高見沢俊彦、『音叉』は、バンドとしてプロデビューをめざす若者の恋と葛藤をえがいた青春小説
結成45周年を迎えたTHE ALFEEのリーダー高見沢俊彦が(執筆名は髙見澤俊彦)の初の小説『音叉(おんさ)』のサイン会を都内で開催した。書籍購入者のなかから抽選で選ばれた約200名が列をなし、髙見澤がひとりひとりの読者の名前とサインを入れた。
サインを受け取る読者の中には、ミュージシャンとしてのサインとは違うサインに感動したりするファンや、この小説からファンになり≪THE ALFEE≫は勉強中ですというファンもいた。
また、メディア取材でタイトルの意味について、「音叉というのはチューニングに欠かせない物なんですが、今は使う人も少ないないですよね。『音叉』というタイトルは、ネットの無い時代は、友達でも恋人でも今ほど簡単につながれないからこそ会っている時間が濃かった。アナログを象徴するアイテムとしてつけました」と説明。
また、「小説に点数をつけると?」との問いには、「自分では点数ってつけられないですよね。曲の場合はメンバーが『いいね』と言ってくれることが評価なので、今回もふたりが読んでくれてからですね(笑)」。と答えました。
『音叉』は、バンドとしてプロデビューをめざす若者の恋と葛藤をえがいた青春小説。学生運動、フォーク、ロック喫茶など、若者文化が花開いた70年代を舞台としている。
7月13日に発売となり、累計発行部数は2刷3万2000部。発売後すぐに大手書店の紀伊國屋書店小説部門第1位(7月第2週)、三省堂書店文学・ノンフィクション部門第1位(7月9日~7月15日)となるなど、全国の各書店でベストセラーとなっている。
そのほかに、山野楽器と文藝春秋の直販のみで予約を受付けた『音叉 愛蔵版』(定価:本体7200円+税)限定3000部があり、こちらは完売となっている。
【あらすじ】
舞台は学生運動の火も消えようとしていた1973年。私立の聖マリアンヌ学院大学に通う風間雅彦は、高校生の頃から同級生とバンドを組みギターを弾いていた。メンバーはドラムの古澤啓太、キーボードの神林義之、ベースの佐伯美津夫。彼らのバンド『グッド・スメル』はアマチュアコンテストでの準優勝がきっかけでプロデビューを持ちかけられていたが、レコード会社からデビューの条件としてあることを言い渡される。やりきれない気持ちを抱えたまま、夜の原宿に足を向けた雅彦。そこで彼は、忘れられなかったある人物と再会する……。
メンバーを襲う思いがけない悲劇、魅力的な女性たちとの恋愛関係など、大人への岐路に立つ若者たちの青春群像劇。
≪髙見澤俊彦 デビュー小説 「音叉」文藝春秋刊≫
発売日: 2018 年 7月 13 日
本体価格:¥ 1,700+ 税
https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163908632/
カメラマン:白澤正