『UMIMOYASU〜巡り巡りゆくシンセンス〜 』はフレデリックが主催を務めた東名阪対バンツアーで、7月12日に大阪・BIGCAT、13日に愛知・THE BOTTOM LINE、19日に東京・マイナビBLITZ赤坂で開催。大阪公演には、ポルカドットスティングレイ、愛知公演に雨のパレード、東京公演にUNISON SQUARE GARDENが出演した。
先攻はUNISON SQUARE GARDEN!
ツアーファイナルともなる東京公演は、フレデリックの先輩バンドにあたるUNISON SQUARE GARDENが参加する事もあり、開演前のフロアは大勢の観客が詰めかけていた。ステージには、『UMIMOYASU』と書かれた幕が飾られている中、開演時刻が過ぎると客電が落とされる。そっと包み込むようなSEが場内に響きわたると青い光が鮮明に輝きを放ち、その中でメンバーがステージに登場。
序盤から飛ばしまくり!
鈴木貴雄(Dr)にスポットライトがあたり、豪快なドラミングを魅せると、攻撃的な斎藤宏介(Gt&Vo)のギターと田淵智也(Ba)の重くのしかかるベースプレイが始まる。その音の正体として幕を開けたのは、『カラクリカルカレ』。序盤から熱を帯びるナンバーを奏でオーディエンスのテンションを上げると、メロディアスなサウンドが印象的な『オリオンをなぞる』へと続いた。
オリオンをなぞる 歌詞
UNISON SQUARE GARDEN
作詞 田淵智也
作曲 田淵智也
オリオンをなぞる こんな深い夜
つながりたい 離されたい つまり半信半疑あっちこっち
新未来を願う 空前絶後の
アダルトさを象徴させるピンクと赤の照明が交差しながら彼らを照らすと、駆け上がるギターサウンドに魅了される『セレナーデが止まらない』へと向かい、斎藤は「UNISON SQUARE GARDENです。よろしくお願いします!」と挨拶。
USGにしか出来ない音の世界
田淵の弾むベースを筆頭に感情を高ぶらせる『マジョリティ・リポート(darling, I love you)』、一際歓声が湧いたパーティーチューン『シュガーソングとビターステップ』、『23:25』、『天国と地獄』など多彩な音色で、UNISON SQUARE GARDENにしか出来ない音楽世界を作りだした。MCで斎藤は「大好きなバンドとライブをやると、テンションが上がっているんでしょうね。リハーサルのときより音がデカいんですよ。楽しくてしょうがないんでしょうね(笑)」とフレデリックへの愛を語る。
続けて斎藤は「僕は元々フレデリックが好きだったし、何しろ赤頭君の事を溺愛していて…めちゃくちゃ好きで(笑)」とフレデリックの赤頭隆児(Gt)について触れた。
UNISON SQUARE GARDENの鈴木とフレデリックの高橋武(Dr)はドラマー同士仲が良いそうで、高橋と赤頭の二人でUNISON SQUARE GARDENのワンマンライブに足を運んだという。
ライブ終演後の出来事
ライブが終わった後に、高橋は鈴木に100点満点のLINEをしたようで、そのLINEを見た斎藤は「で、俺の赤頭はどうなってんの?って思って(笑)それでちょっとしたら赤頭君からLINEが僕にきて。『LIVEお疲れ様でした。対バン楽しみです。』って。2行かい!!(笑)赤頭君が俺の心を掴んで離しません!」と赤頭との面白エピソードを明かした。後半戦は、『BUSTER DICE MISERY』、『10% roll,10% romance』、『君の瞳に恋してない』などのボルテージを上げるナンバーを畳み掛け、先輩バンドとしての圧倒的な存在感を放ち、フレデリックにバトンを渡した。
後攻はフレデリック!
「フレデリック始めます!」
UNISON SQUARE GARDENからバトンを受け取ったフレデリックは、青い光とスモークの空間の中から姿を現し、「フレデリック始めます!」とアナウンス。彼らが1発目に選曲したのは、三原健司(Vo&Gt)、赤頭隆児(Gt)のギターから展開される『TOGENKYO』。健司のクセになる歌声に合わせクラップするオーディンエンス。そのまま『オワラセナイト』へと向かい、三原健司は「赤坂どうする?遊ぶ?遊ばない?」とオーディエンスを煽る。そしてレインボーの鮮やかな閃光が場内を駆け巡る中、帰りたくない心情に掻き立てられる『KITAKU BEATS』が投下された。
"シュガビタ"でファンを魅了!
