念イベントが5月26日(土)、HMV & BOOKS SHIBUYAにて開催された。河邉さんの作家デビュー作『夢工場ラムレス』は、自身が夢であると自覚しながら見る夢“明晰夢”がテーマ。明晰夢を何度も見るうちに、夢の中にある“夢工場の扉”へとたどり着いた4人の主人公と、すべての夢をつかさどる「夢工場ラムレス」の管理人、それぞれの物語が独創的なタッチで描き出される。記者会見で執筆のきっかけについて聞かれた河邉は、「高校時代から、いろんな歌詞を手がけてきましたが、歌詞って、頭の中で描いたストーリーを100とするなら、そこからいいところだけを厳選して形にしたものだと思っていて。でも、そこで抜き取らずに、ストーリーそのものをもっと膨らませていったら、どんな物語になるんだろう?そうして、ひとつの作品にまとめられたら、歌詞とは異なる物語性を出せるんじゃないか?という思いから、小説を書き始めました」とコメント。
また『夢工場ラムレス』を通して読者に伝えたいことは?という質問に対しては、「僕自身、『ハリー・ポッター』シリーズが大好きで、子どものころは、ホグワーツ魔法魔術学校は本当にあって、僕もいつか、ハリーのように魔法が使えるようになると信じていたんです。あのとき、僕が感じたワクワク感や、想像することの楽しさを、読者の皆さんにも体験していただけたら…という思いで、本書を手がけました。あと、そうしたファンタジー要素に加え、書いていくうちに、リアルな人間描写も描きたくなって。自分自身が経験したことや、これまでにお会いした、いろんな方たちからお聞きした話も、物語の中に盛り込んであります。どなたが読まれても、登場人物の中にはきっと、共感できるキャラクターがいるんじゃないかな」と話した。河邉さんは、今後も執筆活動を意欲的に取り組みたいと考えているそうで、「音楽活動と小説の執筆は、どちらも“物語を描く”という共通点があり、親和性が高いんです。
執筆を通して得た経験は、WEAVERの活動にも活かせると思うので、今後も同時進行で展開していきたいと考えています」とコメントした。さらに次回作についても構想はあるそうで、「まだお話はできませんが、描いてみたい物語はすでに考えています。次回作は、WEAVERの音楽活動といっしょに盛り上げていきたいですね。小説からスタートして、それが映画になって、主題歌も自分たちで担当して…。もし、そのような展開ができたら、きっと楽しいでしょうね」と、今後の展望についても語ってくれた。
最後にあらためて一言求められた河邉さんは、「今回、このような形で小説を書かせていただき、これまでの音楽活動では踏み入ることのなかった、新しい世界を知ることができました。僕自身に新しい出会いがあっただけでなく、WEAVERをご存じでなかった方たちにも、小説を通して、僕たちの音楽を知っていただいたり。こうした挑戦を通して、ひとりでも多くの方に、何かを感じ取っていただけたら幸いです」と話し、会場を沸かせた。記者会見終了後の会場では「夢工場ラムレス」購入者を対象としたサイン&握手会も実施。長蛇の列ができるほど、大勢のファンが駆けつけ、こちらも大盛り上がりとなった。