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MOROHA 「MOROHA lV RELEASE TOUR 単独」ライブレポート



「MOROHA lV RELEASE TOUR 単独」ツアーファイナル

吹きくる風に一筋の冷たい線が混じる、秋の終わり。11月8日、MOROHAの「MOROHA lV RELEASE TOUR 単独」ツアーファイナルがお台場・ZeppDiverCityで開催された。

UKが「ワンマンツアーでこんなに周ったのは初めてだったから、振り返っても何をしていたか記憶がないくらいで。すごい長く感じました」と話したように、MOROHAはこの日に至るまで夏から28公演を走り続け、その間にも「RISING SUN ROCK FESTIVAL」を始め、多くのフェスやイベントにも出演していた。

15時20分、UK は自身の楽屋で雑誌のインタビューを受けていた。一方、アフロが僕らスタッフの控え室に来たので、リハーサルまで今回のツアーや近況について話を聞かせてもらった。その後17時30分にリハを終えて、MOROHAの2人、スタッフは開演に備えて各々の時間を過ごす。

そして19時30分になり、迎えたライブ本番。10代から5、60代までの幅広い観客がフロアを埋めた。客席の明かりがついたままの、まだ薄暗いステージの上にUKとアフロが姿を見せた。会場中の照明が消えると、ステージの上からUKがギターを叩く音が聴こえる。

観客が2人の名前を呼ぶが、アフロは何の反応も示さず口にマイクを近づけて第一声を放った。<バカにされるのは 惨めな思いをするのは 俺たちが弱いから悪いんだ>。こうしてツアーファイナルは「ストロンガー」で幕を開けた。


「一文銭」「それいけ!フライヤーマン」を立て続けに歌い終えて、アフロが「今日、楽しみに来た人はどのくらいいますか」と尋ねると、フロアから無数の腕と歓声が上がった。

その様子を見て「そしたら、その気持ちは捨ててください。戦いに来たんだろ、挑みに来たんだろ? じゃあヌルいこと言ってんじゃねえよ」と吐き捨てる。そして「俺のがヤバイ」のイントロが弾かれると、ステージとフロアの生気はますます勢いを増した。

「リツイートしたら100万円あげますよ、って社長さんいましたね。リツイートした人いますか?」。会場からチラホラと手が挙がると「俺はリツイートして100万円貰うくらいだったら、あの社長の靴底を舐めて500円貰った方がマシだ。それを財産って言うんだぜ。違うのか? 違うんだとしたら、俺はどこへ向かって生きているんだろう......これは俺の歌で、もしかしたらお前の歌だ」。

そう言って始まった「tomorrow」。いつかアフロが「痛みや悔しさや、実感を伴うものしか俺は信じられない」と話していたのを思い出した。それでも人間は欲深いから、簡単に大金が手に入るならその誘惑に乗ってしまう。

だけど万が一、大金が手に入ったとして、そのときに思うのかもしれない。じゃあ、自分が毎日何十時間も働いて手に入れた金は何なんだろうって。


「tomorrow」を歌い、真っ暗になった場内。再びスポットライトがゆるやかにステージを照らしたとき、アフロは俯いていた。UKがギターを弾き始めると、アフロはゆっくりと顔を上げて「拍手なんて要らねえ。“あんな自分”が拍手なんかもらえねえ」と漏らす。

「あの子が拍手をくれた自分に、もう一度、戻るためにマイクを握り締めて這いつくばってる。この手紙は馬鹿な男を愛した、馬鹿な女が最後の力を振り絞って書いた手紙です......拝啓、MCアフロ様」。

光はまだそこかしこにあふれているのに、一番星と月がひっそりと浮かび、雲が刻々と姿を変える。重なることのなくなった長針と短針。男と女が過ごした戻ることのできない時間は、歌という映写機になって心のスクリーンに映し出される——<日当たり悪い部屋ともさよなら 売れないバンドマンともさよなら>。


そしてUKがアウトロを演奏する中、アフロは歌詞にない言葉を飛ばす。「俺は、どうしてもお金が欲しかったから、魂を売って仕事をしたことがあります」。遠くを見つめた視線の先に誰かが見えているようだった。

「その仕事が終わった後の帰り道、ことの重大さに気づいて、何てことをしてしまったんだって。このままじゃあんまりだから、魂を売って稼いだそのお金で花束を買って、あの子に渡した。そしたら満面の笑みで“ありがとう”をくれました」。

