Leadがおよそ7年ぶりに開催、冬ライブのオフィシャルレポート到着!
2022年12月。また1年が終わるこの季節がやって来た。いろんな人の数分の人生が詰め込まれた1年。それに同じものなど一つもなく、その人の生きた証として積み重ねられていくものだ。
今から20年前の2002年の7月31日に「真夏のMagic」でデビューしたLeadにとって2022年という1年は、20周年という大きな節目を迎えた特別な1年であったことは言うまでもない。
彼らはデビューが夏だったことから、ツアーやイベントなども夏に行われることが多かった。もちろん、今年もデビュー日には『Lead 20th Anniversary Live 〜感今導祭〜』(TACHIKAWA STAGE GARDEN)のステージで、堂々たる20年の歴史を披露していた程に、夏と共に駆け抜けてきたグループでもあった。
そして。彼らは2022年の最後の月に、彼らにとってはとても珍しい“冬ライブ”を企画したのだ。
Leadが有観客で“冬ライブ”を行うのは実に約7年ぶりのこと。夏と縁の深いアーティストでもあったことから、彼らが冬をテーマにどんなメニューで魅せてくれるライブになるのか、とても楽しみだった。
彼らがこの特別なライブを行う場所として選んだのはEX THEATER ROPPONGI。12月3日と、12月に入ったばかりではあったが、街は既にクリスマス一色。
ここ数年コロナの影響で自粛が続いていたクリスマスムードも、今年は少し活気が戻り、六本木の街にはクリスマスネオンが灯り、いつもの輝きを取り戻していた。
会場に集まったファン達も、この日は少し早いクリスマスを意識した装いで彼らに会いに来ていたこともあり、客席は雪景色のように白く染まっていた。
客席側の“冬演出”はバッチリである。
18時半ちょうど。定刻通りにライブは幕を開けた。
始まりは「HIDE and SEEK」。
“3人”を存分に活かしたフォーメーションで、それぞれの役割がしっかりと活かされた歌唱が届けられる最大限に“Lead”を感じさせるこのナンバーからの始まりに、オーディエンスは1曲目からすっかり引き込まれていった。
続く「ムーンライトシャワー」への絶妙な流れと大人な足捌きで魅了した極上のダンスは、ディナーSHOW的なスタイルのライブも似合うグループになったことを証明するかの様な深みを感じさせた。
間髪入れずに「Let's Get On It」「Funk This Time!」がメドレーで届けられ、テンポアップしていった先にディスコサウンドな「Love or Love?」を置き、完全に引き込んだオーディエンスの気持ちを解していったセットリストの構成も見事だった。
「みなさん、『Lead Winter Live 2022~Snow Magic〜』へようこそ!」
3人は声を揃えて、この日最初のウェルカムトークを届けた。
「本当に寒いからね。みんな寒くないかな? って心配になっちゃいますけど、、、。今日はよろしくお願いします!」(古屋敬多)
「ようやくこの季節にLeadがライブを出来るということで、ワクワクが止まりません。ペンライトを振ってもらったりとか、手を振ってもらったり、強い眼差しを僕達に贈ってもらえたらなと思います! 声が出せない分、どうかたくさん楽しんでください!」(鍵本輝)
「どうもみなさんこんにちは!たくさんの方々に集まってもらえて嬉しいです。2022年に20周年を迎えさせて頂いたんですけど、今年ラストのライブになりますので、精一杯届けていけたらと思っています。みなさんの力も必要なので、よろしくお願いします!」(谷内伸也)
Leadの冬の曲をセレクトしたというセットリストは、クリスマスのカヴァーナンバーなども用いた仕様になっていた。
Mariah Careyの「All I Want For Christmas Is You」のカヴァーから、「Ding Dong」を繋げて届けると、客席からは弾んだクラップが自然発生し、クリスマスソング(「Jingle Bell Rock」)でのダンスコーナーを挟みWham!の「Last Christmas」のカヴァーから「My One」へと繋げて届けるとオーディエンスはペンライトを赤と緑に変え、メンバーと一緒に会場内をクリスマスに染め上げた。
「Jingle Bell Rock」では、敬多と輝がファニーさを含んだミュージカル風なダンスを届け、サンタクロースに扮した伸也が登場すると、サンタクロースが背負っている白い袋からカラーボールを取り出し、3人で客席に向かって投げるサプライズを行いファンの皆さんを喜ばせていた。
クリスマスソングを上手く取り入れたこの季節ならではの演出だったと同時に、“夏”のイメージが強いLeadに、「Ding Dong」「My One」といった“冬”を歌った名曲があったことを、改めて思い起こさせたブロックでもあり、ファンにとっては改めて20年という彼らとの思い出を振り返れた瞬間であっただろうと感じた。
彼らは、この日の特別として、それぞれのソロを用意していた。
自らが作詞を担当した「Stay with me」を届けた輝は、姿勢を低くし、客席により近い視点で歌った。
輝らしい優しさと、彼の人間性を物語るあたたかさが溢れたステージは、多くの舞台を経験してきた輝の表現力と成長をもうかがわせる深みを感じさせた。
伸也もまた、自らが作詞を担当した「君と歩く未来」を選曲。“限りある人生のなか 広い世界のなかで僕らは出会った”という歌い出しから始まる、20周年を迎えた今に相応しく響いたこの曲は、伸也のアイデンティティであるラップを柔らかくメロディに載せて届けられた。
伸也が右手を高く上げ、大きく左右に振って歌うと、オーディエンスはペンライトを大きく左右に揺らして応えたのだった。
敬多がソロ曲として選んでいたのはDonna Summer「Hot Stuff」。敬多がアダム役で出演した2019年に行われたミュージカル『プリシラ』からの選曲だ。
当初舞台では自身が演じたアダムとして役になりきって届けられた「Hot Stuff」だったが、この日は正真正銘の古屋敬多自身でオリジナルの「Hot Stuff」を届けた敬多。
ディスコチューンを纏い、70年代をすっかり味方に付けた歌とパフォーマンスでオーディエンスを魅了したのだった。
後のMCで輝と伸也は敬多のソロに触れ、“「Hot Stuff」とはね〜! 全部持っていったよね〜! ズルイ!”と語り、客席を笑の渦に巻き込みながら、それぞれのソロをピックアップしたトークでオーディエンスを喜ばせた。
お互いを尊重しながらも、本当に本音で話し合い、向き合っていることが伝わってくる、昔から変わらない仲の良いLeadの掛け合い。
Leadという存在は、彼らがファンと共に何よりも大切に守り抜いた人生であり、関係性そのものだと感じた。
彼らはそんな“絆”を歌った「anytime」で本編のラストを締めくくり、鳴り止まなかった拍手に応えてアンコールを届けた。
そんなアンコールの中で、彼らから2曲目に「GET WILD LIFE」で撮影OKにするサプライズを贈り、少し早いクリスマスのプレゼントを贈ったのだ。
「GET WILD LIFE」は19年前のこの日(12月3日)にリリースされた楽曲であり、ライブでフル尺を披露するのは10年ぶりのこととあって、3人は少し当時を意識したダンスパフォーマンスでこの曲に挑んだことから、オーディエンスには更に嬉しいプレゼントになっていた様だった。
2022年を締めくくるライブがこの日であったことの特別を改めて感じた。
いつもとは一味違った“冬のLead”は、この先も続いていく彼らの歴史の中で、20周年という節目を振り返ったときに、かけがえのない時間となって蘇ることになるに違いない。
“冬のLead”も悪くない。
▷セットリストプレイリスト
取材・文:武市尚子
写真:神谷渚