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MUCC、ライヴツアー「壊れたピアノとリビングデッド収監シリーズ」 恵比寿リキッドルーム公演にて大団円


67本に及ぶ怒涛のライブ

2019年2月にリリースされたMUCC14枚目のアルバム『壊れたピアノとリビングデッド』を引っ提げて、全国各地をブロック分けし、<収監シリーズ>と題して各地区を集中的に回る怒涛のライヴシリーズを展開していたMUCC。

そのシリーズの総本数は、アジアツアー(上海、台北)、ミヤの急病による振替公演と追加公演も含めれば、なんと67本。

アルバムリリースから1年を経て、「関東型壊れたピアノとリビングデッド収監11days」

と銘打たれたツアーのファイナル公演が、2月8日&9日に恵比寿リキッドルーム公演にて行われた。


アレンジ楽曲は100曲超え!

Keybordに吉田トオルを迎えて、音楽的にも彩り鮮やかなツアーとなった、このライヴシリーズ。

各地区で最新作の『壊れたピアノとリビングデッド』の楽曲に加え、過去のアルバムの楽曲たちを、それぞれの地区で分類して散りばめると言うツアーを展開。

吉田トオルは、2019年2月のZEPPシリーズから数えると、今日が63本目のライヴ参加。

この一年間で、Key入りとしてアレンジされた楽曲数は「壊れたピアノとリビングデッド」収録曲を含めて、実に164曲。

その苦難の道を自ら選択するという姿勢が、彼らの音楽的能力をここまで成長させた所以と断言できるだろう。

オープニングから鋭いギターフレーズ!

今回のライヴのオープニングを飾るのは、ミヤ(G)の鋭いギターフレーズから切り込まれる「サイコ」。

CD音源でも伺えた暴力的ともいえる力を兼ね備えたこの楽曲を始め、今回の<関東型収監>でセレクトされた過去アルバム(「是空(2003年リリース)」と「朽木の灯(2004年リリース)」)の楽曲たちも、この2日間で更に殺傷力を増して次々と披露されていく。

(なお、登場SEの「壊れたピアノ」は、アルバム「是空」の一曲目に収録された「心奏」が混ぜこまれる粋なアレンジで生演奏された。)


前半はバンド力に圧巻

9日公演にてフィーチャーされたのは、2003年にメジャーデビュー第一弾アルバムとして発表された「是空」。

ライヴ序盤では「アメリア」などのアルバムリリース後に発表された最新形の新曲たちも次々に披露され、その合間には「茫然自失」「商業思想狂時代考偲曲(平成版)」という激しさを強調した過去楽曲たちも、何の違和感もなくセットリストに織り込まれて披露されていく。

新旧取り混ぜた楽曲を違和感なく披露するバンド力が、前半からフルスロットルで披露されていく様は圧巻である。

中盤は最新型を披露

中盤では「悲観主義者が笑う」や「死して塊」の重苦しいムードから一転、「1979」でYUKKE(Bs)はアップライトベースに持ち替え、跳ねる様にジャジーなリズムから楽曲はスタートする。

ホームセクションを含む新たなアレンジも施され、メンバー全員それぞれのソロパートを織り込む展開に大歓声が上がる。

続く、「積層」「COBALT」では最新型のMUCCが披露されてゆく。

大胆に鍵盤の旋律を織り交ぜ、メロディアスに仕上げられたこれらの楽曲は、今のMUCCの楽曲構築力の高さを伺わせるには十分と言えた。

後半はエモーショナルに

本編後半は「是空」の時期を象徴するようなエモーショナルな楽曲、「この線と空」からスタート。

「My WORLD」「カウントダウン」ではクラウドサーファーがひっきりなしにステージに押し寄せるアッパーな展開であったが、本日、最も白眉の出来と言えたのは、SATOちのドラムイントロで悲鳴にも似た歓声が上がった「スイミン」だったのではなかろうか。

Key入りのアレンジでは初披露となったこの楽曲。元来この楽曲が持つ激しい力に、オルガンの音色が鋭く混ぜ込まれ、より殺傷力が増したこのアレンジは圧巻の一語に尽きた。

充実したライブの完成



本編ラストはアルバムのラストを飾る「Living Dead」。

後半の逹瑯(Vo)の絶唱とも言えるパフォーマンスに、オーディエンスはただただ飲み込まれる。

そして、曲のエンディングで逹瑯がステージを降りた後に、残った4人がこの日初披露かつ、長尺のアウトロが展開されるという特別なアレンジも披露。

「収監シリーズ」の終わりを飾るにふさわしい幕切れであった。

ミヤの急病で振り替えとなった岡山公演や、「収監シリーズ」始まりの地でもある北海道での追加公演もあるが、アンコール時のMCでミヤが「Living Deadのアウトロで、なんかやり切った感じがある」と発言したように、この日の充実したライヴで、事実上「壊れたピアノとリビングデッド収監シリーズ」は大団円を迎えたと言えるだろう。

春にニューアルバムリリース!?

ライヴ最中に逹瑯が「今、まさにアルバムレコーディング中なんで」と語ったように、MUCCは次のステップへと向かっている。

春にはニューアルバムのリリースも予定されており詳細の発表が待たれている。

そして次のMUCCが向かうのは、6月21日(日)にぴあアリーナMMで開催されるワンマン公演「蘇生」であろう。

新たに横浜に建築される1万人収容のアリーナでのワンマン公演は、2017年5月の日本武道館ぶりであり、ニューアルバムと共に、新たな息吹と生命力で現れるであろう彼らの姿に期待は集まるところだ。

長く続いたライヴハウスツアーシリーズでさらなる進化したMUCC。

次はアリーナ公演でどんな彼らの姿が見られるのか。

今から想像を膨らませて楽しみにしておこうではないか。



セトリ

■MUCC 2020 Lock on snipe Tour#10『関東型壊れたピアノとリビングデッド収監11days』
2020年2月9日(日)恵比寿LIQUIDROOM Setlist
01.サイコ
02.アメリア
03.茫然自失
04.商業思想狂時代考偲曲(平成版)
05.アイリス

06.ヴァンパイア
07.我、在ルベキ場所
08.悲観主義者が笑う
09.死して塊
10.1979

11.積想
12.COBALT
13.この線と空
14.My WORLD
15.スイミン

16.カウントダウン
17.Living Dead

Encore
01.青き春
02.蘭鋳
03.9月3日の刻印

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