オールスタンドアップで期待感に溢れる
スクリーンに映像が投影されると同時に沸き起こる拍手。大勢の観客が待ち焦がれたライブが、いよいよ始まる。この日は埼玉大学の在学生のほか、一般の来場者も多数参加した。ステージの照明が青く光ると同時に、満を持して石崎ひゅーいが登場。そして再び会場は拍手に包まれた。「ありがとう!!立とうか!!」
観客は応えるようにオールスタンドアップ。「すっごい楽しみにしてきました!」と、石崎ひゅーいもマイクで観客に熱い想いを伝え、コールアンドレスポンスが始まる。会場は期待感で溢れ手拍子と共にレスを返す。会場をのせると軽く自己紹介をしてそのまま『夜間飛行』に入った。ファンのハンドアクションの波の上に立ち、華々しい幕開けとなった。
続いて2曲目は『僕がいるぞ!』。軽快なリズムとひゅーいの魅了する歌声で、早くもライブハウスさながらの盛り上がりを見せる。「いいじゃないか!」と感想を漏らすほど、埼玉大学の総合体育館は熱気に包まれた。3曲目は『ワスレガタキ』。疾走感溢れるロックナンバーで、アニメ『Dr.STONE』の主題歌にもなっている。思わずタオルを振り回す観客も。「まだまだ飛ばしていく」と、観客を煽るひゅーい。そしてそれに呼応するように反応する観客。ここでMCに入り、寒い中集まってくれた観客への礼を伝えた。
4曲目はアコースティックギターを手に取り『ジャンプ』のイントロへ。この楽曲は私立恵比寿中学へ提供された楽曲であるが、それをひゅーいがセルフカバー。会場にいる観客に愛を込めてギターをかき鳴らしながら歌を届けた。
ギターを変え『Flowers』。映画『アンダードッグ』の主題歌にもなった曲を披露。リズムの良い手拍子がバンドの一部となり更にグルーヴを強めていった。
色々な景色をみんなと共有していきたい
前半を走り終えたひゅーいは2回目のMCで観客に重大発表を行う。2024年5月10日(金) 東京国際フォーラム ホールCにて石崎ひゅーい初のホールワンマンライブ「宇宙百景」を開催する旨を伝えると会場からは歓声と拍手にのみ込まれた!
この『宇宙百景』という曲は石崎ひゅーいという人間性の音楽に出会ってくれた一人一人に向けた手紙のような曲で、これからも色々な景色をみんなと共有していきたいという思いを歌にしたことを伝えた。
「思いが2024年5月10日に届けばいいな」と、ひゅーいらしい思いやりのある言葉にして、また会うことをみんなと約束した。
そしてそれだけでなく、埼玉大学むつめ祭出演記念に学生限定チケットの発売を発表!このチケットは大学生であれば誰でも利用できるのでぜひチェックしてみて欲しい。
LIVE 2024「宇宙百景」埼玉大学むつめ祭出演記念学生限定チケット情報
ここからはこれまでとは雰囲気を変え、観客はひゅーいの世界観にどんどんと溺れていく。5月10日のホールワンマンライブのタイトルにもなっている『宇宙百景』は、ゆったりとした曲調の中に希望に溢れる歌詞が特徴の曲となっている。今日来てくれた観客にありったけの気持ちを乗せて歌を歌った。
曲の終わりとともにマイクスタンドを片手にとりマイクを差し込むとドラムのリズムが鳴り響く。『ナイトミルク』だ。甘い声で少し気だるく歌うその雰囲気により一層引き込まれる。その声で観客をそっと撫でた。そして『花瓶の花』へと続く。しっとりとした雰囲気の中でも力強いまっすぐな思いを歌にしたラブソングとなっている。永遠と流れ繰り返す時間という苦悩の中で、見つけた希望を自分たちに当てはめて共感する観客も多かったことだろう。
観客たちは聴き入り、まっすぐな視線をステージに送った。
3回目のMCで改めて埼玉大学の学生に向けて、学園祭ライブを行えたことのお礼伝え、ラストスパートに入る。
ひゅーいの観客への思いが歌に
鍵盤の響きは壮大なスケールを感じさせる。『バターチキンムーンカーニバル』で再び会場は湧き上がる。会場を右から左に見渡すと「愛してるぜ!」と伝え、会場から歓声が上がった。ボルテージ最高潮のまま上着を脱ぎ捨て、再びギターを手に取り『虹』を披露。家族や友達などそばに居る人への感謝、そして素直な気持ちを「ありがとう」という言葉に込めて贈るこの曲に、会場は心地いい優しさで包まれた。
この日のひゅーいの観客への思いが歌になっていたのだろう。会場に響き渡るように「ありがとう」と叫んだ。
締めくくりは『さよならエレジー』。言わずと知れた名曲だ。力強いギターサウンドとメロディアスな鍵盤に呼応するように、観客たちもハンドアクションで思いを示した。ラストのサビ前にアコースティックの音のみとなり、自ら声を上げて歌う観客たちの大合唱。ひゅーいの優しく鳴らすギターに合わせてこの日で最も会場が一体感に包まれた瞬間だ。サビでバンドサウンドに戻り最後の一字一句まで丁寧に歌い上げた。
最後にバンドメンバーの紹介と、この日のために作られた特設ステージでさよならの挨拶を交わし、学園祭のライブは名残惜しくも終了した。終わった後も観客の拍手は鳴り止まず、退場する気配はない。その拍手と観客たちへの最後の別れを伝えるため、ひゅーいが再度登壇。ランウェイを駆け、先頭で深々と頭を下げ、感謝の気持ちを伝えた。曲に込められた石崎ひゅーいからの熱いメッセージを受け取った観客たちにとって、この日はきっと忘れられない1日となったのではないだろうか。