健司がギターを置くと、ここでUNISON SQUARE GARDENの『シュガーソングとビターステップ』のカバーを披露。オーディエンスから嬉しそうな声が飛び交う中、フレデリック流の中毒性のある色を存分に曝け出し、人々を多いに魅了していた。「めちゃくちゃになって遊ぼうぜ!」と再び煽りを魅せる健司。するとツアーのタイトルにも刻まれている『シンセンス』を披露。「先輩の前だからもっと深い所に行かないといけませんね。行けますか?」と攻撃的に言葉を投げると、不思議な空間に誘い出される『まちがいさがしの国』とニューEP『飄々とエモーション』より『NEON PICNIC』が畳み掛けられた。
「ユニゾンと2マンが出来るなんて最強」
対バンについて健司は「Zeppでやれと言われました(笑)でもこんなにみんなと近い箱で、ユニゾンと2マンが出来るなんて最強じゃないですか?」と語る。続けて「UNISON SQUARE GARDEN半端ないですね。何あの先輩!音楽への愛と、赤頭への愛がすげーな(笑)自分たちもああいう先輩になりたいと思ったし、ああいう先輩になるためには、今日勝たないといけない」とUNISON SQUARE GARDENへ挑む姿勢を見せた。
後半戦では「久しぶりに夏の曲をやりたいと思います」という健司の言葉通り、『トライアングルサマー』が投下。波の音が場内に鳴り響き渡り、今の時期にぴったりのサマーチューンで盛り上がりを見せた。そして一度聴いたら忘れる事の出来ない魔性のメロディー『リリリピート』、『愛の迷惑』が奏でられた。
「赤坂、この曲で勝負してみませんか?踊っていない赤坂は気に入らないですか?」と告げると、フレデリックのダンスナンバー『オドループ』が繰り出され、会場がダンスフロアへと変貌。曲中オーディエンスがクラップする場面もあるが、息の合ったクラップの光景に「300点です!」と褒め称えた。
そしてラストは、7月11日にリリースしたばかりのニューEPより表題曲の『飄々とエモーション』を披露。人々を惹きつける抜群の楽器隊の演奏と、三原健司の虜にさせる歌声に圧倒される程。最後に健司は「一生俺達のセンスについて来てください」といい、ステージから去っていった。
本編は終了したが、フロアからは鳴りやまないアンコール。その喜びの声に応えるように再びステージに登場した彼ら。「最後に、今日最高のライブを見せてくれたUNISON SQUARE GARDEN、オンリーワンの最強な先輩の為に一曲届けてぶちあげていきたいと思います!」と熱く煽り『オンリーワンダー』を披露。
「だからあなたはあなた わたしはわたし 君は君なんだ」というフレーズをオーディエンスが合唱するという瞬間もあり、会場が温かい空間に包まれた。そして健司が「また次は、ワンマンツアーで会いましょう。ありがとうございました!」と感謝を述べると、4人は深々とお辞儀をしUNISON SQUARE GARDENとの対バンライブは幕を閉じた。
TEXT橋本美波
PHOTO:Viola Kam (V'z Twinkle)UNISON SQUARE GARDEN
ハタサトシ フレデリック
『UMIMOYASU〜巡り巡りゆくシンセンス〜 』セットリスト
■UNISON SQUARE GARDEN1.カラクリカルカレ
2.オリオンをなぞる
3.セレナーデが止まらない
4.マジョリティ・リポート(darling, I love you)
5.シュガーソングとビターステップ
6.23:25
7.天国と地獄
8.BUSTER DICE MISERY
9.10% roll,10% romance
10.君の瞳に恋してない
■フレデリック
1.TOGENKYO
2.オワラセナイト
3.KITAKU BEATS
4.シュガーソングとビターステップ(UNISON SQUARE GARDENカバー)
5.シンセンス
6.まちがいさがしの国
7.NEON PICNIC
8.トライアングルサマー
9.リリリピート
10.愛の迷惑
11.オドループ
12.飄々とエモーション
ENCORE
13.オンリーワンダー
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