映画・『犬ころたちの唄』
広島に実在する、ミカカ(ギター)Jacky(ブルースハープ)のっこんの3名による3ボーカル音楽ユニット・深夜兄弟が主演。映画人だけでなく、ミュージシャンたちも関わって作り上げた本作は、音楽も大きな魅力のひとつとなっている。映画のメインテーマは「遠くの友達」という曲。コロナ禍での「会えない時期」を乗り越え、改めて繋がりを見つめるべく、”遠くの友達”へ元気やエネルギーを届けたい想いが溢れている。
広島横川シネマの年間動員第3位を記録
7/29より京都・神戸・大阪でリレー上映がスタート!オール広島ロケ映画の本作。2021年11月19日より、地元横川シネマで、新人監督のインディペンデント映画としては異例の2週間ロードショーを実施し、500名を超える動員を記録しました。この数字は横川シネマの動員年間第3位となる記録で 完全自主制作では快挙と言えます。
その後、東京 池袋シネマ・ロサ、新潟シネ・ウインド、名古屋シネマスコーレと瓜連あまや座の上映を経て、満を持しての京阪神リレー上映が決定。日に日にお客様の熱量が増す本作。前田多美監督の故郷大阪を含む京阪神においては、各地1週間ずつ、合計3週間でお届けします。
7/29~8/4 京都出町座
8/6~8/12 神戸元町映画館
8/13~8/19大阪 シアターセブン
京都・神戸・大阪でリレー上映では企画もご用意
・先着100名ご当地ご来場ステッカープレゼント
・主演「深夜兄弟」メンバー(広島在住)によるライブ企画
ストーリー
誰にでもあるここにしかない家族の物語
街の小さな路地、ふと唄が聴こえる。祭囃子のようなアコースティックな響きは、木造家屋の古本屋上階から鳴っているようだ。山尾家三兄弟は音楽という共通点をもつものの、それに対する姿勢はてんでバラバラだ。全員30歳半ばを過ぎ、それぞれの人生を歩んでいるが、時々、長男森男の部屋に集まっては唄う。兄弟仲はよくも悪くもないが、三人で唄う理由は約30年前に亡くした父の法事のため。呑んで唄う独自で唯一の家族行事だ。
ある日、森男の元に、生き別れた異母兄弟の葉月から手紙が届く。約30年音信不通だった遠い妹が三兄弟の縁に絡み始める。また、三男三樹の携帯に人生の選択を必要とする一報が。思いがけない便りを機に、弔いあげとなる父の三十三回忌の目前、山尾家の日々が動き出す。”犬ころ”たちの唄で紡ぐ兄弟の一歩の物語。
作品情報
出演:ミカカ Jacky のっこん(深夜兄弟) 前田多美 青山修三 梶田真悟 ウエノケンジ こだまこずえ、他
監督:前田多美 脚本 :梶田真悟 構成・編集:村松正浩
撮影:西井昌哉 録音:松浦智也 整音:バッチグー・山本 音楽 :久保モリソン 助監督:サトシコンドウサトシ 制作:大野 郁代
2021年/91分/ステレオ/DCP 製作・宣伝・配給:Donuts Films ©2021Donuts FIlms
前売鑑賞券(大橋裕之画 オリジナルステッカー付き)
■料金 1,400円(税込)※当日一般料金出町座・シアターセブン1,800円/元町映画館1,700円
■オフィシャルサイト https://inukorosongs.noob.jp/
■公式Twitter https://twitter.com/inukorosongs
『犬ころたちの唄』への絶賛コメント
◼︎古市コータロー(THE COLLECTORS)酔いどれブルースに宿る過去と未来。
もみ消した煙草はひたすらリアル。
素敵な映画でした。
■入江悠(映画監督)
どこか懐かしい匂いのするこの映画には、
歌を口ずさみ、つまびかずにはいられないささやかな衝動と、
誰かと集わないではいられない私たちの弱さが詰まっている。
とても優しく、街で暮らす人の体温が伝わってくる映画でした。
■加藤雅也(俳優)
どこか懐かしさを感じる。
映画の撮影で訪れた広島の街(横川)に魅了された監督が、
この地に移住し、人々の日常を見つめ続け、
それをスクリーンに再現したからだろう。
日常の何気ない風景、何気ない会話から、
街で暮らす人々の息遣いが伝わってくる。
監督の優しい眼差しが感じられる作品。
◼︎木村知貴(俳優)
3人ともボーカリストでもある深夜兄弟の息の合った芝居に舌を巻いた。
普段からユニットで相手の声を聞き、声に合わせ、
時には相手を引き立てたりしているからこそ出来るグルーヴ感。
横川を舞台に繰り広げられる人情劇、いや人情喜劇か。
観た後になんか明日も頑張ろって思えるかも。
■若林美保(パフォーマー・俳優)
馴染みのある横川の街並み、そして本と自由。
対バンそして打ち上げをご一緒した深夜兄弟の3人。
まるでほんとの兄弟のようなリアルさ。
何か起こるけど何も起こらない日常。
そこに生きてる人々がいた。
映画「犬ころたちの唄」
私にとってとてもグッとくる映画だった。
■川原康臣(映画監督)
食べて、飲んで、眠って、愛して、憎んで、挫けて、それでも笑いながらどこかで暮らしているあなた。
そんなあなたが観ることで『犬ころたちの唄』という映画は完成する。
その日から、犬ころたちはあなたの心の中で唄い始めるだろう。
完成ののちに「はじまる」のだ。犬ころたちの唄が。
あなたとそんな話ができたら…そんな日が来たら…そのことを犬ころたちに唄ってもらおうじゃないか。
唄ってもらうこと、唄いたいことは沢山…そう!沢山あるんだ!
