2015.9.21は彼女たちとファンにとって忘れられない日になるだろう。
京都発のアイドルグループ“ミライスカート”がこの日メジャーデビュー後初めてのワンマンライブを行った。グループのコンセプトは「京都から発信する“はんなり” & “ポップ” なアイドルユニット」。ややもすればなんでもあり的なことに聞こえてしまうが、この4人の唄とダンス、そしてファンを喜ばせるキャラにはそれ以上の魅力がワンサカと詰まっている。
“ミライスカート”は、2014年春にオーディションで選ばれた、児島真理奈、相谷麗菜、林奈緒美、橋本珠菜の4人のユニット。もちろん、そこから歌やダンスの猛レッスンが始まる、彼女たちの夢の実現のために。最初の対バンライブでは彼女たちのファンは5人。しかし魅力的な楽曲と彼女たち笑顔とキャラは、そこからどんどん多くのファンを増やしていった。ついに2015年7月21日にシングル「COSMOsSPLASH」でメジャーデビューを飾った。
彼女たちのステージを見ると、なんといっても元気が出る。そして自然とカラダが動いてしまうのは、EDMとアイドルとしてファンを楽しませる納得感のある音を、agehaspringsのプロデュースによって、MIRAI no OTOに超変化させてしまったからだろう。
そして、2015年9月21日。メジャーデビュー後、初めてのワンマンライブを迎えた。会場はOSAKA MUSE。入場を待つ列が螺旋階段の下の方まで伸びるほどファンは駆けつけてくれた。
4時。すでに超満員のなかOvertureがはじまる。京都祇園で撮影した普段着でいろいろな素顔をみせる映像が流れる。京都で結成されここまでたどり着いた4人。いろいろな姿を見てきたファンも一緒にこの1年を回想しただろう。
そして、決意を表す白のワンピースを着て4人が登場する。未来を予感させる直線的なデザインだ。やや緊張がみられる児島真理奈(まりちゃん)の表情は、1曲目「Beautiful days」のフリをこなしていき、ファンの大きな声援を受けていくにつれ、いつもの笑顔がこぼれ、キラッキラの魅力満載に変わった。
観客はいきなりヒートアップ。多くのファンがこの日の記念グッズであり完売となったTシャツを着てステージに熱い気持ちを送り続ける。
今回のステージは、デビュー後初ワンマンということもあり美術スタッフも彼女たちを勇気づけてくれていた。彼女たちそれぞれの立ち位置のバックに、彼女たちのパーソナルカラーが短冊状にライトアップされる。そして、真ん中には4人をイメージするシルバーのポールが4本。高さも違うし飾りも違う。「この、一番小さいの私やんな…」そう林奈緒美(なっちゃん)が話したポールだが、しっかり立っていて、4つでひとつの調和を表現しているオブジェが彼女たちを祝福していた。
5曲目『1秒前のシンデレラ』を「この夏私たちを成長させてくれた曲」として披露。ファンのみんなも成長度合いを感じてくれているかのように、観客と一体感がマックスになった。
MCに入るとファンの方達が前から順番に座っていった。「後ろの方までよく見えるよ!」橋本珠菜(じゅなな)が笑顔で一番後ろのファンに手を振る微笑ましい光景。そんな中語られたのは、彼女たちの夏の思い出だった。TIFなどでのステージの感想をそれぞれが話す。自分たちがまだ立てない大きなステージセットも4人で見学にもいったそうだ。憧れを感じながら強い眼差しでみていたのだろう。
MCの中で「成長したね~」とよく出てきた言葉がある。メンバーそれぞれがそう声を掛け合うことができる。それはこの夏大きく成長した手応えを彼女たちも感じている姿だった。
「みなさんにお知らせがあります…」と一瞬静まりかえる会場に、「新曲があります!」とファンにはたまらないプレゼント。『コ・イ・ハ・カ・プ・チ・ー・ノ』 はアップテンポなのに、ほろ苦い歌詞がある曲。カプチーノを飲み干す振り付けがとてもかわいい。そしてなんともうひとつ新曲を披露。『Melody』は今までにない大人っぽい曲調少し歌謡曲のよう。恋する女性の淡い想いを歌う。これを唄えるというのは、落ち着きや余裕、唄に気持ちを入れる溜めどころを手に入れた歌手としての成長の証。
メジャーデビュー、ワンマンライブと目標を達成してきたミライスカート。「Zeppライブをしたい。」それが4人だけで話し合って決めた成長した彼女達の次の目標だ。
最後の曲はアンコール2曲目として「ナモナイオト」。彼女たちもファンとお揃いの特製Tシャツに着替えてのパフォーマンス。ファンは名残惜しいというよりも、これからの活躍を信じて疑わない歓喜に満ちた笑顔で声を上げ、手を力一杯たたいた。
今日のMCの中で相谷麗菜(れいにゃん)は「大学を卒業しても私はミライスカートに就職する!」と言い切った。不安なアイドルの活動、周りの友達が就活に突入していく中での言葉だ。多くのファンはこの言葉に目頭を熱くしながらアンコールを楽しんだことだろう。
そしてミライスカートは、ある言葉を書き初めして、ライブハウスに飾った。楽屋ではなくファンが目にする場所に。
”ステージ勝負”
ステージでの私たちを見て欲しい。そこに全てを懸けているから。
有言実行、思いは言葉にして、それを毎日見ることで強くなりエネルギーも湧いてくる。彼女たちは毎日この言葉を見ているのだ。デビューからこの速度で成長を続けるアイドルはそういない。
彼女たちの努力とスタッフの愛情からくるステージ完成度の高さと、ファンの思いやりと情熱に支えられている限り、そう遠くない日にZeppのステージでミライスカートが、見られるだろう。
◆セットリスト
2015年9月21日(月・祝)@OSAKA MUSE
ミライスカートワンマンライブ〜古都から奏でる未来の音〜
1.Beautiful days
2.メグリメグル
3.ハンナリ☆スター
4.Rocket Love
5.1 秒前のシンデレラ
6.ミーゴ!ゴミーゴ!
7.コ・イ・ハ・カ・プ・チ・ー・ノ
8.Melody
9.鉄則Aライン
10.COSMOsSPLASH
11.未来ノート
アンコール
EN1.おねがい
EN2.ナモナイオト
Photo:内池秀人
Text:苦楽園 京