DA PUMPが16年ぶりに武道館に立つ!
DA PUMPは90年代から2000年代にかけてリアルタイムなR&Bやヒップホップを取り込んだサウンドで一時代を築いた伝説のグループ。2018年の「U.S.A.」で奇跡の大復活を遂げて16年ぶりに武道館に帰ってきた。
2019年6月13、14日、日本武道館で行われた『LIVE DA PUMP 2019 THANX!!!!!!! FINAL』。往時を知るファンから「U.S.A.」がきっかけで聴きはじめた若い層まで満員の武道館。歴代のツアー映像がながれる中、ビジョンに「U.S.A.」の文字が大きく映し出される。
三段ステージの最上段にメンバーが登場すると、7人が一列に並んで繰り出すフォーメーションに目が釘付けになった。サビでは会場もいっせいに「いいね!」ダンス。完璧なオープニングに会場のテンションは一気に上昇する。
続けざまに「ごきげんだぜっ!~Nothing But Something~」ではアクロバティックなダンスと強烈なフックのメロディーに武道館の空気が揺れた。
スクラッチとブレイクビーツが気持ち良い「Com’on! Be My Girl!」。全身にリズムを浴びて思わず体が動きだす。
「武道館!盛り上がってるかい!?」ISSAの第一声に続いてメンバーから挨拶。
「僕らからの最大限の感謝を届けたい」(TOMO)、「多くは語りませんがパフォーマンスでしっかり見せていきたい」(YORI)、「みんなのことをゴキゲンチャージする」(DAICHI)、「楽しんで帰ってください」(U-YEAH)。自己紹介代わりにヒューマンビートボックスを披露し「夢の時間を皆さんと一緒に楽しんでいきたい」とKENZO。
「今日という日は1日しかありませんので悔いのないように」(ISSA)、「夢から覚めないうちに僕らのショータイムを楽しんで」(KIMI)とそれぞれに想いを伝えた。
現在のメンバーがそろった2009年リリースの「SUMMER RIDER」に続いて、「Do I」コールからの「Love Is The Final Liberty」、「Rhapsody in Blue」とヒット曲を連発する。アレンジを一新したダンスボーカルクラシックはスムース&ノリの良さが特徴。
KIMIからISSA、TOMOへのマイクリレーで巧みなラップスキルを披露すると、会場は開放感と祝祭感で沸き返った。
DA PUMPの歴史を受け継ぎふたたび頂点を目指す
肩に手を置いて一列に並び、いっせいに散開してフロアに伏せる。曲展開に合わせて静と動の対比からソウルフルに酔わせる「Nice Vibe!」。ステージ上には7人とキーボードのGAKUSHI。シンセのスラップベースからジャジーなエレピ、スペイシーな早弾きソロまでGAKUSHIのソロコーナーではゴッドハンドぶりに喝采が送られた。
続いてスポットライトの先にはモノトーンのコスチュームに身を包んだメンバーの姿が。
ヘッドスピンやウィンドミルなどブレイクダンスを次々に決めると、満員の武道館がどよめいた。
ピアノのイントロからしっとりと歌い上げる「Stay Together」、「Back To Your Heart」では星空をバックに切ない感情をダンスで表現した。
結成20年を超えるDA PUMPで1997年から在籍しているのはISSAだけだが、新たに加入したメンバーにとっては初の武道館。
DA PUMPの歴史を受け継いで、ふたたび頂点を目指す決意がパフォーマンスから伝わってきた。「Without you」、「Little Loneliness ~しあわせの隙間~」ではコーラスやラップのコンビネーションで魅せた。
イントロが流れた瞬間に歓声があがった「if…」。KIMIのラップパートでは会場も一緒に「無理 無理 無理 無理」を連呼!
ビジョンに映し出された桜の木をバックに歌う楽曲は「U.S.A.」に続くシングル「桜」。
〈生涯 ファビュラス/奈落だって 裾だって 人生の舞台〉、実感の込められた歌詞が胸に沁みる。シングルリリースの途絶えた時期も、いつか咲くことを信じて自身を磨き続けた結果がこの日の武道館。ステージから見える風景を目に焼き付けるように歌い終えると、「かつて見たあの景色 見せたい人がいるのさ」というメッセージがビジョンに浮かび上がった。
ニューシングル「P.A.R.T.Y. 〜ユニバース・フェスティバル〜」を初披露
「後半戦も盛り上げていきますよ!」。ISSAのあおりからコール&レスポンスで盛り上がると、その勢いのままクラブアンセム「Do it! 宙にジャンプ」でクラップ&ジャンプ大会に突入。
ステージ上を動き回り、顔面筋も駆使しながら、会場と一体になって楽しむ徹底したショーマンシップを示す。
ニュージャックスイング調の「Steppin’ and Shakin’」、トロピカルハウスな「CORAZON」で80’sから2010年代までのトレンドを乗りこなしつつ、最後はセンターステージでこぶしを突き上げて「We can’t stop the music」を歌った。〈俺たちが残すべき道/悩む仲間にヒントたったひとつ/Do it! (Do it!)〉、信念を貫いた証を残してステージを後にした。
アンコール1曲目は「Feelin’ Good ~It’s PARADISE~」。そしてこの日のためにとっておきのプレゼントが。2019年8月7日発売のニューシングル「P.A.R.T.Y. 〜ユニバース・フェスティバル〜」を初披露した。
USAの流行を取り入れたバイーンダンスやレインボージャンプなど、真似したくなる要素満載のキャッチーなパーティーチューン。「最後はあの曲でしめますか!一緒に盛り上がりましょう」と2度目の「U.S.A.」を笑顔でシェアした。
口々に感謝を伝えるメンバー。「楽しかった」とISSA。「ずっとやってきて、無駄なことは一個もないと思った」(TOMO)、「みなさんと一緒にさらなる高いところに目標を定めていきたい」(KENZO)。最後は全員で「16年ぶりの武道館、どうもありがとうございました!」。やりきった表情のISSAとメンバーたち。
見事な復活劇を果たした7人の目線は未来を向いていた。
TEXT 石河コウヘイ