■高野メルドー (ギタリスト・ゲームライター)
みんな何歳になっても生活に根ざしてそれぞれのスピードで暮らし、
酒を飲み、呑まれ、記憶矛盾をはらんだ感情と音楽に向き合っている。
俺やおまえと同じだ。
お酒を飲みたくなる映画です。
■吉岡睦雄(俳優)
この映画に完全にノックアウトされてしまった。
メガトン級のパンチ力。
3兄弟の歌声が耳から離れない。
3兄弟の可笑しい右往左往が、恥ずかしい位に真っ直ぐな生き様が、下らない言い争いが、脳裏から離れない。
どうやったらこんな映画が撮れるんだ?
いつもニコニコしている前田多美。
あの笑顔の裏には一体何が隠されてるんだ?
大好きな映画。
広島から世界に届け!
◼︎工藤祐次郎(シンガーソングライター)
自分が音楽を演る時はいつも、それを受け取った誰かが
“自分にも何かやれる気がする!”
と感じてくれていたら最高だなと思っている。
多美さん、『犬ころたちの唄』のラスト30分を観た僕はまんまと
“おれも何かやれそうな気がする!”
と思わされているよ。
◼︎ナオユキ(スタンダップコメディアン)
犬ころたちの唄。
此処は広島 横川。
愛しくも愚かしき者達の傍らに
酒とBLUESが転がってる。
躓いた女が寄り添うは
真っ直ぐ進めない男
躓いた女が寄り添うは
真っ直ぐ進んできた男
躓いた女が寄り添うは
真っ直ぐ進もうとする男
其々の深き夜。
明けると限らぬ深き夜
太陽を待たず月明かりで
兄弟は暫し互いを確かめる。
◼︎福島拓哉(映画監督)
映画と共にいろんな街を、旅してきた。
旅先で出会う音は、街の印象を決定づける。
パリの路上を盛り上げたギタリスト、ズーリックのハコで見た片腕の技巧派ドラマー、バルセロナで参加した大人数のセッション、ヒロシマで偶然出会った深夜兄弟。
今も交流があるハンブルクのFUCK ART LET’S DANCE、エディンバーグのChingon、バンコクのModern Dogと同様、僕にとって深夜兄弟は忘れられない夜をくれたミュージシャンであり、映画とめぐる旅で降り立ったヒロシマという街の記憶そのものと言ってもいい。
そんな彼らが主演の映画ができたと知ったとき、思わず声を上げた。比喩じゃなくて本当に声を上げた。広島から遠く離れた東京の片隅のPCの前で、一瞬にして旅の記憶が彼らの音楽と共に蘇った。
きっと僕は、彼らを最初から、映画的だと感じていたのだと思う。
ヒロシマが、ヨコガワが、彼らの詩となり音となり、スクリーンから溢れ出す。
彼らを眺めているだけで、路地の匂いまで思い出せる気がする。
どこにでもいそうでこの街にしかいない、深夜兄弟。
本と自由で酒と自由を。
酒と自由で本当の自由を。
前田多美監督の想い
・コロナ元年に制作着手したこと2020年7月に始動した『犬ころたちの唄』は、主演の三兄弟役を「深夜兄弟」という広島の3ボーカルユニットの3名にお願いしました。
初めての「コロナ禍」というものに直面し、集客するような活動を制限しなくてはいけないならば、製作の年にしようと決めました。また、ライブなどの活動の場を失っていたミュージシャンにも積極的に関わってもらえる作品にしました。理由は、映画が完成し、世の中の状況的にも、お客様に「来てください」と言えるようになった暁には、文化ジャンルを越えて共に笑えると考えたからです。
完全にコロナが終息したとは言えませんが、県を跨ぐ移動制限が緩和された今、各地(東京、新潟、愛知、茨城)での上映先では、深夜兄弟メンバーのライブも開催しています。映画のキャストたちに会えること、彼らのミュージシャンとしての魅力にも触れられることから、各地のお客様にも本当に喜んでいただいています。
「仕込み」と決めた製作の年を越え、音楽と映画というジャンルの越境と地域間の越境に成功し、さまざまな繋がりやお客様同士の交流も生まれています。
・オール広島ロケ作品、されど世界に共通する風景
本作は、広島市の横川という小さな街をメインロケ地として撮影しました。しかし、広島の人だけに理解してもらえればよいと思っていたわけではありません。むしろ、遠くの地域の観客にも「知らない街だけれど、味わったことがある、どこか知っている風景」と感じてもらえるものを目指しました。