さらに声を強める。「その日から俺の魂は、あの子の笑顔になりました。俺の新しい魂は......」。一瞬だけ間を空けた後、力を振り絞るように叫んだ。「俺の新しい魂は、あなたでした」。

会場から拍手が起きると「拍手は要らない、って言ったのに」と一言添えて、アフロは表情をゆるめた。


「俺は俺に拍手は要らない、と言われたら拍手できないので、すごいことだと思います。あなたが何と言おうと、私が素晴らしいと思ったんだから拍手するんだって。そういう戦いが一番カッコイイと思います。この歌を戦うあなたに、戦う君に」そう言って「うぬぼれ」が始まった。

2番を終えたタイミングで突然、前方から「ドン」という鈍い音が聞こえた。何かに気づいたアフロは歌うのを止めてスタッフを呼ぶ。「誰か倒れた? すいませんが、周りの方もフォローしてください」と呼び掛ける。客席に明かりが点くと、事態を知ってざわつく観客。

「こういうことは必ずありますからね。だけど、彼はMOROHAのライブに来た方なので大丈夫です。外で一休みしたら、また自分の足で立ち上がって。今日は無理だとしても、また次の戦いに向かっていきます。そう信じているから。彼が責任を感じないように、俺らますます力一杯頑張りますので、どうか皆さんも引き続き力一杯向き合ってください」。

そう言って頭を下げると、観客から大きな拍手を起きた。突然のアクシデントにも関わらず、瞬時に対応したアフロ。最後まで演奏を止めずに使命を全うしたUK。そんな2人を賞賛する拍手だった。


その後「革命」「スタミナ太郎」と続け、旅立つ東京と巣立った故郷への想いを綴った2部作「上京タワー」「遠郷タワー」と楽曲を重ねていく。

気づけばライブは終盤を迎えていた。

「一昨年にメジャーでやる宣言をして、俺らも色々やってきました。デカいところでやっていくというのが、自分の真実に近づいていくんだろうかと考えたりもしたんです。やっぱり俺は、分かる人だけが集まって、理解者だけが集まって。自分たちの決めたサイズに、分かる人たちだけを集めて分かち合う空間というのは、どうにも魂が燃えないと思った。その外側へ出て、いっぱい悪口を言われて、それでこそ俺たちだという想いがあります。お前に悪口を言われたとしても、俺はお前に歌い続けるから。そういう気持ちを持っていたいなと思います。これは意地と誇りの結晶です」。

16曲目「夜に数えて」で<バカにされても 見下されても お前は手を抜かなかったじゃないか>と歌ったとき、薄暗いフロアから1本の拳が上がった。

それまで大人しくライブを観ていた真面目そうな青年が、泣きながら「ウワァァ!」と叫んで、目の前の柵を力強く掴みガシガシ揺らしている。近くにいたカップルは引いていた。MOROHAの音楽に自分の姿を投影して、言葉にならない鬱憤を吐き出していたのかもしれない。己の傷と向き合って、今、彼の抑えていた理性は壊れたのだと思った。


そして最後に歌ったのは「五文銭」。UKが表情1つ変えずに激しくも繊細な指使いで最後の楽曲を弾いている。そんな中、アフロは鋭い眼光で、喉から血が出るんじゃないかと思うほど叫ぶ。「夢だの希望だの、綺麗事を言うなって言われた! いい歳こいて夢だの希望だの、綺麗事を言うなって! だけど綺麗ごとはどっちだよと思う」。無数のスポットライトが、まばゆくステージを照らす。

「諦めたまま人生を生きていけるほど、俺たちは強くない。夢も希望もなくしたままで生きていけるほど、人生は甘くない! どっちが綺麗ごと言ってんだよ! 夢と希望以外に何があんだよ!」。こうして全17曲を披露して、2人はステージを後にした。

ライブ前、「今日がツアーファイナルですね」と言われて、UK は「あんまり実感がないんですよね」と笑みを浮かべて答えた。「だって、明後日から対バンツアーが始まるんで」。

今、彼らはツアーファイナルの余韻に浸ることなく、新しい旅をスタートさせた。ここから12月まで、11本に及ぶツアーの始まりだ——。

TEXT:真貝聡
Photo:MAYUMI-kiss it bitter-

2008年結成、長野県出身。今年10周年を迎えるアコースティックギターのUKとMCのアフロからなる二人組。 互いの持ち味を最大限生かす為、楽曲、ライブ共にGt×MCという最小最強編成で臨む。その音は矢の如く鋭く、鈍器のように重く、暮れる夕陽のように柔らかい。 道徳や正しさとは程遠い、人間···

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