どの街で暮らしたとしても、人々の心の部分ではとてもシンプルなところにたどり着くように思います。土地の人の生活する呼吸のような、目に見えないものに着目し、ロケ地のシンボルやツーリスティックな「広島」は撮影せず、街の「いつもの姿」を撮るように心がけました。そうすることで、横川という街を知らない人にも、どこか懐かしさを感じてもらえると考えたからです。
広島のありのままの風景で、広島弁で作品を作ることで、かえって親近感を抱くこと。それは、大阪で育ち、広島へ移住した私の目線だからこそ感じられた観点かもしれません。
映画作品としての魅力、音楽的な魅力作品を余すことなくお楽しみいただけるよう、下記グッズも販売
■劇場用パンフレット(全46ページ、定価900円)
オリジナル脚本や作品紹介に加え、各文化人の方々にご参加
いただいた特集も
・諏訪敦彦(映画監督)レビュー
・対談企画
町田康×ミカカ / 加藤ひさし×Jacky / 松田葉朗×のっこん
・音楽特集(キングジョー・久保モリソン)
■オリジナルサウンドトラックCD(全17曲、定価2,000円)
大橋裕之(漫画家)イラスト
対談より抜粋コメント
それぞれの苦しみに決着をつけなければいけないものの、半ば諦めのような気持ちで見届ける切なさ(町田康)
エネルギーが空回りしてても「言葉」を知ってるから力強く届いてくる / 主人公たちが一番自分の言いたいことを、口下手で言えないから歌うっていうのがグッときた(加藤ひさし)
キャストプロフィール
深夜兄弟広島に実在する、ミカカ(ギター)Jacky(ブルースハープ)のっこんの3名による3ボーカル音楽ユニット。2019年頃からライブを中心に活動を開始。3人とも酒に酔いながら結成が決まったため詳細なスタートは不明。つまり3人とも酒呑み。
ミカカ
1968年5月29日生まれ。広島県広島市出身。
1988年パンクバンド「SOLAN & THE BIOUXSHEES(後ブーシーズ)」結成。ライブハウス「広島WODDY STREET」を中心に人気を博す。カセットテープ3種を発売後、1993年に8曲入りCD「ガソリンマニア/ブーシーズ」をリリース。その後ブーシーズは自然消滅し、いくつかのセッションバンドに参加するも、ギターも触らずライブハウスシーンから離れていく。約20年のブランクを経て久保モリソンの熱望に導かれ、再びパンクバンド「ミカカとアカノタニン」結成。その頃からアコースティックギターも持ち始めてソロアルバム「live くそったれ」「ギターのヘタクソ」をリリース。
広島のテクノハードコアバンド「コンクリ」主催のコンピレーションアルバム「コンクリ詰め"コンピレーション“」にもソロで参加。
俳優経験は、前田多美監督『カノンの町のマーチ』で新郎役として出演。
Jacky
1977年11月2日生まれ。広島県広島市出身。
1999年、Jacky(ボーカル) とYOKOTA(ギター)が中心となり、モッズバンド「creeper」を結成。その後、薬研堀ブルーバードカフェを拠点に、クラブパーティーを中心としたライブ活動を行う。この頃から広島モッズメーデーにも毎年出演。
「creeper」は60’s R&Bやsoulのカバー曲中心の活動のためアルバムリリースはないが、過去2枚だけコンピレーションアルバムにはオリジナル曲で参加している。
その後、Jacky とYOKOTA以外のメンバー編成は変化しながらも、モッズメーデーを中心にバンド活動を続行。
2000年代では、旧「鷹野橋スリムチャススタジオ」でDJモッズパーティーにDJとして参加。
2017年からアコースティックギターを持ち、ソロ活動を開始。
2020年に初ソロアルバム「大人になってしまった」とシングルレコードをリリース。
同2020年、アルバムレコーディングにギター、ベース、ドラム等で参加した、夫婦音楽ユニット「酔い屋ちどり」のムキムキとみかりんとともにバンド「THE PATCHES」を結成。
のっこん
1982年11月15日生まれ。広島県呉市出身。
ソロでラッパーとして音楽活動をする一方でバンド歴としては「モリブデン」「のんべんだらり」「万年青」「カングルワングル」「deyney」のフロントマンを務める。
オリジナルのリリースは、2005年にDJ TOMEとのコンビで4曲入りCD-R「ウロの中」を制作後、バンドでの流通アルバム「毎秒、毎秒ep / カングルワングル」(2012)「はんねep / カングルワングル」(2014)、ソロ弾き語りにてCD-R「わん、通、摺、呆」(2014)を制作。
他、コンピレーションアルバムでは「MALTI BOX PAKONE」に「平生の自由 / のんべんだらり」、「安芸の震導」(2013) に「フナムシ / カングルワングル」で参加。
また、他のアーティストの作品にラップ客演することも多数。参加作品には「Here We Go ! / EYESCEAM JETSET」(2011) 「アラームバグ / nuill & un cuento de hadas」(2015) 「hello / nekomusume」(2020) などがある。
前田多美1983年11月19日生まれ。大阪府出身。
2012年 今泉力哉監督『tarpaulin』山下敦弘監督『ありふれたライブテープにFocus』でスクリーンデビュー。自主制作映画を中心に新進気鋭の監督たちの映画に出演。2013年 オール広島ロケ作品平波亘監督『トムソーヤーとハックルベリーフィンは死んだ』の撮影をきっかけに広島移住を決意し、2016年に広島市民となる。
その後、広島・瀬戸内ロケ作品を中心に、張元香織監督『船長さんのかわいい奥さん』(2018)、時川英之監督『鯉のはなシアター』(2018)『彼女は夢で踊る』(2019)、濱口竜介監督『ドライブ・マイ・カー』(2020)に出演。
俳優活動を続ける一方で、広島移住後は監督へも活動の幅を広げ、初長編監督作『カノンの町のマーチ』(2018)をきっかけに『光をとめる』(2020) 工藤祐次郎/リンドウ MV(2020)を制作。本作は長編2作目となる。
青山修三
横川に実在する古本屋「本と自由」の店主。本作に、同場所で本人役として出演。前田多美監督 短編『光をとめる』でも本人役としての出演歴あり。
梶田真悟
1987年4月5日生まれ。広島県江田島市出身。
広島の劇団で客演をしつつ、2014年、劇団「コムたんたん」の旗揚げメンバーとして加入。「扇風機止めたい」、「マジギレ包丁午前3時」、「蜜の辿る道」、「確固な夜は括弧に依る」「窮屈な染み」などを執筆。コムたんたん第一回公演「アイムヤンキー」(作、演出 坂田光平 )に出演。2017年、第二回神奈川かもめ短編演劇祭にコムたんたん「月にはホクロ」で作、演出として参加。
2014年、NHKドラマ「戦艦大和のカレイライス」出演。
2016年、広島ホームテレビ「恋とか愛とか(仮)」episoude15「揺れる女」出演。
2020年、前田多美監督「光をとめる」脚本。
2021年、コント集団「まちのらいと」に加入。
ウエノケンジ1986年8月2日生まれ。広島県広島市出身。
ベーシストとして10代の頃より活動し、2009年のっこんと共にバンド「カングルワングル」を結成。現在バンド「ウサギバニーボーイ」「nekomusume」「deyney」のベース担当。
こだまこずえ
1979年5月28日生まれ。広島県呉市出身。ライブペインター。
広島市立大学芸術学部油絵科卒業
2003年、脚本家久松真一の舞台「地雷を踏んだらさようなら」(東京芸術劇場)にて女優デビュー。
2004年、NHK「さわやか三組」担任役で初のテレビレギュラー出演。
「ココリコミラクルタイプスペシャル」「野ブタをプロデュース」「セクシーボイスアンドロボ」など出演。
2005年、地元広島で行なった初個展で高い販売実績を記録したことから絵画活動を本格化。
2007年、広島新己斐橋下橋脚に16mの壁画を単独制作、2008年同作品が広島街づくりデザイン賞アート・サイン部門を受賞した。
劇中絵として塚本 晋也監督「悪夢探偵2」や菊池成孔コンサートのフライヤー、野狐禅CDジャケットなどでも作品が起用される。
ドイツ、カンボジア、ボスニア、イギリスなどでライブペイント作品や壁画を世界に残し、現在は地元広島に戻り画家を中心に様々な分野で活動中。